ドライバーは初心者にとって使いこなすのがなかなか難しいクラブかもしれません。
ドライバーが真っ直ぐ飛んで飛距離も出れば、これほど楽しいゴルフはないでしょう。
そんなドライバー選びに役立つ、ヘッドの形状やロフト角などについて説明します。
ドライバーとはどういうクラブなのか
ドライバーはボールをティーアップして打つクラブで、ボールを遠くに飛ばすことを目的に作られています。
遠心力をつけるため、一番長いクラブですが、振り抜きやすいように最も軽い作りになっています。
初心者の男性なら200ヤード前後の飛距離は欲しところです。
普通ドライバーはティーショット以外では使用しません。
そのため18ホールで使用するホールは、多くて14ホールです。
飛距離が出るため、ボールが曲がるとスコアに影響を与え、精神的なダメージも大きいクラブです。
最近のドライバーの主流は400cc以上の大きなヘッドに、45~46インチの長めのシャフトを装着しています。
男性用のロフト角は9~12度が主流で、初心者は10.5度くらいのロフト角が良いと思います。
ドライバーは飛距離を出すクラブですが、ゴルフは距離を競うスポーツではありません。
200ヤード以上飛ばしても、OBでは飛ばした意味がありません。
それではドライバーの特性や打ち方などを説明します。
初心者が知っておくべきドライバーのヘッド形状
初心者がドライバーを選ぶときは、クラブの顔であるヘッドを見て第一印象で決めることが多いようです。
つまりヘッドに一目惚れして購入することが多いのではないでしょうか。
しかしながら少なくともロフト角やシャフトの長さとフレックスなど、基礎知識は持っておきましょう。
基本的なヘッドの種類を説明します。
ヘッドの底側を見て、小ぶりなヘッドをディープフェース、奥行の長いヘッドをシャローフェースと言います。
このうちディープフェースは、フェース面の縦幅が長くなります。
競技ゴルフのルールでは、ヘッドの容積は460cc以下と定められています。
そのためヘッドのフェース面が縦に高いディープフェースは、ルールの容量を守るためヘッドの奥行きを短かくしています。
反対にシャローフェースは、フェース面が低いため、ヘッドの後方を長くできます。
ディープフェースのほうはフェース面が高いため、重心位置が高くなってバックスピンの量が抑えられます。
そのため低・中弾道、低スピンの強い弾道が特徴です。
操作性も良くなっており、思い描いた放物線を狙える上級者向けのクラブヘッドです。
対してシャローフェースは、ヘッドの後方を重めにして、ボールが上がり易くしています。
その重心の深さのおかげでスイートスポットを外しても、ボールが真っ直ぐに押してくれる構造のため、ミスに対して寛容なクラブです。
初心者はシャローフェースのほうが良いかもしれません。
初心者に合うドライバーのロフト角とは
ドライバーのロフト角について、おもしろい統計があります。
男子プロのロフト角は10度から10.5度が多く、意外にも女子プロは9度から10度が多いということです。
では初心者に合うロフト角は何度ぐらいが良いのでしょうか。
ロフト角はヘッドスピードの速さに応じて選ぶのが正解です。
一般的なヘッドスピードと最適なロフト角を記載します。
ヘッドスピード/最適ロフト角度/プレーヤーのレベル
48~56/8~10.5度/プロ並み
42~47/9.5~11度/平均的男子レベル
38~41/11~13度/非力な男子や力のある女子レベル
33~37/13~15度/平均的女子やシニアレベル
俗説でロフト角の低いドライバーのほうが飛距離が出るとか、プロのような弾道になるといったものがありますが、決してそうではありません。
ラウンドするゴルフ場すべてが打ち下ろししかないことを除いて、ヘッドスピードが遅い場合はロフト角を下げても飛距離は出ないのです。
現在使用しているドライバーのロフト角より、角度を高くしたほうが良い場合もあります。
