ドライバーショットは練習場で飛距離アップを狙っても無駄?

豪快なドライバーショットができれば、その日のゴルフは楽しいものです。

そう思って日々練習場に通い、ボールを打ち込んでいませんか。

ただその飛距離は当てにならないかもしれません。

今回は練習場の距離表示とドライバーの練習で重視すべき点を紹介していきます。

練習場の距離表示は本当のドライバーの飛距離ではない?

ドライバーの練習をするために屋外練習場を使うときは、そこに表示されている飛距離を鵜呑みにしてはいけません。

通称「打ちっぱなし」と言われるゴルフ練習場には、飛距離の目安となるヤード表示が設置されています。

アイアンのショット練習では、そのヤード表示をターゲットとして使うことがあると思います。

それからドライバー用と考えられる突き当たりのネットにぶら下がっている的(まと)を狙うこともあるでしょう。

方向性を意識したドライバーショットの練習は、本番となるゴルフコースでのティーショットにも役に立つはずです。

また飛距離アップをしようと、意識的に大きなスイングをすることも、ヘッドスピードを速くさせることに繋がる場合があります。

ただ練習場での飛距離が、そのままゴルフコースでの飛距離になるわけではありません。

表示されている距離は目安であって、正しい距離表示ではないからです。

その理由は練習場のスペースと、使っている練習用ボールにあります。

練習場でのドライバーショットの飛距離は参考にならない

練習場のヤード表示でドライバーの飛距離を確認しても、正確な距離を示していないので参考にはならないかもしれません。

なぜならゴルフコースで使う一般的なゴルフボールと、練習場で使われているゴルフボールは違う種類のものだからです。

練習場ではたくさんのボールが用意されていますが、利用者が打ったボールは夜間や早朝に回収をします。

そのあと洗浄して乾燥をさせてから機械に投入し、床下を通って自動ティーアップから出てくるようにします。

練習場によって洗浄方法は違いますが、泥が付くような練習場で使用したものをブラシ洗いしても表面が劣化しない耐久性を重視したものになっています。

また内部もソリッドや糸巻きなど変形しやすいものを避けて、ワンピース構造、もしくはツーピース構造で作られています。

通常であればボロボロになるくらい使い込んだものでも、使い続けていけるような内部構造で作られていますが、その分だけ飛距離は出ないようになっています。

ドライバーで練習場のボールを打っても飛距離が出ない理由

練習場で使われているボールは耐久性を重視しているので、ドライバーショットを放っても通常の飛距離はでません。

そのため練習場は、練習場用のボールを打つと飛距離ダウンになるため、150ヤードや200ヤードの表示を、本来の距離よりも手前に設置しています。

仮に7番アイアンを使って150ヤードを狙うとき、練習場で常にショートしていると本番のゴルフコースでは6番アイアンを選択するかもしれません。

そんな勘違いがないようにと、ヤード表示を練習場用のボールの飛距離に合わせているのです。

ただし、このような配慮をしているのは利用者のためばかりではありません。

練習場は外部にボールが飛んでいかないように、ネットで囲まれているはずです。

このネットを張り巡らすためには、強度のある支柱を立てなければなりません。

距離が長くなるほど支柱の数は増えますし、風の抵抗も受けるためその強度も増強しなければなりません。

また長くなるほどネットの面積も必要になりますし、何よりも土地代がかかるので、ある程度のスペースにしたいのが経営上の本音です。

練習場ではドライバーの飛距離の基準が定まることはない!

限られたスペースで練習場を開場する場合は、飛ばないように作られたボールを使うのは当たり前と考えられます。

もともと飛ばない練習場用のボールですが、室内練習場や奥行きのない屋外練習場では、通常の練習場用ボールよりもさらに飛距離の落ちるものを使う場合があります。

ただし飛距離が落ちるとはいっても、50%も落ちるわけではありません。

ピッチングウェッジのときは、ゴルフコースで使う通常のゴルフボールと同じ程度の飛距離ですが、ドライバーの場合には8%程度減になると言われています。

もちろん芯でボールをとらえたときのパーセントなので、芯から外れると弾みが悪い分だけ飛距離は落ちるので10%減になることも考えられます。

問題は練習場のネームが入っていたりレンジボールと記されていたり、もしくは赤や青のラインが入っているだけでは、どれだけ飛ぶのかを見分けることはできないこと。

結果的にどのくらい飛ぶのか分からないボールを使って、ドライバーの飛距離を判断しても意味はないので、正しいスイングをチェックする練習方法が大切だということになります。

練習場では飛距離よりスイングチェックが大事

練習場でのドライバーは、飛距離で成果を確認するのではなくスイングチェックを重視しましょう。

チェックするのは右肩下がりのアドレスです。

飛距離を構成するのは、ボール初速と打ち出し角とスピン量の3つの条件です。

初速はヘッドスピードの速さと、スイートスポットでインパクトできる確率の掛け合わせで出し、飛距離に影響を与えます。

打ち出し角はもっとも飛ぶ放物線の角度を表していて、一般ゴルファーのドライバーショットの場合には14度の角度が適正と考えられています。

スピン量はフェース面の斜度にボールが当たったときにかかるバックスピンの量で、少ないほうが飛距離に繋がります。

ドライバーのフェース面の斜度をロフト角と言いますが、一般的なロフト角は9度から11度程度です。

それに対して打ち出し角は14度必要ですから、足りない分は下から打ち上げることになります。

そのためにアッパーブローのスイングを意識しすぎると、アドレスで右肩が下がってしまうことがあるのです。

ドライバーの飛距離は練習場ではなくゴルフコースで分かる

アドレスで右肩が下がった状態でドライバーを構えて、そのままテークバック、ダウンスイングをすると、インパクトで左脇が開きます。

するとインパクトのとき、本来は体の中心にあるべきグリップが、外(左)側に逃げてフェースが立った状態になってしまいます。

打ち上げようという思いが強ければ強いほどフェースは立った状態になるので、結果的に低弾道になり飛距離はダウンしてしまいます。

したがって練習場では正しいスイング軌道を作ることを重視しましょう。

左足内側の延長線上にティーアップしたボールがあり、そのボールをアッパーブローでとらえるためには、手前にスイングの最下点を設定しなければなりません。

ティーの後方に仮想のボールを置いて、そのボールに向かってスイングをし、空振りしてからティーの上の本当のボールを下から打ちます。

しっかりイメージができたら体重移動を勘案して、ティーアップしたボールの後方10センチのところでヘッドをソールします。

これで正しいスイング軌道ができるので、あとは正しいインパクトができるように練習をするだけです。

この結果は、本番のゴルフコースのティーグラウンドの上で知ることができます。

練習場でドライバーを打ち込んでコースで飛距離を確認

練習場でドライバーの飛距離を気にして打っていても、上達に近づく可能性は少ないはずです。

正しいスイング軌道を知って、その軌道でボールをとらえる練習を繰り返すことが上達の早道です。

そして、結果はコースで打ってみて確認するしかありません。