ゴルフにおいて、アプローチの技術はスコアに直結します。
また、キュッと球が止まるアプローチや、フワッと球を上げるアプローチに憧れを抱くゴルファーは多いです。
しかし頭の中でそれをイメージができていても、実際に再現することは中々難しいですよね。
難しいけれど、ラウンドになると格好良いアプローチを夢見てチャレンジした結果、大失敗。
このような経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
今回はそんなアプローチ上達に向けて、球にスピンをかける打ち方を紹介します。
ゴルフにおけるアプローチの概念
まず、アプローチという概念を簡単に説明します。
一般的に100ヤード以内、もしくは50ヤード以内をアプローチと呼ぶことが多いです。
このアプローチという概念には明確な定義というものはありません。
ウェッジという名のクラブで打つショットをアプローチショットと呼ぶこともあるので、ゴルファー各々の距離感でも変わってくるからです。
しかしアプローチという言葉の通り、球をピンへ近づけるという意味合いは変わりありません。
今回は50ヤード以内のアプローチに焦点を当てて、スピンをかける打ち方やその練習方法について説明します。
一概に50ヤードのアプローチと言っても、打ち方にはゴルファーそれぞれの考えがあるでしょう。
例えば、球を高く上げる方法や球を転がす方法です。
今回のテーマはアプローチでスピンを利用した打ち方について解説しますので、いわゆるピッチエンドランと言われる転がすアプローチに焦点を当てます。
アプローチが上達しないゴルファーの共通点
アプローチで最も生じやすいミスは、ダフりとトップです。
つまり、優しく球を打とうと考えるあまり、打点が安定しないのです。
この打点が安定しないという特徴が、アプローチが上達しないゴルファーに見られる共通点です。
打点が安定しない打ち方では、アプローチでスピンをかけるどころか、ピンに向かって打つことすら不安で仕方ないはずです。
では、アプローチが上達するために必要な考え方は何でしょう。
それは、ダウンスイングにおいて絶対にスイングが緩まないことです。
しっかり球を打つ意識を持って、ややダウンブロー気味に球を捕えることがアプローチには欠かせない技術です。
また、アプローチが苦手なゴルファーのもう一つの共通点として、アドレスやスイングが大きい傾向にあることが挙げられます。
大きなスイングで小さな飛距離をコントロールするのは至難の技です。
50ヤードまでのスイングであれば、小さなアドレスとスイングを意識して練習しましょう。
ダウンブローに打つことでアプローチに安定したスピンをかける打ち方
アプローチでスピンをかけるために欠かせない要素。
それはアイアン同様ダウンブローに球を打つということです。
アプローチにおいてダウンブローは、球に適度なスピンと速度をもたらしてくれます。
そこで、アプローチをダウンブローで捕えるための効果的な練習方法を一つ紹介します。
それはバックスイングを極端に小さくする練習方法です。
バックスイングを極端に小さくすることで、加速するダウンスイングを可能にし、緩みを修正するドリルとして有効です。
アイアンショットのように、クラブヘッドの開閉はあまり意識せず、手首も固定するイメージでスイングするようにしてください。
また、ややアウトサイドにクラブヘッドを抜いていく打ち方をイメージすることで、シャンクを防止することができ、イメージ通りの方向に球を打ち出すことができます。
そのためには、アイアン同様球を上げる意識を持たないことが大切です。
球を上げようとする意識は、アッパー軌道になり様々なミスの原因になります。
アプローチの打ち方でスピンをかける意識が生じさせる弊害
アプローチでスピンをかける意識が強くなればなるほど、それが生じさせる弊害もあります。
それは、いわゆるざっくりです。
良くざっくりが出るというゴルファーは寄せようという気持ちが強く、ガチガチに力んでいる場合がほとんどです。
アプローチは強く打ち込めばスピンがかかるというものでもありません。
アプローチの打ち方でもう一つの大切な考え方は、スピンはかけるものではなく勝手にかかるものだという認識を持つことです。
また、アプローチが苦手なゴルファーに見られる共通点として、スピンをかけようと意識するあまり、スイング自体が大きくなりがちです。
アプローチはショートよりもオーバーするほうが大きなトラブルにつながります。
例えばバンカーにハマったり、最悪OBも考えられます。
スピンをかけるアプローチとはすなわち転がすアプローチです。
自分のスイングの大きさはあまり変化させずに、クラブの番手で調整するのも一つの上達法と言えます。
練習場でできるアプローチの効果的な練習方法
上記でも述べたように、スピンをかけるアプローチ上達に必要な考え方は、適度なダウンブローです。
そのために効率の良い練習方法は、ティーアップした球を打つことです。
5~50ヤードのアプローチであれば、この練習方法が最も効果的です。
その際の注意点として、スイングの力感が大切になってきます。
イメージとしては、バックスイングとダウンスイングのパワーバランスが1:2になるようなイメージを持ってください。
パワーバランスで分かりにくければ、スイング速度をイメージするのも良いかもしれません。
そして、極力手首を使わないようにし、肩でスイングするイメージを持ってください。
手首を支点にアプローチを打とうとすると、クラブフェイスの開閉が大きくなりすぎたり、バックスイングで力んでしまうリスクがあるからです。
50ヤードまでの打ち方ではコックは必要ないので、手首はロックするイメージで練習してください。
また、球と体の距離も大切な要素です。
50ヤードまでは、大体自分の足の大きさ程度の距離が丁度良いとされていますので、参考にしてください。
スピンをかけるアプローチの打ち方の応用
スピンをかけるアプローチと聞くと、ほとんどのゴルファーがキュッと球が止まるアプローチを想像するのではないでしょうか。
しかし、アプローチにおいてスピンをかける打ち方は下回転だけではありません。
応用編として、フック回転気味に打つアプローチを覚えておくと、役立つ場面があるものです。
最も想像しやすいのが、カラーからピンまでの距離が長い、ピッチエンドランでランを多く出したい場面です。
この打ち方を習得すれば、ほとんどのアプローチでダフりが出なくなります。
また、距離感をつかみさえすれば、打ち方はものすごく簡単です。
方法としては、クラブフェイスを45度ほどクローズにします。
アドレスはややオープンスタンスです。
このまま、少し極端にインサイドアウトに球を打つイメージです。
ただ、上記で説明したアプローチ方法と異なる点として、ややアッパー気味に打つイメージを持つことが必要です。
クラブフェイスをクローズにしていますので、ダウンブローの意識を持つとクラブが地面に突き刺さります。
気をつけてください。
アプローチが上達すれば一気にスコアが安定する
ゴルフにおいて、アプローチはパターと同様スコアに直結します。
また飛距離が出ないゴルファーでも、アプローチとパターが上手な人であれば70台で回ることも可能です。
それほど、グリーン周りの技術はスコアメイクの観点で重要視されます。
シニアのプロゴルファーなどはまさにこれに当たりますね。
また、アプローチが安定することで気持ちに余裕が出てきます。
そして、その余裕がゴルフをもっと楽しくさせてくれます。
あまり練習場でアプローチの練習をしないという方、是非これを機にアプローチ上達を志してみてください。