ウェッジのグリップを太くするならすべてを統一するべき

ウェッジのグリップを太くすると、ヘッドを打ち込んでも負けることなく振り抜くことができます。

グリップをしっかりと握ることで芝の抵抗を受けずにヘッドコントロールはできますが、手首が固定されるためインパクトでフェースを意識的に合わせるのが難しくなります。

そこで今回は、ウェッジのグリップは太くするべきか考えます。

ウェッジのグリップを太くすることにメリットはある?

ウェッジのグリップのサイズは、アイアンと太さを変えたほうが良いのでしょうか?

ウェッジはアイアンの一部と考える場合と、ウェッジ単体に役割があると考える場合があります。

アイアンの一部と考える場合は、番手間の飛距離がおよそ10ヤード刻みになっていて、ターゲットまでの距離が合わせやすくなっていなければなりません。

仮に9番アイアンの飛距離が110ヤードであれば、ピッチングウェッジの距離は100ヤード、アプローチウェッジは90ヤードと80ヤードがあり、その下にサンドウェッジがあるといった具合です。

一方でウェッジ単体に役割があると考える場合には、グリーン周りからのロブショット用のウェッジや、深い芝の中から脱出するためのバンスの大きなウェッジといった、そのためだけに使うウェッジを指します。

ヤード刻みにしろ、特殊なショットにしろ、それぞれの役目を果たす上で、グリップを太くすることにメリットがあるのかはプレーヤーの感覚次第です。

グリップを太くすると手首は固定される

一般的には、グリップを太くするほど手首の動きが伝わりにくくなります。

その理由は外周が大きくなるほど1回転に要する時間が掛かるからで、グリップが遅くなれば合わせてフェースの開閉も遅くなります。

ドライバーは手首を使いすぎるとフックしやすくなるため、グリップを太くする選択肢はありです。

またグリップを太くすることで、強く握っても肘から先の筋肉が緊張せずにスイングできるというメリットもあります。

ところがウェッジを使うアプローチ圏内では、手首をやわらかく使ってインパクトでの微妙な打感を合わせることが多いはずです。

そのため手首を固定してしまう太いグリップは、使用場面が限定されてしまうことから、デメリットを感じることがあるかもしれません。

ある場面では太いグリップのウェッジを使い、別の場面では細いグリップを使えばこの問題は解決できますが、ゴルフクラブは14本以内という制限があるため、ウェッジだけ本数を増やすことはできません。

なによりも毎回太さの違うグリップでは、その都度合わせることのほうが難しくなってくるはずです。

サンドウェッジのグリップを太くすると砂ごと打ち出せる

サンドウェッジの場合は、手首の動きをなくしたバンカーショットが一般的ですから、グリップを太くするとスイング軌道が安定します。

ターゲットに向けてオープンスタンスで構えて、そのスタンスに合わせてスイングをします。

ただしフェース面はターゲットに向けてインパクトをしないと、ボールは左に打ち出されるかスライスして右に曲がってしまいます。

左に打ち出す場合はインサイドインのスイングをしているはずですが、この場面ではアウトサイドインのスイング軌道が正解です。

その上で、ボールの手前でソールを砂の表面にぶつけて、その砂ごとボールを打ち出します。

ウェッジのソールを打ち付けると砂の抵抗を受けるため、グリップをしっかり握らなくてはいけません。

そこでグリップを太くすると、この砂の抵抗に負けずに振り抜くことができるのです。

砂とともにボールを打ち出すこのバンカーショットを、エクスプロージョンショットと言います。

エクスプロージョンの意味は「爆発」ですから、まさに爆発の衝撃に負けないようにしっかり握れるグリップの太さは安心に繋がるはずです。

アプローチはグリップを太くするとマイナスか?

先ほどお話ししたように、バンカーショットでのサンドウェッジはグリップを太くするほうが安心できますが、アプローチショットの場合には手首を軟らかく使い、フワッと上げて2~3回のバウンドで止めるように打つのが基本の寄せ方になります。

このピッチショットの場合、グリップを太くすると手首の可動域が制限されるため、トップやダフリの可能性が出てしまいます。

そのため手首の可動を妨げない程度のグリップの太さにすることが大切です。

一方でグリーン手前の花道やグリーンエッジからのアプローチの場合、ボールをフワッと上げずにピンそばに近づけるのがセオリーです。

パター打ちに近いチップショットであれば、直接カップに入るチップインを狙うことだってできます。

チップショットは低い弾道で打ち出して転がしながらカップに寄せる方法です。

もっとも簡単な打ち方の1つですから、多くのプレーヤーがこのチップショットをアプローに使っています。

このチップショットは、手首が固定できるパターのようにグリップの太いタイプが打ちやすいと言われています。

ウェッジのグリップを太くするとカップインを狙える?

チップショットはピッチングウェッジを使うのが良いと言われます。

もちろんアプローチウェッジやサンドウェッジを使うこともありますが、これは距離の差であってボールの高さやスピン量を狙うためのものではありません。

ボールの位置はスタンスの中央よりも右側でセットし、ボールと体との間隔を狭くします。

必然的にシャフトはアップライトになるため、グリップを短く握ってヒールを浮かせて構えることになります。

この状態でヘッドを振り子のようにスイングすると、ポーンと打ち出したボールはグリーンに落ちてからピンに向かって転がります。

チップショットではまったく手首を使う場面がなく、パターのストロークのときのように打つため、グリップも太くするほうが打ちやすいはずです。

このボールの位置を中央よりも左側に置いて、浮かせたヒールを落として同じ振り子のスイングをするだけでピッチショットになり、ピッチとランが等分になればピッチエンドランのアプローチになります。

結局ウェッジのグリップは太くするより普通サイズが良いのか

グリップを太くする、または細くすると、ウェッジごとに変えてしまうのは使いにくいはずです。

そのため最低限ウェッジだけでも統一し、アイアンとの太さを変えるようにすべきです。

3番アイアンからサンドウェッジまでのアイアンセットとしてとらえるか、アイアンセットは9番アイアンまでで、ピッチングウェッジからは単品で用途に合わせて揃えていくとするならば、太くするほうが使う確率は高くなるはずです。

ただし得意とするアプローチの仕方はプレーヤーによって違うので、必ずしもウェッジのグリップを太くする必要はありません。

手首を使うアプローチを多用するようであれば、普通のサイズのほうが扱いやすいはずです。

また手のサイズによっても違いはあります。

グローブは23~25センチがスタンダードなサイズですが、もしも26センチ以上であれば太目のグリップが普通に感じる場合があります。

このように1つの条件だけではグリップのサイズは太いほうが良いのか、細いほうが良いのかを決めることはできません。

ただゴルフの道具としてトータルで扱いやすさを考えると、結局「普通のサイズ」が良いのかもしれません。

ウェッジのグリップを太くするときは統一感が大事

ウェッジのグリップを太くすると、手首の動きが制限されます。

アプローチの仕方にもよりますが、手首を固めたほうがスイング軌道は安定する場合があるため、自分に合っていれば太くするという選択肢はあります。

ただし単品ごとにサイズを変えるのではなく、統一感を持った揃え方をしたほうが扱いやすいのは間違いありません。