バックスピンの効いたアイアンショットを打ちたければ、最高のミート率を目指しましょう。
正しいインパクトができれば、理想とするスピン量とそれを活かせる打ち出し角を手に入れることができます。
そこで練習に入る前に目安となるミート率について確認しておきましょう。
アイアンショットのためにミート率の目安を知っておきたい!
精度の高いアイアンショットをするためには、フェースの芯でボールをとらえなくてはいけません。
アドレスに入る前にターゲットを定めて、正確な距離と方向で打ち出すことが必要です。
それと同時に着弾後のランを計算しなければなりません。
なぜならターゲットに落とすことができても、そこからダラダラと転がっていくようであれば、正確な距離は台無しだからです。
ピンポイントに攻めたつもりが、止まらずにグリーンをオーバーすることはある意味良くあることなのですが、これは打ち出すボールのスピン量が足りないから起きるものです。
バックスピンの回転数が大きければグリーンで止めることができますし、キュルキュルと逆回転して戻ることだってあるため、オーバーすることはなくなります。
ただし打ち出しでスピン量が大きくても、落下するときには回転数が落ちてその効果を得られないことがあります。
このスピン量をコントロールするためには、フェースの芯でとらえるミート率を上げなくてはいけません。
以降、アイアンのミート率の目安について話を進めます。
アイアンのミート率の上限はあっても下限の目安はない?
アイアンのミート率について確認しましょう。
ミート率とは、アイアンのフェースにあるスイートスポットでボールをとらえ、どれだけボール初速を得られたかを表す数値です。
アイアンショットを見るだけではフェースのどこに当たったかは分かりませんので、ヘッドスピードピードの速さと、打ち出すボールの初速を計測して、その2つの数値から導いたものをミート率としています。
『ミート率=ボールの初速÷ヘッドスピード』で割り出しますが、算出されたミート率は1.35とか1.40といった数値です。
算出されたこの数値を理解し分析できないと、ミート率を知っても意味はありません。
ミート率には上限があります。
ミート率の最大値は1.56ですが、これは理論上の数値であり、実際にはここに達することはありません。
一方で下限はありませんが、フェースに当たれば前方に飛び出しますから、実際にはボールの初速が1m/sでヘッドスピードも1m/sだとしてもミート率は1.0になりますから、ここが下限の目安にして良いでしょう。
ちなみに1.0はショートパットのミート率と同程度です。
ミート率の目安を確認する前に知っておくべきこと
アイアンのミート率の目安を確認する前に、その意義について確認します。
一般的にミート率を重視するのは、飛距離を狙うドライバーショットのときです。
ドライバーのヘッドは内部が空洞になっているため、スイートスポットでボールをとらえると、スプリング効果によって弾み、高い反発力で打ち出すことができます。
いかにスイートスポットでインパクトができるのかは、飛距離にとって重要なことなのですが、同時にヘッドスピードの速さも飛距離にとって重要です。
ヘッドスピードが速ければ、それだけインパクトでの衝撃力が強くなるからです。
ただし実際のゴルフスイングは、ヘッドスピードを重視するとスイートスポットから外れ、スイートスポットでのインパクトを重視するとヘッドスピードを落としたコントロールショットになってしまうものです。
アイアンの場合には、そのクラブが設定しているロフト角に合わせた飛距離を出せさえすれば良いので、飛ばす必要はありません。
重要なのは打ち出すときの角度とスピン量です。
アイアンショットのミート率の目安はいくつ?
グリーン面でバックスピンがかかって、キュルキュルと戻ってくるようなアイアンショットを打つためには、絶対的なスピン量と、そのスピン量がほどけて落ちる前にグリーンオンさせる低弾道の打ち出し角が必要です。
フェースを開いてスピン量を増やしたのに、打ち出したボールが高く舞い上がって落下してくるころには、せっかく苦労してかけたスピンの勢いがなくなり、落ちて止まることなくグリーン奥へと転がっていきます。
低い弾道で打ち出して、スピン量が落ちる前にグリーンをとらえれば、キュルキュルのバックスピンがかかります。
ただし低い弾道で打ち出すだけでは、インパクトでのバックスピン量が足りないかもしれません。
そこでミート率を高めることが必要になります。
正しいインパクトができれば、ロフト角に合わせた打ち出し角で、かつ想定以上のスピン量が得られます。
ここで初めてミート率の目安がいくつなのか、その数値の確認が必要になるのです。
アイアンのミート率の目安は初速とヘッドスピードで決まる
アイアンは番手によってミート率の目安は違います。
7番アイアンの場合で確認してみましょう。
7番アイアンは、スタンスの中央にボールをセットしますから、スイングの最下点は体の中心軸と一致します。
一般的にはスイングを作るときの練習で使われる、基本の番手としているものです。
標準的な7番アイアンのロフト角は32度です。
32度のままボールの側面をインパクトすれば、ボールはフェース面を上に向かって転がりながら前方に飛び出していきます。
こうしてバックスピンがかかるのですが、フェース面が垂直な状態でボールをインパクトしないので、ボールが上に転がる分だけパワーロスが発生しています。
その上でミート率を算出すると、仮にドライバーのヘッドスピードが40m/sであった場合、7番アイアンのヘッドスピードの目安は34m/sで初速は43m/sになり、『ミート率=ボールの初速÷ヘッドスピード』の公式に当てはめると1.26となります。
7番アイアンのミート率の目安1.26が適正なの?
この算出されたミート率の目安1.26を前提にし、同じヘッドスピードでスイングをしたとして初速が落ちているとしたら、フェースの傾きが違っているのか、インパクトポイントがずれているのかの2つの原因が考えられます。
フェースの傾きが大きければ、打ち出したボールは上がりスピン量が減ったところで落下してきますし、スイートスポットでとらえていなければ打ち出すときにスピン量自体が足りないと考えられます。
ちなみにドライバーのヘッドスピード40m./sであれば7番アイアンのミート率は1.26と算出できますが、ドライバーのヘッドスピードが45m/sであってもアイアンのミート率は1.26で変わりません。
では実際に7番アイアンのミート率の目安となる数値を確認しましょう。
バックスピンのかかるプロの場合には1.30から1.35を目安にしていますので、最低でも一般のゴルファーの場合は、1.25から1.29をミート率の目安としたいところです。
ミート率は結果を数値で把握しそこから算出するものですから、毎回のショットで確認することは難しいかもしれません。
そのためリアルタイムで確認したい場合は、ミート率計算の含まれている市販のヘッドスピード計測器があるので、理想のアイアンショットを作るときには利用を考えてみると良いかもしれません。
アイアンのミート率の目安を知るよりも意味を知るほうが重要
飛距離を生み出すスイングを数値で確認するときに使うミート率ですが、アイアンの場合には正しいインパクトができているかを確認するときにも活用できます。
目安となる数値を知ることは大切ですが、その数値の意味を知ることのほうが重要です。
総じてミート率が高すぎて損することはありません。