グリーン周りからのショットをアプローチという場合があれば、100ヤード以内のショットすべてがアプローチだという場合もあります。
どちらもゴルフ用語として使われますが、本当の意味は少し違うようです。
今回はアプローチの意味とスコアメイクの方法について考えます。
アプローチの意味を知るとゴルフが上手くなる?
アプローチの本当の意味を知ると、今よりもゴルフのスコアが良くなるかもしれません。
まずアプローチという用語について確認しましょう。
多くのゴルフ専門誌やネット情報では、ピンに寄せる「100ヤード以内」のショットのことをアプローチと定めています。
ただこの距離はゴルフ規則が定める定義ではないので、慣例的に使われてきた距離ということになりそうです。
ゴルファーの飛距離にもよりますが、ウェッジの距離をみるとピッチングが100ヤード、アプローチウェッジが90ヤード、サンドウェッジが80ヤードと刻むことができます。
もちろんロフト角やヘッドスピードによって距離に違いはありますが、およそウェッジの範囲内をアプローチと定めていることが分かります。
ただピンに寄せることを目的としないショットであれば、アプローチショットとは表現しません。
砂の中から脱出することを1番に掲げるバンカーショットは、リカバリーショットと使うほうが多いようです。
アプローチが上手くなるためには、その1つ前のショットの精度を高くすることが常用だということが分かります。
ゴルフ場のレイアウトを知らないとアプローチの意味がない?
ウェッジでピンを狙えるショットがアプローチとするならば、それ相応のショットができなくてはなりません。
仮に100ヤード手前からピンを狙う場合、もっとも大切なことは方向性です。
ピッチングウェッジをフルショットすれば、100ヤードに達するのですから、ピンの前後はあっても遠くない範囲に寄せることはできます。
しかしピンとボールを結ぶ飛球線から打ち出す方向性が1度違うだけで、計算上なんと160センチずれてしまい、1.5度ずれるとワンピンも離れることになるのです。
ゴルフ場の平均的グリーンの面積は500平方メートルといわれていますから、丸いグリーンであれば半径は約12メートルしかありません。
その12メートルの中間点にピンが立っているとしたら、3度ずれるとグリーンからこぼれてしまう計算です。
つまり横方向にブレが出ると、偏ったピンの位置ならグリーンからこぼれる可能性が高くなります。
そのため方向性にブレが出やすくなるバックスピンを狙うアプローチショットに意味はなく、打ち出す方向をとにかく安定させることこそが大切なのです。
ゴルフコースでピンを狙うのがアプローチの意味?
ピンに向かってショットすることをアプローチの意味としたとき、「ピンに近づける」ことと解釈されることが多いようです。
確かにスコア上はワンパット圏内に寄せたいところですが、無理にワンパットを狙う必要はありません。
グリーン上のパターの規定打数は2打を想定しているので、パー4であれば2打がパーオン、残りの2パットでパー、これを繰り返すと72打でホールアウトできます。
つまりアプローチで大事なことは「ピンに寄せる」ことよりも、2打で確実にカップインできる位置につけることなのです。
確実に2パットするためには、アプローチで「下」につけることです。
ピンを狙ってオーバーするよりも、手前からパッティングできれば、運よく1パットの可能性もあります。
一方で奥からのパッティングは、勾配によって難しい状況が想定されます。
ゴルフ場の基本的なレイアウトは、アプローチ地点からグリーン面が見えるようにしています。
手前からグリーン面が見えているのは、「受けグリーン」ということです。
グリーン面の意味を考えてアプローチしよう
上りのパットと下りのパットの難易度を比較すれば、だれでも下から攻めるほうを選択するはずです。
そこでグリーンの手前から転がして乗せるアプローチショットにすれば、ピンよりも下につく可能性が高くなります。
あえてデッドにピンを狙って攻める必要はなく、「やさしいアプローチ」で、あとは方向性を重視すれば2パット圏内につけることができるはずです。
グリーンの形状にもよりますが、カップを切るときは星型の一筆書きの順にしています。
グリーンの芝は、ゴルファーが歩くことでダメージを受けます。
その歩行を回避するために、対角線上にカップを切るのが常道だからです。
ここで気がつくかもしれませんが、次のホールに向かうグリーン上の経路は、常に歩いているので傷んでいることが想像できるはずです。
その傷んでいる部分にはカップを切ることはできないので、星型の中心を使います。
そして傷みやすい歩経路になる部分には、ボールが転がらないように高めの傾斜をつけているはずです。
こうしたゴルフ場のグリーン面の意味を理解できれば、「手前」から「下」につけることができるようになるはずです。
ゴルフにおけるスコアメイクの意味を知ってアプローチショット!
ゴルフ場のグリーン面の意味が理解できれば全体的な傾斜が予測できるので、おのずとアプローチショットのターゲットポイントは決まります。
しかしグリーンの手前に大きなガードバンカーがあり、しかもカップはバンカーを越えた直ぐの箇所に切られていることがあります。
傾斜は分かっていても、そこをターゲットにすることのほうがリスクの高いときもあるものです。
その際バックスピンで戻る球を打てれば問題ありませんが、アマチュアには難易度が高いのでおすすめはできません。
こんなときは、花道(エプロン)からグリーンを狙い、最初の1パットで寄せられるようにします。
基本はグリーンの中心にボールが止まるようにしますが、バンカーが邪魔であれば左右どちらでも、バンカーにかからない箇所からグリーンオンを狙いましょう。
スコアメイクの鉄則は「ミスショット減らす」ことです。
もしも乗せられないようであれば、無理はせずにグリーン手前で止めて、寄せワンのアプローチを選択しましょう。
アプローチの前に意味を確認できればゴルフは上手くなる
寄せワンのアプローチで、もっとも重要なことはダフリやトップなどのミスショットをとにかく避けることです。
本来はピンに寄せるアプローチショットを止めて、ミスショットを回避するために安全策をとったのにもかかわらず、寄せようという思いが強すぎてダフリやトップになることがあります。
ダフリやトップにならないアプローチができること、そしてOKパット並みの確実な寄せができることが、アクシデントを回避してエプロンにボールを運ぶための条件になります。
アプローチの箇所からピンまでに何も障害がない状況を想定します。
パッティングと同じように、転がして近づけるアプローチであれば、もっともミスを防ぐことはできるはずです。
そのためアプローチウェッジよりもロフト角の立っている8番アイアンを選択して、振り子のゴルフスイングをすれば、転がり主体のアプローチができるはずです。
あとは距離感を養うために、振り幅と距離を一致させる練習を繰り返せば、失敗しないアプローチが可能になります。
その上でアプローチの前に意味を確認すれば、正しい攻め方ができるようになります。
「アプローチ」はゴルフコースの距離を意味したものではない
アプローチの意味を「100ヤード以内のショット」と、距離を目安にすることはありますが、ピンに寄せるショットはすべてアプローチだといえます。
ゴルフコースに潜む罠を避けて、寄せワンのアプローチができるようになれば、スコアメイクができるようになるでしょう。