知らないと損?クラブシャフトのフレックスとトルクの違い

ゴルフを始めると、『〇〇さんは力があるから、シャフトのフレックスはSが良いよ』と言われたことはありませんか?

そんな先輩ゴルファーの助言を元に調べていると、トルク、キックポイントなど様々な言葉が出てきます。

初めてクラブを選ぶ人に向けて、シャフトの種類やその違いをお話しします。

シャフトのフレックスの違い

まずは、シャフトのフレックスについてお話しします。

初心者ゴルファーでもフレックスと聞くと、なんとなく想像できるのではないでしょうか。

フレックスとはシャフトの柔らかさ、柔軟性を表しています。

ゴルフではシャフトのしなりを使ってクラブヘッドをどのように走らせるかが大事です。

そのフレックスは大きく分けると4段階で違いを表しています。

柔らかい順に、R/SR/S/Xと表記するのが一般的です。

フレックスという観点で話をすると、スイング時にクラブヘッドが返りやすいかどうか、という風に考えてください。

例えば、フレックスが柔らかいとしなりを作りやすく、戻ってくる力を使いやすいのでクラブヘッドが返しやすいです。

結果、少しの力でヘッドスピードを上げることができます。

逆にフレックスが硬いとシャフトのしなりを作りづらく、クラブヘッドを返すにはある程度の力と技術が必要です。

フレックスを選ぶ場合は、推奨のヘッドスピードがありますので、そちらを参考にしてみてください。

ただし、注意点がいくつかあります。

この後にお話しする、シャフトのトルク、キックポイントなどによってフレックスの感じ方は大きく変わるという点です。

それを選ぶ際には、ただ表記とヘッドスピードのみを参考にするのではなく、総合的に判断するようにしましょう。

トルクはシャフト選びで重要な数値

次にシャフトのトルクについてお話しします。

シャフトのフレックスが前後左右のしなりやすさなのと違い、トルクとは捻れやすさを表しています。

捻れやすさと言われても、あまりピンと来ないかもしれません。

ゴルフクラブは、ドライバー、アイアンなど共通してヘッドの端にシャフトがついています。

当たり前と思うかもしれませんが、『端についている』というところがポイントです。

なぜならシャフトの根元を軸に、ヘッドの重さで捻る力が働くからです。

この捻る力を数値化したのが、トルクです。

では、このトルクがどのような点に結びついてくるかというと、フェースの開閉角度です。

スイングすることで、ヘッドの重さでフェースが閉じたり、開いたりします。

トルクが大きいと捩れが強く、フェースの開閉の角度が大きくなります。

トルクが小さいとその逆で開閉角度が小さいです。

このフェースの開閉は別の言い方をするとフェースターンがしやすいかどうかとも言えます。

人によってスイングに違いがありますので、この辺りも参考にしましょう。

フレックスとキックポイントの関係

シャフトのフレックス、トルクについてお話ししてきましたが、もうひとつ大切なポイントがあります。

それは『キックポイント(調子)』と呼ばれるものです。

キックポイントとは、今までお話ししてきたシャフトのしなり、捩れが、どの部分で起こるかということです。

大きくは、先(クラブヘッドに近い)、中(シャフトの真ん中)、元(グリップに近いところ)の3種類です。

しなりや捻りが起こる場所が変わると、そのシャフトの特徴も変わってきます。

例えばキックポイントが先の場合、クラブヘッドから近いところでシャフトにしなりと捻れが起こるため、クラブヘッドが走りやすくなります。

感覚としては、シャフトが柔らかく感じるようになります。

そして元の場合は、その逆で硬く感じます。

フレックス×トルク×キックポイントというようにかなりのバリエーションに違いがあります。

シャフトを選ぶ際には、その中から自分に合ったものを選ぶことになります。

シャフトの素材の違いとトルクの特徴

シャフトの素材は大きく2種類ありそれぞれの違いがありますので、その特徴を含め簡単にまとめます。

1.カーボンシャフト

カーボン(炭素繊維)を用いて作られたシャフトで、軽くて柔軟性が高いのが特徴です。

ドライバーやアイアンのシャフトとして用いられます。

特徴としてはカーボンの反発性能を活かしているため、しなりや捻れを簡単に作ることができます。

そのため硬めのフレックスを選んでも、トルクは大きくなります。

