アイアンショットで距離を打ち分けるためには、自分のスイングの傾向と距離を知る必要があります。
その上でコースの正確な距離を読む力が必要です。
今回は距離を出す打ち方と練習方法、コースの距離を読むための知識を紹介します。
アイアンショットの距離を打ち分けるための基礎データ
アイアンショットで距離を打ち分けるためには、番手ごとの飛距離を知らなくてはいけません。
一般的には番手間の距離は10ヤード刻みになっていますので、仮に7番アイアンが140ヤードなら5番アイアンは160ヤード、9番アイアンは120ヤードということになります。
ちなみに9番アイアンの飛距離の2倍がドライバーの飛距離の目安とされていますので、9番アイアンが120ヤードであれば、ドライバーの飛距離は240ヤードで換算することになります。
まずはフルショットの飛距離を確定してから、次にハーフショットの飛距離を確認します。
名称がハーフであっても、飛距離が半分になることはありません。
スイングが3時から9時の幅にするだけであって、全体の3割程度減の振り幅になっただけです。
ただハーフショットの飛距離は個人差があるので、一概に距離を出すことはできませんが、7番アイアンであれば3割減で100ヤード程度になると考えられます。
もちろん4割減のゴルファーもいますし、中には本当に半分の飛距離になるゴルファーもいるかもしれません。
それでは実際にボールを打って確かめてみましょう。
アイアンで短い距離を打ち分ける方法
アイアンをフルショットした距離とハーフショットの距離を確認できたら、次に距離の打ち分け方を覚えましょう。
まずは単純な5ヤード刻みです。
アイアンの番手間の距離は10ヤード刻みなので、仮に140ヤードの距離であれば7番アイアンでフルショットの選択すれば良いでしょう。
しかし残り距離が145ヤードであれば、6番アイアンを選択して、5ヤード減のショットをしなければなりません。
140ヤードのところを40ヤード短く打つのであれば、ハーフショットにすれば問題ないのですが、5ヤード減を打ち分けるのはかなり高度なスイングが必要になります。
これはスイング幅で合わせるよりも、グリップを短く握って距離を打ち分けるようにするべきです。
具体的には1インチ短くすると5ヤード減と言われているので、6番アイアンのグリップエンドを親指1本分の幅空けると145ヤードの距離になるはずです。
この方式でいくと、指2本空けるとマイナス10ヤードなので、番手1つ分小さなアイアンを選んだのと同じことになります。
アイアンの距離を打ち分けるために必要なコースの知識
アイアンの距離を打ち分けるときは、前項で解説したフルショットとハーフショットの距離の違いを知ることと、グリップエンドを空ける打ち方を知ることで、ほぼカバーできるはずです。
問題なのは残り距離の算出です。
ターゲットまでの本当の距離が分からなければ、正確な距離を打ち分けることができても意味はありません。
グリーンをターゲットにした場合は、残り150ヤードには2本線の杭、100ヤードには1本線の杭を挿しているのが一般的です。
ヤード杭は一方のサイドにのみ設置しているコースと、両サイドに挿しているコースがあります。
片側にのみヤード杭を挿している場合は、一旦フェアウェイのセンターに立って両腕を広げてグリーンに対して正対します。
そして両腕のライン上から何ヤード違うのかを歩測して距離を算出しましょう。
少し面倒なようですが、慣れてくると簡単に割り出せるようになります。
ただしヤード杭はグリーンエッジからの距離なので、ピンポジションによってはプラス20ヤード、つまり2番手上のアイアンを選択しなくてはいけないことがあるので注意が必要です。
距離を打ち分けるときに使うヤード杭
アイアンの距離を打ち分けるためには、ヤード杭の意味を理解する必要があります。
ヤード杭が両サイドあるときは、A(本)グリーンとB(サブ)グリーン用に設置している場合と、ワングリーンで両サイドの杭を結んだ線上がヤード表示になる場合があります。
そのためコースレイアウトを良く理解して、残り距離を割り出す必要があります。
なお距離の測定は「空中」が一般的ですが、中には地表で距離表示をしているところもあります。
地表表示のコースは当然アップダウンがあるので、残り距離の表示よりも短くなります。
一方で極端な打ち下ろしのレイアウトでの「空中」も、距離をつかみにくい場合があります。
仮に150ヤードのヤード杭があって、傾斜角度が45度の急勾配だとすると、斜面の地表距離は約232ヤードもあります。
もしもミスショットでチョロだったら、斜面打ちなのでかなりキツイ状況になるはずです。
こうした残り距離を打ち分けるときには、ある程度の経験が必要になるので、焦らずに少しずつ吸収したほうが良いかもしれません。
IP点を知ると距離算出が分かりアイアンの打ち分けに使える
プロゴルファーがアイアンの距離を打ち分けるときに、ティーグラウンドからの歩測でホールの全長距離から差し引いて残り距離を算出する方法があります。
多くのプロゴルファーは、自分の歩数をカウントして、現在地の距離を割り出しています。
1歩を1ヤード(約91センチ)にして歩数を数えることで、ティーグラウンドから距離を算出します。
基本的にはティーグラウンドの中央から、グリーンの中心までがホールの全長になります。
こちらの方が正しい距離分析はできますが、歩測の仕方は難しくアマチュアゴルファーには向いていないかもしれません。
そこで全長を計測するとき、まず2打目地点をIP(INTER SECTION POINT)設定します。
基本的にはティーグラウンドから250ヤード先のフェアウェイの中心を、セカンドショット地点のIPとするのが一般的です。
この計測方法で距離を算出してから、コースレイトを割り出します。
そこに傾斜距離(歩測)が加味されて、実際の難易度を決めることになりますが、この数値はハンディキャップを算出するときに利用されています。
距離を歩測してもアイアンで打ち分けはできない?
歩測ができるとアイアンの距離を1歩(1ヤード単位)で分析することができるので、残り距離を「141ヤード」などと知ることができます。
しかしプロが行なっている歩測の場合は、事前に練習ラウンドで基礎データを入手していることが前提にあります。
ホール毎にIPに向けて歩数を出しておいて、そこを基点にして他の目印になる、例えばバンカーや特徴のある樹木などからの距離を調べておくのです。
つまり地表の距離を算出しておくことで、ティーグラウンドからの歩数を差し引き、残り距離を算出しているわけです。
しかしながら一般のアマチュアゴルファーは地表距離が分からないので、ティーグラウンドから歩測して全長から差し引いても、正しい残り距離が分かる可能性は薄いはずです。
歩測で距離を確認できるとしたら、フラットなシーサイドや河川敷など限られたコースしかなく、打ち分けのための距離算出には「使えない」と考えたほうが良いでしょう。
アイアンを打ち分けるためには距離を読む力が必要
打ち分けるときは、まずもって自分のアイアンショットの距離を知らなくてはいけません。
フルショットとハーフショットの距離を確認し、またグリップを短く握ることで距離調節ができることを確認します。
あとはコースの距離を読む力さえつけば、かなりのレベルで打ち分けられるようになるでしょう。