ゴルファーならアプローチの重要性は十分に分かっていることと思いますが、ラウンド中グリーン周りで行ったり来たりの大叩きは、誰もが通った道でしょう。
初心者はもちろんのこと、中級者・上級者にとってもアプローチの出来というのは、スコアに直結します。
ここでは、自宅でやることで差がつくアプローチの練習方法を紹介します。
アプローチの重要性を再度確認しよう
ラウンド中、さっきまで調子の良かったドライバーが突然曲がり始めたり、ロングアイアンが当たらなくなったり、ゴルフにおいてショットが完璧に安定するということはほとんどないものです。
それでもよほど長いミドルコースでもない限り、ドライバーとセカンドショットがイメージ通りに打てればパーオンでき、3打目はパターで打つことができます。
ドライバーやロングアイアン、ユーティリティーなどは練習場でしっかりと打ちこみますが、セカンドショットでグリーンに乗らなかった場合を想定して、20~30ヤードの近距離をひたすら練習しているゴルファーはどれだけの割合いるのでしょうか。
パーオンする確率中級者ゴルファーで20%未満というデータがありますは、ここから読み取れるようにほとんど全てのホールでアプローチショットが必要となってきます。
それならば、ドライバーの練習と変わらないくらい、もしくはそれ以上の時間をアプローチ練習に費やしても良いのではないでしょうか。
ドライバーやロングアイアンは、どのくらいの距離が出るかを見たり、球筋の確認の意味では練習場で打つことが必要です。
しかし、ごくごく短いアプローチショットは自宅でもコツコツ練習できますので、是非実践していきましょう。
意外と練習していないアプローチショット
アプローチがそれだけ重要と分かっていながら、なかなかドライバー練習のように取り組めない理由は、グリーンに乗せられなかった場合に必要となるショットで、いわばミスショットの後処理のイメージがあるからかもしれません。
当然、ドライバーもセカンドショットもミスしようとして打っているわけではありませんので、そのショットをミスした後のアプローチショットの練習となると、いささか消極的になってしまうのでしょう。
またアプローチショットというのは、状況によって千差万別です。
ライも違えば距離もグリーンの状態も違います。
その状況を自分に課して地道に練習する。
そう考えただけでも地味ですよね。
練習場ではドライバーやアイアンをフルスイングして、気持ち良くボールを飛ばしているゴルファーばかりですから、20ヤードの近距離をひたすらに練習というのは確かに少し退屈かもしれません。
しかし、長いショットをミスしたときこそ、アプローチの練習が最大の効果を発揮します。
アプローチショットはある程度習得できれば、スランプが少ないものです。
そして、ドライバーのようにOBでいきなり2打失うということもありません。
アプローチでグリーン周りをまとめることができれば、パット数も減り、スコアアップに直結するのです。
「練習場ではスカッと打ちっ放し、自宅ではコツコツとアプローチ練習をする」という習慣にするのはオススメです。
アプローチの基本は距離感とイメージ力
では、具体的にアプローチで良くあるケース三つを考えてみましょう。
まず、一番の基本となるのが転がしのアプローチです。
転がすアプローチは、ダフリやトップといった大きなミスが起こりにくく、確実に進められる点で初心者から中級者ゴルファーには是非習得してもらいたいアプローチです。
目の前にハザードがなく、無理に上げる必要がない場合は転がすのが一番安全です。
しかし、転がすとは言ってもアプローチの肝は距離感です。
そのため距離感を養う練習をしましょう。
次にピッチエンドランです。
少し先に落とし、そこから転がりを計算して寄せていくアプローチのことです。
最初から転がすアプローチに比べ、グリーン周りのラフなどをスキップしてグリーンに乗せられることから、狙いどころに落とすことができれば、ボールの軌道を予測しやすくなり寄せやすくなります。
ボールの軌道をイメージすることから始めましょう。
そして、ロブショットです。
高く球を上げて狙いどころにピタッと止めるアプローチです。
バックスピンをかけてピタッとピンそばに止めるようなアプローチができれば、周りの同伴者からも一目置かれるのは間違いありませんが、習得するには難しいショットですから、今回はランニングアプローチとピッチエンドランアプローチの自宅練習方法に焦点を当てます。
自宅でもできるランニングアプローチの練習法
それではランニングアプローチの練習から見ていきましょう。
まず、ランニングアプローチで一番重要なのは距離感です。
残り50ヤードともなるとパターで寄せようと考えるゴルファーは少ないかもしれませんが、花道で30ヤードのアプローチであれば、パターで転がしてグリーンに乗せるのは、是非とも挑戦してもらいたいアプローチです。
パターストロークは他のショットに比べて、体重移動も腰の回転もないので、「当てる」ということに関してはミスが最も起こりにくいからです。
方向性も目標に向かってスクエアに構え、フェイスを真っすぐに当てることも他のクラブに比べて簡単なので、アプローチとして精度を上げるには距離の感覚だけと言っても良いでしょう。
パターでは転がる距離が短いと感じた場合、同じストロークでクラブを変えていけば、距離を伸ばすことができます。
極端なことを言えばドライバーでアプローチをしても良いのです。
しかし、一般的には30ヤード程度のアプローチは残りやすいため、ロフトが立っていて、比較的シャフトが短い8番アイアンや9番アイアンなどでパターのストロークをし、真っすぐ打ち出す感覚を身につけましょう。
自宅で練習するには、基本的にパターの練習と同じで構いません。
まずは、8番アイアンや9番アイアンを使い、パター練習マットでカップインすることを練習しましょう。
最初は2~3メートルのパターマットで練習をします。
確実にカップインできるようになってきたら真っすぐに打ち出せている証拠です。
自宅で練習した成果をもって練習場へ行こう!
