ドライバーのアドレスでフェースをスクエアにセットするとき、グリップの裏側にバックラインが入っていると便利です。
でもスクエアグリップ以外の握り方をしていると、そのバックラインが邪魔と感じることがあります。
ドライバーのバックラインの使い方についてご紹介します。
ドライバーのグリップにバックラインがあると構えやすい
ドライバーのグリップにバックラインがあると、アドレスでフェースをスクエアにセットするとき便利だと感じるはずです。
グリップラバーの形状は円形の横断面を原則としているので、シャフトと同じ円柱であることが基本となります。
ただしグリップの裏側にあたる箇所に、突起のような膨らみを持たせるバックラインは例外として認められています。
ゴルフグリップのルールでは、握るときにフィットさせる形状を認めていないので、制定の趣旨からするとバックラインは違反と解釈できますが、慣例上から許容されているようです。
革巻きの時代であれば、シャフトにワイヤーを挟んでグリップを巻くと、突起を作ることができました。
握りやすさというよりも、フェースをセットするときの構えやすさのためだったので、極端な膨らみは必要なかったわけです。
ところがグリップがゴムラバーになると細いワイヤー1本を入れて装着しても、バックラインが感知できないことがあります。
そこでゴムラバーの表面にバックラインを作るようになったわけです。
ドライバーにバックラインのあるグリップの構え方
ドライバーのグリップにバックラインが入っていると、バックラインを真下にしてグリップを構えることでフェースはスクエアにセットできます。
グリップの握る手順は、まずドライバーのヘッドを芝面に置いて身体に立てかけます。
次に上半身を前傾させて肩から腕を下ろし、グリップを両サイドから挟みます。
両手でグリップを握る位置は、両肩のほぼ中央にあるはずです。
身体とグリップエンドの間隔を握りこぶし2個分あけて構えると、ドライバーの基本とするアドレスの姿勢になります。
このときグリップにバックラインが入っていると、フェースをセットするとき正しい向きになっているかを迷うことはなくなります。
構えやすさとしては便利なバックラインですが、実際にグリップを握るときには邪魔になることが多いようです。
ゴルファーのなかには、フックフェースでセットしてアドレスを取ることがあります。
近年のドライバーは軽量化が進み、以前よりもヘッドスピードが速くなり、飛距離も伸びてきています。
速くなったヘッドスピードに対応するため、フックフェースで構えることが多くなってきています。
バックライン入りのグリップが向かないドライバーがある
ドライバーをフックフェースで構えると言うことは、グリップを左回転させて握るということです。
それまではセンターを表していたバックラインが、中心よりも右側に移動するわけですから、今度はそのバックラインが気になります。
一般的なフックフェースでセットするときは、フェースの角度が1度から2度プラスにしますが、このときグリップを左側に回転させる範囲は微々たるものです。
せっかくフックフェースで構えても、スイング中にバックラインに反応してしまい、フェースを戻してしまいます。
つまりスライス防止で構えたフックフェースは、スイング中にスクエアフェースになり、インパクトではオープンフェースになってスライスボールを打ち出すことにあります。
このようにフックフェースにセットして構える場合には、フックラインは必要ありません。
ただしドライバー自体がフックフェースになっているタイプだと、バックラインを意識すると正しいフックフェースの向きに構えやすくなるので、あったほうが助かるはずです。
ドライバーにグリップにバックラインがあると握り難い?
ドライバーをフックフェースで構える場合には、バックラインはないほうが構えやすいですし、フックフェースのドライバーは、グリップにバックラインがついていると構えやすくなります。
ただ実際にはフックフェースに構えるよりも、グリップの握り方をストロング(フック)グリップ気味にします。
スクエアグリップの握り方は、グリップを両サイドから挟むようにしますが、ストロンググリップはグリップを斜めに挟むためバックラインが邪魔します。
スクエアグリップのときの左手は、上から見えるこぶしの数が2個だとしたら、ストロンググリップでは3個見える程度にすると、インパクトのときのフェース角は1度から2度左側を向きます。
でもバックラインの入っているグリップを使うと、バックラインに合わせようとするため、フェースは開いてしまいスライスします。
そこでバックラインの入っているグリップを使うのであれば、ストロンググリップの角度に合わせてバックラインをずらします。
グリップの真後ろにあるバックラインを、左側にずらせばストロンググリップの握り方でも違和感はなくなります。
ドライバーのグリップのバックラインが合わなければ交換
ドライバーのグリップをバックライン入りにすると、構えやすい場合と構え難い場合があります。
ただし構え難い場合でも、グリップを差し替えてバックラインの位置をずらせば、より信頼感のおけるアドレスができるようになります。
グリップを差し替える方法は2つあります。
1つは新しいグリップに交換する方法です。
ゴルフ用品の量販店でグリップラバーを購入すれば、多少の工賃はかかりますが自分に合った角度にしてくれます。
もう1つの方法はゴルフ工房に持ち込んで、装着されているグリップの角度を変えてもらう方法です。
ただ商品購入なしの工賃のみですから、受けてくれない場合があります。
そんなときは自分でも、グリップの差し替えをすることができます。
まず新しいバックラインの位置が分かるように、マスキングテープをシャフトに貼っておきます。
次にネットショッピングで注射器(針つき)を購入し、グリップラバーの先端から灯油を注入します。
グリップラバーを揉むと接着剤が溶けるので、シャフトからグリップを引き抜きます。
ドライバーのグリップにバックラインがなくても同じ感じ?
ドライバーのシャフトからグリップを引き抜いたら、シャフトとグリップ内部に両面テープが付いているので取り除き、灯油で粘着剤を綺麗に拭き取ります。
新たに両面テープを貼って、その上に灯油をかけてからグリップを装着すると、滑るように入っていきます。
あとは目印のマスキングテープにバックラインを合わせて乾燥されれば終了です。
この方法ができれば、バックラインのないグリップでも、両面テープを上下に厚く貼ると、薄っすらと楕円のような形状になります。
握ってみないと分からない程度ですが、本人だけが気がつくようなグリップの上下を感じることができます。
ですからバックラインなしでも両面テープの貼り方次第では、スクエアフェースに合わせたり、ストロンググリップ対応したりと、同じような感覚でグリップを握ることができます。
ドライバーのグリップのバックラインは好み次第?
ドライバーのグリップにバックラインがあると、フェースをスクエアにセットしやすくなりますが、ストロンググリップで構える人にとっては煩わしいと感じるかもしれません。
グリップを回転させて握り方に合わせるか、バックラインの代わりにグリップを接着する両面テープを重ね貼りする方法もありますので、扱いやすいほうを選ぶと良いかもしれません。