プロゴルファーは、いろいろな球種、弾道の高さをアイアンで打ち分けています。
打ち分けをするために必要なスイングはひとつで十分です。
なぜならインパクトとボールの位置を理解すればアマチュアでも打ち分けできるからです。
今回はアイアンでボールを操るために必要な考え方をお伝えします。
アイアンでボールを操るためには?
アイアンで打ち分けができ、ボールを操れたら、ゴルフはもっと楽しくなります。
ドロー、フェードなど打ち分けたいと思い、あらゆる参考記事を読んでいるのではないでしょうか。
打ち分ける球種によって、スイング軌道の違いを説明しているものもありますが、アマチュアがそれを実践するにはかなり難しいでしょう。
実際、打ち分ける球種の数だけスイングを習得すれば良いと考えるかもしれませんが、そんなに甘くありません。
傾斜(4種類)×ライの状況(無限大)のパターンがあります。
これだけのパターンに対応するのはかなり難しいと思いませんか。
さらに、アイアンの番手によってスイングが変わったら、それこそ無理難題です。
そこでアイアンでボールを操るためには、できる限りシンプルにゴルフを考えることです。
そのひとつの答えとして、自分のスイングをひとつだけで良いので、しっかりと完成させることをおすすめします。
あとは、インパクトの形とボールの位置を理解できれば、打ち分けは可能になります。
自らゴルフを難しくせず、簡単にやるためにはどうするかを考えるようにしましょう。
インパクトの種類とボールの位置の関係
アイアンのインパクトは大きくふたつあると考えてください。
まず、アイアンと言えばダウンブローです。
もうひとつはレベルブローです。
アイアンは必ずダウンブローに打つ必要があると考えている人が多いですが、そうではありません。
ショートアイアンからミドルアイアンまではダウンブロー、ロングアイアンはレベルブローのイメージで大丈夫です。
長いクラブでダウンブローに打つイメージは難しいため、レベルブローでOKと考えるようにしましょう。
次にボールの位置について話します。
ボールがあるがゆえ、ボールを基準にスイングを考えがちですがそうではありません。
ボールの位置は自分のスイングの最下点を基準に考えればもっとシンプルになります。
ダウンブローは最下点の手前でインパクトするため、最下点の前にボールを置きます。
それからレベルブローは最下点もしくは少し手前くらいに置くイメージです。
ボールを叩きに行くよりスイングの途中に当たる(地面方向へのエネルギー出力は必要)イメージで考えれば良いのです。
その際インパクトのフェースの向きが重要です
スイングを基準に考えるようになれば、必然とインパクトゾーンも長く作れ、ショットも安定します。
ボールを叩きに行くのがダウンブローではないので注意しましょう。
インパクトの使い分け!ダウンブローとレベルブロー!
