ゴルフにおいてロングホールでの2打目や、時にはティーショットでドライバーの代用として、「フェアウェイウッドをきれいに打ちたい。」と、きっと誰もがそのように思っていることでしょう。
しかし現実はそう甘くなく、理想としているような球を打つことは難しいです。
特にフェアウェイウッドは、ドライバーの要素とアイアンの要素、どちらの要素も含んでおり、打ち方のコツを掴むのはそう容易いものではありません。
そこで今回、少しでも優しくフェアウェイウッドを打てるコツを紹介します。
フェアウェイウッドの打ち方のコツがわからないゴルファー
さて、皆さんはどのような場面で、どのようなことをイメージしてフェアウェイウッドを握りますか?
おそらく、グリーンまで飛距離が残っている場面で、グリーンに乗せるイメージでフェアウェイウッドを打っているのではないでしょうか。
その際我武者羅にフルスイングし、打ち方云々ではなくひたすらフルスイングしていませんか。
その考え方では、まずフェアウェイウッドの打ち方のコツを掴むことはできません。
フェアウェイウッドの構造から考えると、遠くへ飛ばそうとか、グリーンへ乗せようという気持ちは、良い方向へは全く作用しないからです。
また、ティーショットで使用するときにも全く同じことがいえます。
ドライバーを使用しなかった時点で、飛距離を稼ぐことやフルスイングする考えは捨てましょう。
この考えを払拭しないことには、フェアウェイウッドの打ち方のコツはいつまで経っても理解できず、上達も難しいといえます。
「フェアウェイウッドを上達する一番の近道は、フルスイングをしない。」
すなわちコンパクトなトップを心掛けることにあります。
打ち方のコツを掴むための考え方
フェアウェイウッドの打ち方のコツを理解する上で、クラブの特性を知ることはとても重要です。
フェアウェイウッドの最大の利点は、ソールが滑り多少ダフっても飛距離が落ちにくいことと、打球の直進性にあります。
つまり、アイアンのように多少鋭角にクラブが降りてきても、ダフらずに距離を稼ぐことができるということです。
また、しっかりと打つことが可能になってくれば、ドライバーよりもはるかに直進性は高いクラブです。
そのための重要な考え方として、コンパクトなトップを心掛けること、遠くへ飛ばそうと意識せず、しっかりと球をダウンブローに打ち抜くことが肝になってきます。
現在一般的なスプーンはロフト角が15度、クリークは18度ですから、ダウンブローで打ち込んでも、球はしっかりと高く上がるように設計されています。
アッパースイングに振ってしまっては、クラブの特性を全く無視した動きになってしまうので、とにかくダウンブローに打つことを心掛けてください。
まずはグリップを短く握り、打つ練習から始めてみましょう。
少なくとも、遠くへ飛ばそうという意識は少しずつ改善されてくるはずです。
ティーショット場面でのフェアウェイウッドの打ち方のコツ
ドライバーの調子が悪い時やどうしても曲げたくない場面で、フェアウェイウッドを活用できるとゴルフの幅が広くなります。
そのような場面を想定した打ち方のコツを説明します。
まず、グリップを短く持ち目標は200ヤード先をイメージしてください。
上記で説明した通り、グリップを短く持っても、しっかりと打てるようになってくると対して飛距離は落ちません。
次に、何か目印になる草や打痕と目標方向を線で結び、その線上の20~30cm前に球をセットします。
そして、線に対して平行に立ち、セットした球を左足の踵から1球分右足よりにアドレスをとります。
あとは、コンパクトなトップから球を打つだけですが、この目印を横目で意識しつつ、絶対に球を打ち終わるまでは頭を上げないでください。
そして、一つだけポイントがあります。
それは、目印めがけてクラブを振り抜くことです。
そうすることで、トップすることを防ぎ、低くて長いインパクトゾーンを作ることができます。
練習場でも可能ですので、ぜひ試してみてください。
フェアウェイウッドの簡単な打ち方
