最近のドライバーには、ライ角やロフト角を変えることができる、カチャカチャ機能がついているものがあります。
それまでには不可能だった角度調節ができるようになったことで、その効果は間違いなく期待できるのですが、構えたときに違和感が生じることがネックです。
今回は、そのようなカチャカチャを効果的に使うために違和感をなくす方法を紹介していきます。
カチャカチャが装着されたドライバーの効果と違和感
ドライバーは軟鉄で作られているものはほぼなく、調整期に挟み込むこともできないため、ライ角やロフト角を調整することはまずできません。
そのため、昔から専門のプロクラフトマンがシャフトをわざと斜めに挿し込むことで角度を微調整するしか手段はありませんでした。
プロの場合はメーカーがそれぞれに合ったセッティングで作ってくれますが、一般ゴルファーは購入したドライバーの設定に自分のスイングを合わせるしかなかったわけです。
ところがカスタマイズに注目が集まってくると、自分に合ったクラブの設定が、いかに大事かが広がってきます。
そこで簡易的に自分で調整できるように、接続部分を可変できるスリーブが開発されます。
いわゆるカチャカチャと呼ばれるものの登場により、業者に依頼することなく簡単にライ角やロフト角を変えることができるようになりました。
もちろん効果のほどは、それまでと比べ物にならないほどの使いやすさを感じられるようになりました。
しかし一方では違和感で扱いにくさを感じた人もいたようです。
その扱いにくい理由は、ドライバーのソールにあります。
角度調整ができるドライバーのカチャカチャの由来
カチャカチャのついたドライバーは、ライ角やロフト角を変えることができるため、ドライバーの設定に自分のスイングを併せる必要がなくなります。
つまり安定したスイングができるという効果があるわけです。
ただ、これはインパクトの形を重視したものであって、アドレスでは必ずしもライ角やロフト角が正しく見えるとは限りません。
そこで、まずカチャカチャによる角度調整の基本構造を紹介します。
ヘッドとシャフトが専用ネジで止まっているだけで、それを抜くことが可能です。
そのシャフト先端には専用スリーブがついていて、シャフト軸線から少しだけ傾きがついています。
その傾きを差し込む向きを変えることでヘッドの固定角度が変えられる仕組みです。
カチャカチャと呼ばれるは、ネジ締め作業で鳴る音を表したものです。
専用トルクレンチで回すことで、ヘッドが抜けない規定値まで回すとレンチがカチャと空回りします。
1回では不安で2回鳴らすのが当たり前になったことから、一般的な名称となっていったようです。
メーカーによってシャフト先端スリーブの操作方法は違います。
おそらく特許や実用新案などの法的要素があって統一できなかったのでしょうが、扱うほうとしては戸惑うことがあるかもしれません。
とりあえず、自分に合ったライ角やロフト角に変更して、アドレスの姿勢をとったときの違和感があるはずです。
ドライバーのカチャカチャの2つの効果とソールした違和感
ドライバーのアドレスは2つの方法があります。
1つはティーアップしたボールの後方でヘッドをソールして、フェースをスクエアに合わせる方法です。
ソールした位置はスイングの最下点であり、実際にダウンスイングをしたときは、そこを通過してフェース面が上を向いたところでインパクトをする、アッパーブローのスイング軌道には重要なポイントになります。
もう1つは、ティーアップしたボールの後方で、ヘッドを浮かしてアドレスを取る方法です。
飛距離に重要な手首の可動域を確保するため、手首の緊張をほぐすのにヘッド揺らすワッグルを行うときは、このアドレスを使います。
カチャカチャしたドライバーでアドレスをしたときに、違和感があるのは前者のソールをしたときです。
カチャカチャするとソールの座りが変わってしまうため、ソールをセットしてからグリップを構える人にとっては違和感があるでしょう。
つまり、素直にカチャカチャの恩恵を受けようとするなら、ヘッドを浮かせるアドレスの方法を取ったほうが良いのです。
ドライバーをカチャカチャすると効果を感じる前に迷いが?
ソールに合わせてアドレスすると、今までより上を向いて見えたり左にかぶって見えたりするようになるため違和感が生じます。
しかしながらドライバーを構えたときに手首の緊張をほぐすワッグルをするため、ヘッドが空中に浮かせれば、カチャカチャの効果に対して違和感はなくなるでしょう。
ただしワッグルをボールの真後ろで行うと、スイングの最下点とは違う位置になってしまうかもしれません。
ティーアップよりもおよそ10センチ手前にスイングの最下点を定めて、そこを通過してからアッパーブローでボールをとらえるのがドライバーのインパクトです。
そのためアドレスの時点で、インパクトのアッパーブローのイメージを抱けるかが、カチャカチャのドライバーを扱うカギとなるわけです。
簡単なようですが、ソールをしてからグリップを握るドライバーの場合には、その後に違和感を払しょくする動作が必要になるでしょう。
つまりそうした自分のルーティンを固めていかないと、ドライバーを握る段階で迷いが生じてしまうことになるのです。
カチャカチャの最大効果を得るためにはドライバーのインパクト姿勢が大事
アドレスでのセットはカチャカチャのドライバーを練習しているうちに、徐々に慣れてくるため、スペック変更効果は実感できてくるはずです。
ただしカチャカチャをセットするときに、アドレスでの角度にこだわっても、インパクトで違う角度になり効果が得られないことがあります。
なぜならスイングプレーンの角度が、アドレスとインパクトでは違うからです。
「再現性」からすると、テークバックとダウンスイングは同じスイングプレーンであることが望ましいのですが、実際のスイングはまったく違う軌道になるものです。
そうすると、構えたときのシャフトの角度と、ボールを打つときのシャフトの角度に違いがあるということになります。
一般的には、アドレスのとき首の根元とヘッドを結んだスイングプレーンを基本とし、ダウンスイングではそれよりもフラットなオンプレーンでスイングをします。
つまりインパクトのときのほうが、シャフトは寝ていると考えて間違いないわけです。
したがってライ角をセットするときは、自分のオンプレーンを確認してからカチャカチャするようにしましょう。
ドライバーのオンプレーンを知って効果を得る
ドライバーをカチャカチャしてライ角調整をする場合には、オンプレーンでセットしておくべきです。
カチャカチャしたヘッドは浮かせた状態でワッグルしたほうが良いため、仮にアドレスでライ角が合っていなくても違和感はないはずです。
問題はオンプレーンに合わせるときの、そのオンプレーンの角度が分からないことです。
一般的には首元からヘッドまでのスイングプレーンと、ドライバーをソールして構えたときのシャフトの角度でできるシャフトプレーンの中間が、オンプレーンになると言われています。
飛球線の後方から、自分のアドレスの姿勢を撮影して、プリントアウトしてみてください。
そこに首元からヘッドまで1本の線を引き、グリップからヘッドまでにもう1本の線を引くと、中間となるオンプレーンの角度が分かります。
その中間の角度に合わせてライ角をカチャカチャして合わせると、本来望んでいた効果がもたらされるはずです。
ドライバーのカチャカチャの効果を得るために必要なこと
ドライバーのカチャカチャには、それまでになかったライ角とロフト角の変更できる効果があります。
一方でソールをつけてアドレスするゴルファーは、カチャカチャした角度に合わせて構えるのに苦労するかもしれません。
そのため、違和感を無くすためにもソールを浮かせてワッグルするルーティンを取り入れることをおすすめします。