ドライバーの打ち方が、他のクラブと違いアッパーブローでスイングすることはご存知だと思います。
特殊な打ち方だからと悩む人が多いようですが、実は他のクラブと同じスイングをしても簡単にアッパーブローでドライバーを打つことができます。
今回は簡単にアッパーブローのスイングが身につく方法を紹介します。
ドライバーの打ち方とレベルブローとの違いを理解する
ドライバーは他のゴルフクラブと打ち方が違ってみえます。
その違いは知っていても、最初に覚えたスイングのままドライバーの打ち方ができていないかもしれません。
ゴルフをはじめたとき、おそらく7番アイアンか5番アイアンでスイング練習をしたはずです。
それでボールを前に飛ばそうとひたすら打っていると、いつしかフェースに当たりはじめて、ゴルフスイングらしくなっていくものです。
ある程度当たるようになったら他のクラブの練習もするはずですが、その中にはドライバーも入っていたはずです。
長いクラブはフェースに当てるだけで精一杯で、ボールの行方をコントロールできるようになるには、さらに経験が必要になります。
そうした時間を過ごすと、他のクラブは目標に対してそこそこに近づけられるようになりますが、ドライバーは飛んだり飛ばなかったり、右に行ったり左に来たりとまだまだ球筋が落ち着きません。
それはレベルブローでインパクトをし続けているからかもしれません。
レベルブローでドライバーショットをしていると、いつまで経っても上達することはありません。
アッパーブローの打ち方はドライバーのロフトの違いで変わる
ドライバーの打ち方はアッパーブロー、他のゴルフクラブの打ち方はレベルブローです。
このアッパーブローとレベルブローは、インパクトのときにフェースでとらえる向きが違います。
アッパーブローは下から上に向けてインパクトをしますし、レベルブローは横から払い打つようにインパクトをします。
ティーを高くしたボールを打つのはドライバーだけです。
このティーの高さが必要なのは、ヘッドが大きいからではなく下から打つアッパーブローのスイングのためです。
せっかくティーを高くしているのに、ボールの側面を打つスイングでは意味がありません。
ドライバーは、フェース面の斜度であるロフト角が10度前後です。
ところが打ち出す角度は少なくても14度欲しいわけですから、ボールを横から払い打つと角度は4度足りない計算です。
フェースが立った状態でボールの側面を払い打つと、縦スピンよりも横にスピンがかかりやすく曲がってしまいます。
ましてティーを高くすることで、スイングの最下点が上がってしまうため、ボールに当てるだけでも難易度は高くなってミスショットの要因となります。
ドライバーとの打ち方の違いはスイング軌道ではない
基本的にドライバーも含めて、すべてのクラブは同じようなスイング軌道です。
長さの違いでその傾きは若干違いますが、軌道は同じと考えたほうがシンプルで悩みません。
そのスイングの最下点でボールをとらえるのがレベルブロー、最下点を通過してフェース面が上を向くときにボールをとらえるのがアッパーブローです。
同じスイング軌道でもボールをつかまえる地点の違いを理解できれば、正しい打ち方を身につけるのは容易でしょう。
腰から上は前傾姿勢をとって、両肩から下がる手を体の中央で合わせると、そこがグリップを構える箇所です。
基本的にはその延長線上がスイングの最下点なので、レベルブローの場合にはそこにボールを置いてとらえれば良いだけです。
ドライバーの場合もスイングの最下点の位置は変わりませんが、最下点を通過してからボールをとらえたいので、左側に置くことになります。
左側にズレたことで、最下点よりも少しだけ上でインパクトを迎えられなければならず、必然と高いティーアップをするのです。
これがアッパーブローなのですが、スイング軌道が同じでインパクトの位置が違うということを認識した上で、ドライバーならではのスイングの違いを確認しましょう。
ドライバーの打ち方の違いに体重移動の有無がある
レベルブローのスイングは、練習場の人工芝に向けて何度も素振りをすると、擦る箇所が定まってきます。
本来は体の中心にスイングの最下点はあるはずですが、人によってスイングの癖は違うため、わずかに擦るポイントはずれてくるでしょう。
そのためコースでもショットする前に何度か素振りをすることで最下点を確認すると、正しいインパクトができます。
一方でドライバーの打ち方は少しだけ違います。
まずボールは単に左側にボールを置くのではなく、左足内側のくるぶしの延長線上になるようにセットします。
つまりボールの位置にヘッドを合わせるのが、ドライバーの打ち方なのです。
ドライバーのスタンスが肩幅よりも広いのは、その分だけインパクトゾーンを長く取るためです。
すると丸い円のスイングではなく、ヘッドは横長の楕円のスイング軌道を描きます。
そのためにはテークバックで右足に体重をかけ、ダウンスイングで左足に体重を移動させます。
この間、上半身は背骨を回転軸に丸い円のスイングをしていますが、回転軸が左に移動するため、ヘッドの軌道を真上からみるとスタンスの間だけ直進しているように見えるのです。
構え方によって打ち方の違いができる
スタンスの間を回転軸が移動するタイミングは、ヘッドが右足の先に下りてから左足内側の先で浮き上がるまでです。
この浮き上がるときにインパクトができれば、スイングスピードに体重移動が加わり、飛距離アップも期待できるアッパーブローの打ち方になります。
ただし回転軸が左に移動しながらも円のスイングをしているのですから、インパクトのタイミングが合わずにフェースが開いた状態でインパクトをするとスライスしますし、閉じた状態でインパクトをすればフックすることになります。
このタイミングを合わせるためには、ドライバーを構えたアドレスの再チェックが必要です。
アドレスでのグリップが体の中央にあると、グリップエンドは自分のヘソを指しているはずです。
このときのグリップエンドと体との間隔は、ドライバーの場合は握りこぶし2個分です。
それがアイアンの場合は、握りこぶし1個半以下の間隔なので、前傾姿勢の角度が違ってきます。
この前傾姿勢の角度の違いによって回転軸が立つことから、見た目に違いが現れるのです。
ドライバー以外のクラブと打ち方に違いはない
先ほど説明したように、アイアンとドライバーの打ち方の違いは、スイングに入る前のアドレスで違っていることによります。
一方は正確な距離感を重視する軸を動かさないスイングをしますから、アドレスの体重配分は5対5、または6対4になります。
もう一方は飛距離を求めて体重移動するスイングをしますから、アドレスでの体重配分は4対6がベストと言われています。
この違いは、スイングの最下点でボールを払い打つのか、最下点を通過してから打ち上げるのかによるものです。
どちらも同じスイング軌道でインパクトの位置が違うだけと考えれば、難しいと考えられがちなドライバーショットは簡単に思えてくるものです。
同じスイング軌道を通るからこそ遠くに飛ばすために体重移動をプラスする。
そう考えるとドライバーは使わず7番アイアンでスイング作りをしたほうが、ドライバーの飛距離はアップし方向性は安定するかもしれません。
ドライバーと他のクラブにスイングの違いはなく、インパクトの位置の違いがあるだけと考えれば、曲がらずに飛ばすショットが可能になると言えます。
ドライバーとアイアンの打ち方の違いはボールをとらえる位置だけ
ドライバーと他のゴルフクラブとの打ち方は、アッパーブローとレベルブロー、ダウンブローに違いがあります。
しかしスイング軌道を分析してみると、インパクトの位置の違いがあるだけで基本は変わっていないことが分かります。
最初はドライバーに目もくれず7番アイアンでしっかりスイング作りをすれば、ドライバーを振り出す苦手意識も付かずすぐに上手くなるはずです。