ゴルフスイングはドライバー、アイアン、パターすべて、フェースの芯でインパクトをすることが重要です。
特にアイアンの場合は、芯でボールをとらえることで距離やスピンをコントロールできます。
そこでここからはアイアンの芯の位置とその効果、さらに最新モデルの芯についてまとめます。
正確なアイアンショットは芯の位置を知っておくことが大切
インパクトの基本は「ボールを芯でとらえる」ことです。
ゴルフクラブのフェースには、反発力が高い芯と呼ばれる部分があります。
芯でボールをとらえると、インパクトの衝撃を受けることなく、スッと抜けるようにヘッドを走らせることができます。
芯はドライバーからパターまで、すべてのクラブにありますが、その効果はクラブの種類によって違います。
ドライバーは芯でとらえることで、トランポリンの上で弾むようなスプリング効果によって、ボールを遠くに飛ばすことができます。
そしてアイアンは芯でとらえることで、ターゲットまでの正しい飛距離と、ピタッと止めるためのバックスピン量が得られます。
さらにパターはボールとらえた瞬間に3度程度のロフト角によってわずかに浮くため、バックスピンの影響を気にせずライン通りに転がり出すことができます。
こうした芯でボールをとらえることが重要であっても、その位置が違うことを知っておかなければなりません。
アイアンの芯の位置が他のゴルフクラブと違う理由
ゴルフクラブの芯の位置は、大抵のドライバーとネックの短い大型パターはほぼフェースの中心点に近い位置にあります。
トゥ(先端)とヒール(根元)はほぼ対称になっていることから、芯の位置はその中心点にあるのです。
ショートネックのやさしさを売りにしているアイアンも上記と同じような構造になっているものが多いですが、一方昔から主流のアスリートモデルのアイアンはトゥ(先端)側が広い扇形になっているので、芯の位置が中心にはありません。
そうしたアイアンの場合には、中心よりも若干ヒール寄りで、シャフトを装着しているホーゼルの膨らみの少し前にあります。
ゴルフを始めてからしばらく経ってシャンクをしたとき、「上手くなっている証拠」と慰められることがあります。
シャンクしたショックを和らげるための言葉ではありますが、一概に間違っているとも言えません。
シャンクの直接の原因は、インパクトでホーゼルに当たることですから、芯に近い位置でボールをとらえようとした結果とも考えられます。
しかもスイング軌道がインサイドインであるからこそ、シャンクが出ている可能性が高いわけですから、慰めの言葉も真をついているとも考えられます。
アスリートアイアンは芯の位置から5ミリ違うとミスショットになる
アイアンのモデルによって多少の違いはありますが、7番アイアンのスコアラインは約6センチです。
フェースの打面部分だけつや消しになっていて、そこから外側は光沢があるようになっているでしょう。
このつや消しと光沢の境界線はバーチカルラインと呼ばれていて、トゥ側とヒール側でそれぞれを区分しています。
このラインの内側が約6センチに対して、ゴルフボールの直径は約4.2センチです。
バーチカルラインの中心よりも1センチ程度ヒール側でインパクトをすると、ナイスショットでボールを弾くことができます。
しかしながらあと5ミリヒール側に寄ってしまうと、ホーゼルに当たってシャンクするかもしれません。
つまり芯の位置が中心よりもヒール側にあるアイアンの場合は、まさにナイスショットとミスショットの分かれ目は微々たるものなのです。
ましてインサイドインのスイングでは、早いタイミングでボールをとらえると、フェースが開いているのでホーゼルから先に当たる可能性は高くなります。
芯の位置を把握した上でシビアに打ち分けがアイアンには求められる
アイアンの芯の位置がヒール側にあることで、意外に狭い範囲でボールをとらえなくてはいないことが理解できたでしょう。
アイアンはフェース面一杯を使ってボールを打つ道具ではなく、ピンポイントでボールをとらえなくてはいけない道具だということです。
スイング軌道を安定させることで正しいインパクトに導いてくれますが、やっかいなことにアイアンは球筋や距離を調節する道具です。
球筋はドローやフェードなどの曲がりもありますが、高低をつける打ち方まで求められます。
ピンポイントで狙うためにボールを高く打ち上げて、垂直のイメージでグリーンに落としたり、風の影響を最小限にするために低い弾道でスピンをかけて止めたりと、球筋を打ち分けるのは一般的な技法です。
高いボールを打ち出すためには、フェースを開かなくてはいけません。
リーディングエッジをターゲットに向けて、アウトサイドインの軌道でスイングをすればふわりと上がるボールが打てますし、フェースを寝せるくらいに開くとスピンのかかったロブショットを打つこともできます。
フェースを開くときも芯の位置でインパクトする?
アイアンのフェースは開いて打つほど、芯でとらえるのは難しくなります。
普通に芯でとらえるだけでも難しいのに、フェースを開いてスイング軌道を変えると、フェース面のどの位置であってもインパクトをするのが精一杯かもしれません。
このフェースを開いて芯でとらえるアイアンショットは、初心者から上級者まで誰にとっても難易度は高いテクニックです。
もっともミドルアイアンやショートアイアンの場合には、フェースを開くまでもなく広めにスタンスをとって、グリップを短く握れば距離調節はできます。
アイアンの番手間は10ヤード刻みですから、数ヤードの距離調節あれば指1本分グリップを短く握れば達成できるレベルです。
ただグリーン手前の100ヤードからは、距離調節の間隔も大きくなりますし、球筋も多様になります。
そのため様々なロフト角を持ったウェッジを用意しておくと、極端なフェースの開きは必要なくなり、例えロブショットでも芯でボールをとらえやすくなるでしょう。
真芯の位置を気にすることないアイアンが人気
アイアンもドライバー同様に「扱いやすい」タイプの人気が出ています。
従前からある肉厚の薄いマッスルバックタイプのアイアンは、真芯でインパクトをしなければなりませんでしたが、芯の周辺でもスプリング効果が期待できるフルキャビティタイプのアイアンはミスショットをカバーしてくれます。
アイアンは進化を遂げて、ドライバーと同じように、フェース面を大きくとって広い範囲で芯と同じ効果が得られるようになってきています。
こうなると芯を意識することなくインパクトに臨めますし、シャンクの心配もなくなることでしょう。
すでに十分すぎるほどの性能を有していますが、ソール幅を広くすることでダフリも心配ないアイアンショットができるようになります。
しかもソール側に重さを配置し重心位置が低くなったことで、普通にインパクトをしても打ち出すボールは高く上がります。
そうしたアイアンにおいては、すでに芯をとらえるような技量の必要はなくなり、平常心でスイングをすれば正しいインパクトができるようになってきています。
あとは少しの練習によって、その進化したアイアンに慣れることができれば、、ゴルフの基本である芯でとらえるスイングはできるようになるでしょう。
進化したアイアンなら芯の位置にこだわる必要はない!
ゴルフスイングの基本はフェースの芯でインパクトをすることですが、アスリートアイアンの場合は芯の位置にこだわるとミスショットに繋がることがあります。
ただし現在の進化したアイアンであれば、少し練習をするだけで芯でとらえたショットを習得することができるでしょう。