ドライバーのロフト角選びと初心者ゴルファーとのマッチング

ドライバーには、打ち出す角度を表すロフト角があります。

角度が少ないほど飛ぶといわれていますが、初心者にとってはどのくらいの角度がよいか知っていますか。

ここでは初心者のドライバーのロフト角の間違えない選び方をお話します。

ドライバー初心者の飛距離は打ち出し角とスピン量とロフト角

初心者の多くは、ドライバーを苦手なゴルフクラブにしているようです。

他のクラブよりも長いためフェースにボールを当てるだけでも大変ですし、当たってもチョロやテンプラ、スライスなど頻繁にミスショットが出てしまうことで、苦手意識が植え付けられていくようです。

科学的に飛距離を数値化すると、初速と打ち出し角とスピン量によって分析できます。

初速とはボールの飛び出すときの速さですが、その数値を上げるためにはヘッドスピードの速さと、フェースのスイートスポットでボールをとらえることが必要です。

現在のドライバーの多くはチタン製になっていますが、非常に硬い金属のチタンを薄くできたことで、フェースの芯(スイートスポット)はトランポリンのように弾むようになっています。

そのためフルスイングにこだわらず、芯でボールをとらえることができれば、飛距離が確保できるようになっています。

残りの打ち出し角とスピン量は、フェースの斜度であるロフト角が関係してきます。

初心者に合ったドライバーのロフト角を見つければ必ず飛ばせる

初心者だからこそターゲットポイントを定めて、そこに向けてボールを運ぶドライバーショットが必要です。

「ホームランか三振か」ではいけません。

10打席で3回ヒットが打てれば優れた3割打者になれる野球とは違い、ゴルフは10回すべてがセンターポジションをキープするのが理想です。

そうにもかかわらず常にフルスイングをすると、打ち出すボールは右や左へと散っていくのは想像がつくと思います。

これではスコアをまとめることができず、上達が見込めなくなってしまいます。

安定した球筋を確保するために必要なことは、100%ではなく80%のパワーでスイングすることです。

ところが初心者に「80%のパワーでスイング」と伝えると、フンワリとしたスイングをしがちです。

調整が難しいかもしれませんが、80%のパワーとは力みのないスイングをするという意味です。

力みがなくなれば、スイートスポットでインパクトする可能性が高くなります。

あとは自分に合ったロフト角を選べば、打ち出し角とスピン量を保つことができ、一定の飛距離は確保できます。

初心者にとってドライバーの適正ロフト角

初心者にとってドライバーのロフト角の適正角はどのくらいなのでしょう?

適正なロフト角はヘッドスピードが大きく関係してきます。

放物線を描いて飛ぶボールは、飛距離によって打ち出す角度が違うからです。

飛距離が長ければ放物線の最高点は高くなりますし、距離が短ければ最高点は低くなります。

そのため、どれだけ飛ばせるかによって、ロフト角の選び方は違ってくるわけです。

一般的に初心者は「振れていない」と思いがちですが、そんなことはありません。

野球やソフトボールなどのスポーツの経験者はいますし、ゴルフを始める前にスイングのメカニズムを知っていることもあります。

会社の上司に勧められて始めた時代とは違い、現在はゴルフクラブが進化していて、年齢や性別また体力などに合わせたドライバーを選ぶことができるようになっています。

男性のヘッドスピードの平均は40~43m/sと言われていますが、初心者1日目は40m/sを下回ったとしても、数日で平均値まで上がるはずです。

そう考えると、自分の飛距離が正しいロフト角の目安になるはずです。

ドライバーの飛距離が分からない初心者はロフト角を選べない

初心者に「ドライバーの飛距離は?」と聞いても、答えられないはずです。

これからゴルフを始める人を初心者というのですから、飛距離の「結果」で選択することはできません。

そこで、経験の浅いゴルファー特有のドライバーの打ち方を紹介します。

まずドライバーを握ると飛距離を重視して、ビッグドライブをイメージします。

ドライバーをフルスイングしてインパクトすることで、飛距離を伸ばそうと考えてしまうからでしょう。

そのため、ボールの側面を思い切り叩くようなショットをしようとするものです。

これが初心者ならではのスイングフォームですが、このスイングではまぐれ当たりがあったとしても、球筋は安定せずに飛距離が伸びることもありません。

試打の機会があれば、同じタイプのスプーンやバフィーを使って球筋が安定しているようなら、ドライバーのロフト角に合ったスイングをしていないことが考えられます。

ドライバーはボールを下から打ち上げるアッパーブローのスイングが必須です。

ボールの側面を打つと打ち出し角が低くなって飛ばず、しかもスピン量が増えて曲がる可能性が高くなります。

打ち出し角に合わせてドライバーのロフト角を選ぶ

初心者のうちに正しいドライバーのスイングを覚えることができれば、なにも問題はありません。

ただティーアップしたボールの手前にスイングの最下点を定めて、ヘッドが最下点を通過して浮いたところでインパクトができるようになるまでには、少々時間がかかります。

そんなアッパーブローを習得するためには、レベルブローの安定した軌道が必要になります。

もしかすると習得するまでに数か月を費やすことになるかもしれないので、ここは初心者用のドライバーを購入したほうが良いかもしれません。

ボールの側面をレベルブローで打っても、正しい打ち出し角になるようにすれば良いのです。

市販されているドライバーのロフト角は10度から12度程度ですが、打ち出す角度として14度は欲しいところです。

プロや上級者のスピン量は約2400回転なので、ヘッドスピードが43m/sなら打ち出し角は16度です。

しかしながら初心者はスピン量をコントロールすることが難しいので、3000回転を目標に定めた場合、打ち出し角は14度が適正になります。

ロフト角を変えられるドライバーを選ぶ

初心者がドライバーを選ぶ場合、ロフト角14度であればレベルブローでスイングしても、飛距離や方向性を確保することができます。

初心者なら中古ショップで手ごろな価格で見つけるのもおすすめです。

『テーラーメイド SLDR』であればロフト角14度で、しかもスピン量を抑える構造になっているので、安心してボールの側面を打つことができます。

ロフト角14度は特殊なドライバーなので、選択肢は限定されてしまいます。

しかも初心者はいずれ卒業することになり、アッパーブローのスイングを習得しなくてはいけない時期がくるので、14度を使う時期も限定されてしまうはずです。

しかし通称「カチャカチャ」と呼ばれる角度調整機能のついているドライバーを使えば、技量の向上に合わせてロフト角を変えることができます。

また市販品で多いロフト角12度を購入しておいても、最初はスプーンをティーショットに使うのも良いかもしれません。

上級者になるとフルスイングで飛距離を狙うのは、1ラウンドで1回か2回程度で、あとはセンターに「置く」ゴルフをします。

そう考えると常に「イチかバチか」のフルスイングをしている初心者のほうが、難しいドライバーショットをしていることになります。

自分のスイングとドライバーのロフト角を合わせても、イチかバチかのスイングスタイルを続けているとナイスショットは望めません。

スイングとドライバーの性能のマッチング、そしてセンターにボールを運ぶイメージを持つことが大切です。

初心者はドライバーのスイング軌道に合わせたロフト角を選ぶ

ドライバーを選ぶ場合、ロフト角はチェックポイントの1つですが、それは飛距離と関係するものです。

自分の飛距離が分からない初心者の場合は、スイング軌道が安定するまで、打ち出し角14度に合わせたものを選ぶと扱いやすいでしょう。