ドライバーの重さをどこまで重要視していますか。
重さよりもロフト角やシャフトのフレックスに目が行きがちではありませんか。
重さは振り心地に大きく影響します。
もしもドライバーのヘッド、シャフト、グリップといった各パーツをそれぞれ重くするとどうなるのでしょうか。
今回はパーツの重さについて考えます。
ドライバーのヘッドは190g~210gが主流
パーシモンの時代から変わって、技術の発達とともにドライバーのヘッドはチタンが主流で大型ヘッドになってきました。
大型ヘッドにすることで反発性能を高め、より飛距離が出るようになっています。
現在のヘッドの重さは、190g~210gが主流となっています。
なぜ、200g前後にヘッドの重さがなってきたのでしょうか。
ドライバーに限らず、インパクトでは強い衝撃が発生します。
その衝撃をボールに余すことなく伝えられれば強く飛んでいきます。
それでは、どのようにしたら衝撃が強くなるのか考えてみてましょう。
まず、ヘッドスピードを上げることで衝撃を強く与えることができます。
次に同じヘッドスピードだと仮定した場合、ヘッドの重さによって衝撃が変わります。
100gのヘッドと200gのヘッドであれば、200gのヘッドのほうが強い衝撃を与えることができます。
そうすると、ヘッドをどこまで重くするのが適正なのか考える必要性が浮上します。
ある実験で、ボールに対する反発力は重いヘッドのほうが高いことが証明されています。
しかし、200g前後を境にその反発力の向上は緩やかになり、重さに対する反発力の効果は薄れていきます。
それは反発力制限やボールの大きさ、重さ、ボール自体の反発力も関わっているのでしょう。
そのため平均的な身長から適正なシャフトの長さ、そして遠心力を考慮し、190g~210gが主流となったのではないでしょうか。
ヘッドをウエイトで重くすることでショットが安定する
ドライバーでボールが上がらない、左右に曲がってしまう、そんな悩みを抱えているアマチュアゴルファーは多いと思います。
その場合、ヘッドを現状よりも重くすることで、悩みを解決することができると言われています。
●重心深度を深くする
ボールが上がらなくて困っているゴルファーは、スイングで打ち出し角度を上手く作れていない人です。
そこで重心深度を深くすることで軽減できることがあります。
重心深度を深くするためには、ヘッドのソール面の後方にウエイトを貼ります。
そうすることで重心深度が変わり、インパクト時にヘッドの重心移動の距離が増え、フェース面が上を向きやすくなります。
●重心距離と重心角を変える
フックやスライスで悩んでいるゴルファーも同様にウエイトを貼り、ヘッドの重さを変えることで解消できます。
フックで悩んでいるなら、トゥ側のソールにウエイトを貼ると重心距離が長く、重心角度を小さくできるため、つかまり過ぎを抑えられます。
またスライスで悩んでいるなら、ヘッドを返りやすくするため、重心距離を縮め重心角を大きくします。
この場合は、ヒール側のソールにウエイトを貼ると変えることができます。
ヘッドを重くするといっても、1~3g程度の変化で十分効果が得られますので試してみてください。
トップが浅いゴルファーはヘッドを重くすると直る?
ドライバーでなかなかスイングが安定しない人の中に、トップが浅く、ドライバーの長さを生かし切れていない人がいます。
トップが浅いと捻転差も生まれずヘッドも走らないため、手打ちになりやすくなります。
それでは、どのようにトップを深くしたら良いのでしょうか。
トップが浅くなりやすい原因のひとつにヘッドの重さを感じられていないことがあります。
こんなときは、ドライバーのヘッドを数グラム重くすることで解決できることがあります。
移動式のウエイトがついているものであれば、ウエイトやビスを重いものに変えると簡単にできます。
一方、移動式のウエイトがついていない場合はどうしたら良いのでしょうか。
先ほどウエイトを活用したヘッドのカスタマイズと同様にヘッドにウエイトを貼ることで重くすることができます。
しかし、今回はあくまでもヘッドを重くすることが目的ですので、重心距離や重心角が変わらないようにソールの中央から後方にかけてウエイトを貼るようにしましょう。
ドライバーのシャフトを重くするとどうなるか
次にドライバーのシャフトを重くするとどうなるのか説明していきます。
シャフトを重くすると単純に総重量が重くなることは想像できます。
同時に、ドライバーそのものバランスも変わってきます。
ドライバーはヘッド、シャフト、グリップの三つのパーツの重さでバランスが決まります。
基本的にはヘッドが一番重たいパーツとなりますが、シャフトが重くなることでそのバランスが変わってきます。
一般的には重いシャフトに変えた場合、バランスは重くなります。
10g前後重くすると、バランスは1ポイントほど重くなるものが多いです。
つまりD2であったドライバーのバランスがシャフトを重くすることでD3になったりするということです。
またシャフトが重くなるということは、カーボンの使用量(巻いている量)も増えるためシャフトに厚みが出ます。
巻き方や素材によっても異なりますが、基本的に重くなるとシャフトは硬くなる傾向にあります。
シャフトを重くする場合は、バランスやフレックスが変わることを注意しておきましょう。
グリップを重くするとドライバーは軽くなる?
最後にドライバーのグリップを変えるとどうなるのでしょうか。
ドライバーのグリップを重くすると当たり前ですが総重量は重くなります。
しかしバランスは軽くなるという不思議な現象が起こるのです。
簡単に説明するとヘッドと真逆にあるグリップを重くすることで、クラブの重心がヘッド側からグリップ側に寄ります。
その関係で軽くなるという仕組みです。
ドライバーの長さの場合、5gの変化でバランスが約1ポイント変わると言われています。
この関係を理解できると、色々と応用ができます。
適正のクラブ重量では重く感じてしまう場合、バランスを軽くすることで振りやすくなります。
クラブそのものの重量を減らすことなく、軽く感じることができるのです。
ただしグリップを重くする場合、形状や素材が変わることがあります。
それが嫌であれば同じグリップを選んだ上で、グリップエンド側のシャフトにウエイトを入れれば対応できます。
こちらの方法も検討してみてください。
ドライバーは重いほうが良いのか?軽いほうが良いのか?
最後にドライバーを今より重くするほうが良いのか、軽くするほうが良いのか悩んでいるゴルファーへ判断基準をまとめます。
●重すぎるドライバーの場合
・すぐに疲れてしまい、ラウンド後半に振り切れなくなる
・ヘッドの重さに耐えきれず、リリースが早くなりダフってしまう
・スイングテンポとヘッドの重さが合わず振り遅れる
●軽すぎるドライバーの場合
・クラブの重さを感じることができず、無駄な力みが入る
・軽いと、ひょいと腕で操作ができてしまうため、スイングの緩みに繋がる
・ヘッドの効きが悪く、ヘッドスピードを上げようとスイングテンポが早くなる
このほかにも合わない場合のデメリットはありますが、ここでは重さ(総重量・バランスともに)が合わないと良くないということを理解してもらえれば良いです。
それでは、適正な重さはどうやって判断すれば良いのでしょうか。
基本的には少し重たく感じるものが適正と言えますが、振るたびに疲れてしまうのは良くありません。
3回程度、連続でスイングをしてみてスイング軸がずれたり、ダフってしまわない重さが適正と言えるでしょう。
ドライバーの重さをコントロールする
ドライバーのどのパーツがどのような重さになったら、どう影響するのかを理解できれば、自分に合わせるための各重量もイメージできますし、また自分のスイングの問題点なども見えてきます。
是非、この機会に重さについて考えてみてください。