2.スチールシャフト

金属を用いて作られたシャフトで、アイアン、ウェッジ、パターに用いられます。

カーボンと違い、重く、硬いです。

フレックスに限らずトルクが小さいという特徴があります。

スチールシャフトは硬く、重いので扱いにはそれなりのスキルが必要です。

自分に合ったシャフトを選ぶ手順

実際にシャフトを選ぶ手順は以下の通りです。

1.自分のヘッドスピードを実際に測る

シャフトを選ぶ際の大前提として、ドライバーでのヘッドスピードを測りましょう。

シャフトは素材、フレックス、トルクを厳密に計算して作られています。

その前提には、適正のヘッドスピードがあります。

各シャフトに推奨のヘッドスピードが記載されていますので、照らし合わせて選択するシャフトの大枠を決めましょう。

2.シャフトの素材を決める

ヘッドスピードが分かれば、次はシャフトの素材です。

カーボン、スチールどちらが良いか目星をつけましょう。

事前にお伝えしたように、カーボンのほうがしなり、捻じれ、それによる解放が楽です。

ある程度、オートマチックにクラブに仕事をさせたいゴルファーにおすすめです。

ただしヘッドスピードが速いゴルファーは、特にアイアンより下の番手のシャフトはスチールをおすすめします。

この時点で、どちらかに絞る必要はありませんが、どちらが自分に合っているかの目途は立てておきましょう。

3.シャフトフレックスの候補を絞る

検討段階では、1及び2を行った後、シャフトフレックスの候補を絞るところまででOKです。

R/SR/Sのいずれにするかは、こちらも目途を立てておきましょう。

このときに、各シャフトのトルクやキックポイントの違いを確認し、振り感が合うかどうかなどイメージしておくと良いです。

4.試し打ちを行う

ゴルフクラブの場合、ヘッドひとつに対して、数多くのシャフトが存在します。

事前に調べ検討した内容も、実際打ってみると感覚が違うなどあります。

そのため必ず試し打ちを行って、自分のスイングに合っているか確認するようにしましょう。

試し打ちは、店舗でのフィッティングやメーカーの試打会で気軽にできます。

5.購入店舗を決定する

クラブが決まったら、最後は購入です。

購入する際は、お店、ネットショップ、オークションなど様々ありますが、どこで購入するかしっかりと考えましょう。

保証サービスやアフターメンテナンスなども考慮して検討するのが良いです。

決して値段だけでは決めないようにしてください。

スイングタイプの違いでシャフトのフレックスとトルクは変わる

スイングは大きくふたつのタイプに分かれます。

そのタイプの違いによって、シャフト選択の考え方が少し変わるので、自分がどちらのタイプなのか知っておきましょう。

1.ゆったり、大きくスイングをするタイプのゴルファー

女性や力があまりない人に多いタイプです。

ゆったりと振りつつ、遠心力に任せてスイングするこのタイプのゴルファーは、シャフトがオートマティックに動いてくれるものを選択すると良いです。

フレックスが硬すぎると、しなりが足りずヘッドスピードが上がらなくなります。

またトルクが小さいと捻じれが少なく、フェースが思ったタイミングで返ってこないなどがあります。

2.しっかりと、自分のタイミングでスイングをしたいゴルファー

こちらのタイプは、男性や力のある人に多いです。

しっかりとボールを叩くスイングができている人と考えてください。

クラブに仕事をさせるというより、自分のタイミングでしっかりとボールを飛ばしたい人が多いです。

このタイプは、硬めのフレックスでトルクが低いものを選ぶと良いです。

柔らかいフレックスだと、タイミングが自分の意図とは異なることが多く、コントロールしにくくなるからです。

シャフトの種類は無限大

シャフトの知識について話しました。

今回は基本的なところをまとめましたが、素材、フレックス、トルク、キックポイントなど組み合わせると、シャフトの種類がかなり多くあることに気づきます。

ゴルフでは、自分のスイングに合ったクラブと出会うことは、非常に大事なことです。

これだけたくさんのシャフトの種類があれば、必ず自分に合ったクラブに出会えると思います。

しかしそんなクラブに出会うためには、しっかりと知識をつけなければなりません。

早く出会うためにも、いろいろと調べてみてください。