シャフトメーカーが多数存在する中、人気の高いツアーADシリーズ。
2019年の日本オープンを制した石川遼プロや小平智プロも使用しています。
そんな人気のツアーADシリーズをタイプ別に比較します。
埼玉発!ツアーADシリーズ
ゴルフシャフトの代表格と言えば三菱ケミカルです。
三菱グループの企業規模、潤沢な資金をベースに様々なシャフトを国内外問わず供給しているからです。
しかし実際日本国内ツアーで使用率が最も高いのは、ツアーADシリーズです。
そのツアーADシリーズを作っているのはグラファイトデザインです。
埼玉県秩父市に本社を構える資本金約6憶弱、120名程度の会社です。
そんなグラファイトデザインは、炭素繊維強化プラスティックやカーボン繊維に関するノウハウを活かしゴルフ用シャフトを開発、展開しています。
グラファイトデザインのコンセプトを紹介します。
・Venture
・Pride
・Challenge
・Technology
・Excellence
・Progress
・Dream
これらのコンセプトを元に取り組んできた結果、120名ほどの規模で日本国内ツアーへNo.1のドライバーシャフトの供給を実現しています。
今回はそんなグラファイトデザインが展開するツアーADシリーズについて比較していきます。
プロゴルファーがツアーADのシャフトを使う理由
日本国内、海外で活躍実績のある石川遼プロ、小平智プロなどが利用しています。
他のシャフトと比較して、なぜツアーADシリーズを選んだのでしょうか。
・石川遼プロの場合
石川プロは、ツアーADの使用歴は7年以上あります。
石川プロが、ドライバーのシャフトに何を一番求めているのかというとスイングの安定感だそうです。
具体的な例を挙げると、切り返しタイミングでシャフトが安定していることです。
切り返しのタイミングは、シャフトに大きなエネルギーがかかるため、ブレることがあります。
しかしツアーADの場合、そのブレがないとのこと。
そのため、安定したドライバースイングにつながるのだそうです。
・小平智プロの場合
小平プロは、ジュニア時代(高校)からツアーADを使っているようです。
現在利用しているのは、「ツアーAD クアトロテック 75X」を勝負カラーの黒に塗装した特別モデルとのこと。
小平プロは、ハードヒッターのイメージが強いですが、実はフェースコントロールがとても上手な選手です。
そのため、インパクト時にヘッドが走ってくれることに加えて、ドローやフェードの打ち分けがしやすいことからずっと愛用しています。
ツアーADの様々なモデルがありますが、クアトロテック一筋だそうです。
ストレート系の弾道に向いたツアーADシャフト比較
それでは、早速ツアーADのシャフトを比較していきます。
まずは、ストレート系のシャフトです。
・Tour AD GT(中高弾道)
ツアーADシリーズの中でも定番と言えるGTシリーズです。
剛性を強めることで、安定したインパクトの弾きとスムーズな振り抜き感があるシャフトです。
弾道も出しやすいため、飛距離向上も期待できます。
・Tour AD MT(中高弾道)
MTシリーズの特徴は、タイミングの取りやすさです。
手元のしなりが粘り強く、切り返しのタイミングが取りやすいのが特徴です。
また、先端の戻りが強く、長いインパクトゾーンを作ることができます。
・Tour AD IZ(中高弾道)
インパクト時のエネルギーロスに注目したシャフトです。
高強度素材を使用することで、強い打ち出しを可能にしています。
・Tour AD PT(中弾道)
PT-5/PT-6は、扱いやすいツアーモデルとして、またPT-7/PT-8は、ハードヒッター向けに仕上がっています。
シャフトに癖がなく、素直なシャフトのしなりと弾きが特徴です。
・Tour AD TP(中弾道)
ヘッドの走りを好むゴルファーに好まれるシャフトです。
先端高剛性により、ヘッドの返りにスピード感をプラスしても安定したしなり戻りでブレやエネルギーロスを軽減しています。
・Tour AD GP(低弾道/ストレート)
ミート率の向上、そして初速アップを目指したGPシリーズ。
グリップ周辺の剛性を向上させることで、振り遅れ軽減しています。
ドローヒッター向けツアーADシャフト比較
次にドロー系のツアーADシャフトについて比較していきます。
・Tour AD VR(中弾道)
ツアーADシリーズの最新モデルであるVRシリーズです。