ゴルフの考え方として、両手が支点となり、クラブフェースが作用点となるというのが一般的です。
そして、この支点である両手と球との距離が遠くなればなるほど難しく感じますし、近ければ近いほど逆のことがいえます。
つまり、グリップを極端に短く握ることが、フェアウェイウッドを最も簡単にさせる方法です。
フェアウェイウッドの打ち方のコツだけではなく、これはどのクラブにもいえます。
しかし、短く握ることで生じる不利益も多少あります。
それは、球が上がりにくいという点です。
グリップを短く握ることで、ダウンスイングがやや鋭角になり、ライナーのような球になりやすいです。
しかし、これはハンドファーストに打てている証拠でもあるので、あまり気にしなくても大丈夫でしょう。
また、シャフトの性能を十分に使いこなすことができないという点もあります。
一般的なフェアウェイウッドにはカーボンシャフトが使用されているため、シャフト自体にキックポイントというものが設定されています。
そのため、極端に短く握ることで、シャフトの性能が半減してしまうリスクもあります。
ライの影響を見極めるのも打ち方のコツ
フェアウェイウッドの打ち方のコツとして、使用する状況も十分注意が必要な要素です。
このような場面では、まずフェアウェイウッドを使用することはやめましょう。
まず、球がラフへ入ってしまった場合です。
ラフが深い場面では、クラブと球の間に芝が噛んでしまい、大きく飛距離をロスしやすいからです。
次に極端に傾斜がついている場面。
シャフトが長い分、アイアンに比べてスイング時の体のバランスが崩れやすくなるからです。
そして、バンカー。
バンカーではクリーンに球を捕える必要があります。
クロスバンカーのように、グリーンまで距離がある場合、使用したい気持ちもあると思いますが、トップやダフりの影響をもろに受けてしまいますので、余程の自信がない限りまず使用するのは危険です。
最後にディボット。
ディボットに球が入ってしまった際は、打ち込む意識が強くなりすぎる傾向があります。
その結果、球に対して余計な回転がかかってしまい、打球の予測がたてにくくなります。
上記のような場面ではフェアウェイウッドではなく、アイアンで刻むよう心掛けると良いでしょう。
フェアウェイウッドを安全に使用するためのコース攻略
ゴルフコースには、ゴルファーを惑わすような罠がたくさん仕掛けられています。
つまり、ゴルファーが考えそうなことをある程度想定して、ゴルフコースは設計されているのです。
この罠の仕掛け方やテクニックがいわゆるゴルフ場の難易度といわれるものです。
例えばロングホールの2打目地点。
ここでは、グリーンの手前がひょうたんのようにくびれていたり、左右どちらかにOBやバンカーがあることは多いです。
またティーショットでも、250ヤード前後のフェアウェイ地点は傾斜が強くなっていたり、狭くなっていたりします。
また池や谷などは、視界に入るだけで意識していないつもりでも意識してしまう危険な障害物です。
このような罠を理解して安全にゴルフのプランを設計していくことが、フェアウェイウッドの打ち方のコツでもあります。
闇雲にただただスイングするのではなく、ゴルフ場の地形や設計、風などを攻略することが、真の上級者だといえます。
是非、ゴルフ場のコース設計にも注目してラウンドしてみてください。
フェアウェイウッドを使用する場面の選定と迷い
フェアウェイウッドの打ち方のコツを掴むためには、どのような場面で使用するかをはっきりと決めておく必要があります。
ゴルフというスポーツの中で、最も不要な考えは自分自身の中の迷いです。
迷いを抱いたままスイングすることで、結果云々よりも、自分の中で悶々と葛藤が残ることは多くあります。
そして、その迷いを払拭させるのは自信です。
自信をつけるために、練習を重ねラウンドで結果を残す。
この循環への第一歩として、まずはフェアウェイウッドを使用する上での考え方や注意点を再度理解し、練習に励んでください。