アイアン全体の長さと重さの関連性が使い勝手の目安になる

各アイアンの重さがバラバラだと、扱いにくいことは想像がつくと思います。

重さと飛距離、重さとシャフトの長さなど、個別の目安がある一方で全体のバランスも重要になってきます。

ここではアイアンの重さの目安と他のクラブとの関連性についてまとめます。

アイアンの距離の目安と重さの違いで難易度は上がっている

最近はアイアンの本数が少なくなってきて、代わりにフェアウェイウッドやユーティリティに入れ替えることが多くなってきています。

従来のアイアンセットは3番アイアンから9番アイアンまでの7本と、ピッチングウェッジ、アプローチウェッジ、サンドウェッジの3本で、合計10本もありました。

これだけの本数があっても番手間の距離は10ヤード刻みなので、各番手を扱う技量さえあれば使い勝手は良かったはずです。

ところが現在のアイアンアセットの主流は5番アイアンから9番アイアンまでの5本と、ピッチングウェッジ1本で、合計は6本です。

しかもピッチングウェッジはオプションで外せるセットもあり、10ヤード刻みは5本ということになります。

ここで大事なことは、ピッチングウェッジの目安である100~110ヤードの距離をどうするか、またアイアンとユーティリティの重さの違いによる歪みをどうするか、1つ1つのクラブは扱いやすくなっているのに全体で見ると扱いにくくなってきています。

アイアンの使いやすさの目安は重さと長さ?

そもそもゴルフクラブは全般的に軽量化されてきていて、ドライバーは薄い金属のチタン製ですし、シャフトは超高性能カーボン製が席巻しています。

アイアンもスチールは従来の軽量シャフトよりさらに軽量タイプが選べますし、特徴的なカーボンシャフトも増えてきています。

全体的に軽量化されている中で、もっとも軽いクラブがドライバーで、もっとも重さのあるクラブがサンドウェッジです。

ドライバーはシャフトの長さがかなり違いますし、ヘッドもグリップも違いますので一概に重さを表すことはできませんが、特殊モデルでも350グラム以下です。

一方サンドウェッジのシャフトは35.5インチで重さの幅は少なく、それでもおよそ450グラムを超えているので、ドライバーとは100グラム以上の違いがあります。

もっとも長いクラブのドライバーが軽く、もっとも短いサンドウェッジが重いのにはそれなりの理由があるため、これがアイアン選びの目安になります。

アイアンは重さと長さに目安をつけて統一すべき

アイアンの重さはシャフトの長さと反比例するので、シャフトが長いほど重さは軽くなります。

従来の3番アイアンからサンドウェッジまでの10本セットの場合は、シャフトが短くなるほどロフトは開きヘッドは重くなっていきます。

この重さの間隔は10ヤード刻みと同じで、規則正しくセッティングされています。

さらにアイアンセットと同じモデルのウッドがあると、ドライバーからサンドウェッジまでが一定の間隔で重さを調節されていて、距離を打ち分けるときに素直な気持ちで打ち出すことができるはずです。

問題は5番アイアンからのアイアンセットです。

番手間の長さと重さの関係は、従来からアイアンセットと同じですが、ユーティリティやフェアウェイウッド、またウェッジとの関係はバラバラになっているはずです。

扱いやすさを求めるなら、メーカーやモデルが違っても、ドライバーからサンドウェッジまで一定の目安で重さを配列していたように統一したいものです。

アイアンの重さに関連したさまざまな効果の目安

すでに重さが決まっているアイアンやウェッジの重さを変えるには、鉛を使うのが一般的です。

ただし1個の鉛板が4グラム程度で、クラブのバランスを考えても目安となる2個から3個が限度だと思います。

これ以上だとヘッドが重過ぎてフックが心配になります。

また他のアイアンとのバランスでウェッジだけ極端にヘッドが重いのは扱いにくく、連続性を考えると良い対処法とは言えません。

このようなときはグリップを外して、グリップエンドからシャフトの内部にオモリを入れる方法もあります。

ある程度は重さを分散できますが、基本的にはグリップエンド側が重くなるので、こちらも他のクラブとのバランスの違いが気になるところです。

さらに個人差があります。

ヘッドスピードの速いプレーヤーは重いアイアンを好みますし、逆にヘッドスピードが遅めのプレーヤーは軽めのアイアンを好みます。

しかもミートする感覚が強い先調子と、球捌きが良いと言われている手元調子もあるので、全体のバランスを考えて揃えていくときは、ある程度関連性を考えていく必要があります。

アイアンの長さと重さが距離の目安になる理由とは?

ドライバーからサンドウェッジまでのセッティング全体の長さと重さの関係を確認したほうが良いでしょう。

アイアンセットの中から1本だけを取り出して、重さを調べてみても意味はありません。

パターを抜く13本のゴルフクラブの長さと重さを計測し、関連をグラフ化してみる一目で分かります。

縦軸はシャフトの長さ、横軸は総重量、これを番手ごとに並べていくと右下がりの斜めの折れ線グラフができます。

理想は一直線の右下がりグラフですが、多少の誤差はあっても右下がりであれば問題はありません。

右下がりの一番下がサンドウェッジになるので、この少し上になるピッチングウェッジからの勾配の傾きも気になるところです。

ちなみにアイアンの重さの目安は番手差7~8グラムといったところが使いやすさを感じる重量フローです。

重さの間隔がずれるとスイングの速さに影響し、それは飛距離にも影響を与えることになります。

アイアンセットであれば、距離の目安は刻まれているので、使いやすさや距離だけで買い揃えると重さの間隔がずれて、結果的に飛距離をコントロールしなければならなくなります。

アイアンは重さと飛距離を関連させてスイングの目安ができる

アイアンは全体の重さである総重量を知るときは、個別の番手よりも「全体」の統一感が重要です。

アイアンは軽いほうが振りやすく、ヘッドスピードが速くなります。

一方で方向性や安定性を考えると、重いほうが良い場合もあります。

「個別」の重さで重要なのはバランスです。

ヘッド側が重い場合は直進性に優れ、初心者から使いやすさを感じられる設定となっています。

またグリップ側が重い場合は自分の意思を反映させる操作性に優れているので、ドローやフェードの打ち分けられる上級者に好まれる設定になっています。

これはどちらが良いかではなく、自分の好みや技量に合っているかが重要です。

さらにシャフトのフレックスやキックポイントも考慮すると、カスタムメイドでアイアンセットを作る場合には、それぞれの性能と関連性を把握しないとできないことが分かるでしょう。

したがって「新兵器!」と1本ずつ買い足すような揃え方は、距離を刻むアイアンには向いていないことが分かります。

なおウェッジについてはアイアンに合わせるのか、ウェッジに合わせるのかを判断しても、結果的に重さとバランスを目安に調整が必要です。

アイアンの重さの目安になるクラブ

アイアンは長いほど軽く、短いほど重くなります。

目安とするのは中間の番手ではなく、もっとも軽いドライバーに合わせるか、もっとも重さを感じるサンドウェッジにするかを考えるべきです。

そのためには、自分のクラブの長さと重さの関係を一度グラフ化して確認すると、修正すべき部分が見えてくるはずです。