ややドローで中弾道の打ち出し角度に向いています。
強いしなりを活かし、そこから加速する戻りでインパクトを迎えることができます。
昨今の大型ヘッドの性能を最大限に引き出せるシャフトに仕上がっています。
・Tour AD MJ(高弾道)
ややドローで高弾道のMJシリーズ。
ツアーADシリーズの中ではかなり弾き感が強いシャフトです。
またシャフトの粘りから、弾いても左方向へ飛びにくくなっています。
・Tour AD DJ(中弾道)
ナノテク素材を採用したシャフトで、インパクト時の感覚をダイレクトに伝えてくれます。
DJ-5/DJ-6はややドローめ、DJ-7/DJ-8はストレート系と重さによって特徴が違います。
フェードヒッター向けツアーADシャフト比較
最後に、フェード系に強いツアーADシリーズを比較していきます。
・Tour AD QUATTROTECH(中弾道)
クアトロテックシリーズは小平プロが愛用しているモデルです。
特徴的なのは、手元のカーボン配置でインパクトで負けない弾きを実現していることと、1195mmと通常のシャフトよりも長くすること前提で設計し、飛距離アップにつなげています。
また、長尺シャフトながら鋭く振り抜ける、振り切り感も人気があります。
・Tour AD DI(中弾道)
DIシリーズは、インパクトでより押し出す感覚を求めるゴルファーに向いています。
シャフトのしなりを重視したDIシリーズは他のシリーズと比較すると、ヘッドスピードを上げるというよりも、しなりで強くヘッドを押し出すように設計されています。
・Tour AD BB(中弾道)
飛距離よりも、シャフトの安定性や操作性を重視したBBシリーズ。
タイミングの取りやすさ、またスイングでの振り遅れを感じさせないしなりで、ロスなくインパクトを迎えられます。
コンパクトに振り抜きたいゴルファーに向いています。
・Tour AD M9003(低弾道)
ADシリーズの中で、かなりの低弾道を誇るM9003は、パワーヒッターのためのシャフトです。
パワーヒッターの場合、切り返しから手元部分でのシャフトの粘りが重要です。
M9003は、インパクト前まで粘りを持ちながら強く叩けることに特化したシャフトです。
ツアーADシリーズのその他のシャフト
ドライバー向けシャフトの比較を行いましたが、最後にその他のシャフトについても紹介します。
カスタムシャフトはどうしてもドライバーに目が行きますが、ツアーADシリーズはハイブリッド、アイアン用にもシャフトを開発しています。
合わせて紹介します。
《ハイブリッド》
・Tour AD U
最新モデルのユーティリティ専用シャフトです。
高い弾道を実現し、グリーンをハイブリッドでも直接狙えるように考えられたシャフトです。
・Tour AD HY HYBRID
高弾道かつ、ハイブリッドのイメージそのままのシャフトです。
強めの弾道が出る粘りがあります。
・Tour AD DI HYBRID
ハードヒッター向けのユーティリティーシャフトです。
最大の特徴は、先端径をアイアン径(9.4mm)にしインパクト時のブレを排除しています。
《アイアン》
・Tour AD AD-50
最軽量のアイアンシャフト。
しなりを重視し、優しい打感とインパクトでのヘッドの加速が特徴のシャフトです。
・Tour AD AD-55/AD-65TypeⅡ/AD-75/AD-85/AD-95
アイアンシャフトの中の定番モデルになるADシリーズです。
シャフト重量ごとに用いるテクノロジーバランスを変え、特徴を際立たせたシャフトです。
スチールからの乗り換えも、AD-85などであれば違和感がないかもしれません。
・Tour AD AD-105/115
ツアープロの要望を反映させたシャフトです。
アマチュアの場合、カーボンシャフトに求めるひとつとして、スチールに比べた軽量化があります。
しかしツアープロの場合、重量よりもカーボンのしなりの特性を生かせるセッティングのため、重量がスチールと同等の設定になっています。
ドライバー用シャフトの種類は国内No.1
グラファイトデザインのシャフト、ツアーADシリーズの比較紹介しました。
ドライバー用のシャフトの種類の豊富さには驚いたことでしょう。
それもあってか、自分のスイングに合ったシャフトが必ず見つけられると思いますので、ドライバーの購入やリシャフトを検討中のゴルファーは、是非一度試してみてください。