ドライバーを選ぶ際には、ヘッドスピードを計測して選ぶことをおすすめします。
ヘッドスピードとシャフトの硬さ
ドライバー選びはヘッドに目がいきがちですが、シャフト選びも大切なので説明します。
シャフトのフレックスは、L→R→SR→S→Xの順で硬くなります。
メーカーやモデルによっては、同じフレックスの表記でも実際の硬さに違いがありますので注意してください。
Xは一般的に最も硬いシャフトで、ヘッドスピードは46~50m/s以上が目安です。
Sはある程度ヘッドスピードが速い人向けで、ヘッドスピードは42~50m/s以下が目安になっています。
SRはSシャフトとRシャフトの中間の硬さで、ヘッドスピードは40~43m/sくらいです。
Rは初心者向きのフレックスで、ヘッドスピードは38~40m/sが目安で、Lはレディース用のシャフトです。
これらを参考にして、シャフトの硬さを選ぶのが良いでしょう。
初心者はRかSRが一般的ですが、力のある人は勿論最初からSで構いません。
ロフト角とフレックスの組も合わせで、飛距離と安定性が変わってきます。
自分に合った組み合わせを選ぶには、ヘッドスピードを計測するため必ず試打をしてください。
初心者はヘッドスピードとロフト角でドライバーに仕事をしてもう
初心者向けのドライバーは、どんなタイプを選べば良いかを説明します。
飛んで曲がらないドライバーがあれば一番ですが、まずは安定感のあるドライバーを選びましょう。
ポイントはヘッドスピードによるロフト角とシャフトの組み合わせです。
そして低重心でボールの上がるクラブを選びましょう。
おすすめはシャローフェースのドライバーです。
このタイプのドライバーは重心が低く、スィートスポットを外しても、しっかり振り抜くことで飛距離も出ます。
シャフトの長さは、長すぎると振り抜きにくいため、45インチあれば十分です。
初心者はスリーブタイプ(ヘッドが脱着できて、ロフト角やバランスを調整できるもの)は避けたほうが良いかもしれません。
カチャカチャやりだすと、結局どの設定が良いのか分からなくなりドツボにハマってしまう可能性が高いからです。
クラブの特性を理解した上で、しっかりと試打をして自分に合ったクラブを選んでください。
ドライバーはロフト角を安定させて打とう
ここからはドライバーの打ち方を説明します。
初心者は飛距離よりもフェアウェイに落とすことだけを考えたほうが賢明です。
そのためには、グリップとスタンスの基本を身につけることが大切です。
グリップが安定しないと、フェースが開いたり閉じたりして方向が定まりません。
ドライバーはスライスしやすいクラブなので、フックグリップで握るほうが安定します。
スタンスを肩幅ぐらいに広げて、ボールを左足かかと線上にセットします。
その後に右足をずらして調整してください。
ドライバーは一番長いクラブですから、体からボールの位置が遠くなります。
ヘッドをボールの位置に合わせて、グリップと体の距離を拳ひとつくらい空ける位置で調整するのが良いでしょう。
初心者が飛距離を出そうと、両足を大きく開いてクラブをギリギリまで長く持つのは逆効果です。
クラブは長いほど扱いにくく、入射角も定まらないからです。
クラブのロフト角に合わせてヒットさせないと飛距離は得られません。
グリップも力を入れすぎず、強く握りすぎないことが大切です。
アドレスがしっかりできていれば、ボールは真っ直ぐ飛んでいきます。
飛ばそうとして、ヘッドスピードを上げる必要はありません。
クラブのロフト角通りに仕事をさせて、シャフトのたわみを上手く使えば飛距離は十分伸びます。
ドライバーはフェアウェイキープ率に拘るべき
ドライバーの飛距離が出れば、ゴルフは間違いなく楽しくなります。
しかしながら方向に拘ってフェアウェイキープ率を高めるほうがスコアは安定します。
どちらをドライバーに求めるからプレースタイルによって変わりますが、飛距離よりも方向性を重視したほうが上達は早まるのは間違いありません。