アマチュアで、ミドルアイアンやロングアイアンが苦手なゴルファーは多いのではないでしょうか。
7番アイアンくらいまではうまく打てるのに、それ以上番手が上がると打てなくなってしまうようなタイプです。
もちろんスイングの問題もあるかもしれませんが、インパクトをダウンブローにしなくてはいけないと思いすぎているのが原因かもしれません。
アイアンは、ダウンブローにインパクトしないとボールが上がらないというのは昔の話です。
最近のクラブは、ボールが上がりやすいように設計されています。
つまり、ダウンブローに打たなくてもボールは上がってくれます。
大事なことは、番手に対して必要なヘッドスピードが出ているかだけです。
そのためインパクトより、自分のスイングに集中することが大切です。
インパクトは、ボールの位置を正しくしておけば勝手にゆるやかなダウンブローやレベルブローになってくれます。
スイングの最下点をしっかり把握すれば、ボールの位置もおのずと決まってくるので問題ありません。
そのためには、意識の使い分けが必要で、あくまでもイメージの問題でしかないのです。
苦手な番手(長いもの)はレベルブローで良いという意識を持ちましょう。
アイアンのボールの位置は大きく変えなくて良い
ボールの位置でインパクトの形を操れることは伝えてきましたが、実際にどのくらいボールの位置を変える必要があるのでしょうか。
アイアンのボールの位置は、体の中心を基準として左側にずらしていきます。
理由は、ハンドファーストを意識してのスイングは最下点が左側(ターゲット方向)になるからです。
もし右に来てしまっている人は、ヘッドが落ちるのが早く、ハンドレイト、フリップになっている可能性があります。
最下点を基準にボールの位置を変えれば、理想とするインパクトの形が取れますが、できればスイングを見直すことをおすすめします。
左にずらすといっても基本的には大きくボールの位置は変わりません。
ショートアイアンであれば、体の中心、もしくはボール半分左側といったところでしょう。
ミドルアイアンになれば、基準からさらにボール半分左側へとずらすようにしましょう。
ボール1個分や2個分など、極端にずらす必要はありません。
ここで、ひとつ疑問が出ると思います。
スイングの最下点が一定と過程した場合、左にずらすほど、ダウンブローにインパクトできなくなるという疑問です。
しかし、どんなに同じスイングをしても、少しずつ左側へずらす必要があります。
その理由は、フェースの返りが遅れるから、体を回転させて打つためフェースがスクエアになるタイミングが左側へずれるからです。
自分のインパクトとボールの位置を把握する
ここまでシンプルに考えるために、アイアンにおけるインパクトの形、ボールの位置について話をしました。
基本的なイメージは、もう問題ないでしょう。
重要なことは、このイメージを自分のスイングと正しくリンクさせることです。
そのためには、自分のスイングの最下点を知る必要があるのですが、人によってスイングが違います。
体の中心を基準に最下点を知ろうとしてもそれは意味がないかもしれません。
最下点の違いが出る原因は大きくふたつあります。
ひとつが、クラブをリリースするタイミングの違いです。
もうひとつが、体の開き具合(インパクトのタイミングでの体の回転量)です。
しっかり腕を振って打つタイプのゴルファーは、体の中心から近いところに最下点が来ます。
それから体の回転を大きく使うゴルファーは、インパクトまでリリースしない人が多いため、基準より左側へ最下点が来ます。
自分のスイングがどちらのタイプなのか、しっかり把握してインパクトのタイミング、ボールを置く位置を正しく把握しましょう。
アイアンで、ドローとフェードを操る
最後に、代表的なふたつの打ち分けについて紹介します。
先に話した、自分のスイングを正しく理解し、ボールの位置がしっかり決まっていればちょっとした工夫で打ち分けすることができます。
アイアンでドローボールを打つ場合、ボールを捕まえる必要があるので、インサイドからのインパクトが必要です。
まずターゲットに対してクローズにスタンスを取ります。
フェースの向きは、ターゲット方向に向けたままスイングをします。
同じスイングができていれば、ボールは勝手につかまり、ドローボールになるのです。
対してフェードボールを打つ場合は、スタンスの向きをオープンへ変えるだけです。
上手くいかない人は、自分にとってもスクエアスイングで、クラブがどのようになっているか把握するようにしてください。
極端にインサイドから来ていないか、逆にアウトサイドから来ていないかで変わります。
極端であってもボールの位置関係を理解すれば、同じスイングで打ち分けはできる可能性はあります。
しかし、スタンス方向やボールの位置が大きく変わりすぎる場合は、スイングそのものを見直したほうが良いかもしれません。
ひとつのスイングを作ればボールは十二分に操れる
アイアンでボールを操るために、どう考え取り組むべきかまとめました。
アイアンでボールを操るためには、いくつものスイングの習得は必要とせず、完成度の高いスイングがひとつあれば十分です。
まずは自分のスイングの完成度を磨いていきましょう。
ボールの位置の微調整だけで七色の放物線を描けるようになるはずです。