自宅で真っすぐに打ち出せるようになったら、距離の感覚の練習です。
自宅で大きな庭があれば申し分ありませんが、なかなかそんな環境がある方も少ないでしょう。
そうとなれば、練習場に行きましょう。
自宅での基礎練習後に練習場での実践練習を繰り返すことで、感覚の精度が上がります。
練習場では用意されているグリーンやピンに向かって打ってみましょう。
30ヤードのアプローチであれば、エッジまでの距離とピンまでの距離を決めて練習してください。
20ヤードラフを転がって10ヤードグリーンを転がるとして、練習場では20ヤードのピンを少し超えたところで止まるような打球を打つという感じです。
ほとんどのゴルフ場のグリーンは受けていますので、奥に行ってしまうよりは手前から上りのパットが残った方が後が楽になります。
目安はエッジから少し超えたところからどれだけ転がるかを常に意識し、エッジは越す、しかしそこから行き過ぎない距離感を身につけましょう。
この意識が低いうちは、なかなかアプローチをモノにすることはできません。
自宅でできるピッチエンドランアプローチの練習法
ランニングアプローチの次に習得したいのがピッチエンドランアプローチです。
上級者であればあるほどこのアプローチの練習をしっかりとやっていることでしょう。
全てのショットに言えることですが、闇雲に何球も打つことが上達への近道ではありません。
特にアプローチは、状況によって距離感、落としどころが変わってきます。
短い距離ゆえに、ボールをコントロールする必要があります。
まずはクラブに仕事をしてもらうことから始めましょう。
ピッチエンドランアプローチでは、ピッチングウェッジを基本に練習します。
ピッチングウェッジのロフトはスタンダードで46度前後、ストロングで42度前後でしょうか。
これだけあれば無理に上げようとしなくても上がってくれます。
ここでの一番のポイントはアドレスです。
少々オープンスタンスに取り、クラブのフェイスはターゲットにスクエアに構えます。
左腕とクラブが一本の棒になるようにイメージし、胸の面を回してインパクトを迎えます。
結果、インパクトの状態がアドレスの状態に戻ったような感覚を持ちましょう。
アドレスの段階で正解の姿勢を作ってしまうということです。
体重移動はありませんが、手打ちではありません。
自宅でも、パターマットの上や絨毯の上で、アドレスと小さいスイングを繰り返してください。
アドレス通りにインパクトを迎えられているかを特に意識して練習しましょう。
少し広い空間があれば、プラスチック製のボールでしっかりと当ててください。。
距離感は別として、方向性は確認できますし、小さなスイングでしっかりミートできているか打感で分かるからです。
自宅でのアドレスと小さなスイングの反復練習を繰り返したら、また練習場で実践練習をします。
ランニングアプローチと同様にキャリーとランを意識して打ちましょう。
アプローチショットは自宅でも練習できる
アプローチショットはフルスイングする必要もなく、自宅でのコツコツとした地道な練習だけで格段と精度が上がります。
それは、アドレスであったりグリップであったり、本当に基本的なことの習得が成果につながります。
まずは、平坦なライからブレることの無いスイングを作り上げ、本番ではどこにどのくらいの強さで落とすかのイメージを強く持ち、迷いなくスイングしましょう。
一つ一つのアプローチが経験値となり、確実に力となっていくはずです。