ゴルフは何打でホールアウトできるかというスポーツですから、全てのクラブに飛距離があればあるほど良いとは限りません。
しかし、ドライバーにしてもアイアンにしても、ある程度の飛距離が得られなければ、スコアメイクできないのも、また事実です。
ここでは、アドレス時における体重配分からアイアンの飛距離アップ、ミート率アップを探ってみましょう。
ゴルフにおけるアドレスの大切さを再認識しよう
皆さんは、ゴルフにおけるアドレスでの体重配分を意識したことがありますか?
アドレスでショットの7割が決まると言われているほど重要です。
基本的に、アドレスの姿勢はインパクトの姿勢につながります。
スイングによるスピードで、インパクト時のクラブはもっと後方にあったりしますが、グリップの位置は、「構えたところに戻す」ことが基本です。
そのために、アドレスの姿勢が間違っていれば、インパクトも間違った姿勢で迎えてしまうことになりかねません。
まずはアドレスでのチェックポイントを見てみましょう。
・ボールの位置
・前傾角度
・スタンス幅/重心の位置(左右・前後)
・グリップ・手の位置
・手首の角度
これ以外にもチェックポイントはありますが、あまり多くのことを考えてしまうと、分からなくなってしまうため、上記の5項目くらいは確実にチェックしましょう。
そして、クラブによっても違ってきますから、クラブが変わったときにドライバーなり、アイアンなり、しっかりとそのアドレスを取れるように訓練しましょう。
アドレス時の両肩のライン、特にアイアンに注意して
前項に挙げたアドレス時のチェックポイントのうち、初心者のうちは重心位置をどうしたら良いか分からなくなったり、バックスイング中に右に乗り過ぎて、インパクト時に戻しきれず、右に体重が残ってしまっている人が多くいます。
その意味では、アドレス時の体重配分が大きなポイントとなります。
まず、体重配分を考えるときに、両肩のラインが地面と平行になっているのが正しいと思っているゴルファーも多いようですが、右打ちの場合、右肩が若干下がっている状態が自然な形です。
これは、グリップの際に右手が下になっていることを考えれば、当然と言えます。
ここで、無理に肩を平行に持ってこようとすると左肩が下がっている状態となり、インパクト時にボールに当てに行く動きが出て突っ込んだり、右肩が下がったりする結果、ドライバーではテンプラ、アイアンではダフリなどのミスショットが起こることになります。
アイアンでは、ハンドファーストに構えるため、更に右肩が下がっている状態になりやすいのですが、それが自然なアドレスであることを理解しましょう。
ドライバーもアイアンも基本は体重配分5:5から始めよう
アドレスを取る場合、まずは背筋をしっかりと伸ばしましょう。
体の面を意識して捻転運動を起こす必要があり、その軸を感じるときに背筋を意識すると捻転運動がしやすくなります。
背筋を伸ばすと自然に下腹部にも力が入るはずです。
その上で上半身はリラックスします。
良く力まずに打つことが重要だと言われますが、下半身は前後左右にぶれないよう安定していることが必要です。
リラックスしていることと、ふにゃふにゃしたスイングは全くの別物です。
このとき、ドライバーやアイアンのフルショットの場合は、まずは体重配分としては5:5でアドレスしましょう。
左足に体重が乗り過ぎていると、上体が左に傾きますし、右も同様です。
まずは、5:5の配分でのアドレスから、自然にクラブをスムーズに振れる感覚を身につけましょう。
その後に、ショットに応じて左足に6、右足に4など変えていき、狙った打球が打てる配分を見つけていくことになります。
体重配分を5:5から、状況に合わせて変えていく
では、どのような状況であれば体重配分を変えるべきなのでしょうか。
体重配分については、左足加重だという人もいれば、右足加重という人もいます。
ゴルフにおいて、精密機器のようにこの角度、この体重配分が完璧だという定義はありません。
その人それぞれで、ミート率が高く、体重を上手くボールに乗せることができれば、どんなスイングでも良いのです。
人間の身体的な構造上再現性を高めるには確率が高い動きのデータが蓄積されたものが、今最も良いとされているスイングと言われているのです。
そして、その感覚は人それぞれですから、ドライバーにしろアイアンにしろ、基本の5:5から自分が描いた放物線を打つことができるアドレスを見つけるべきです。
特に、ドライバーでは飛距離を出すために5:5ではなく、アドレスから左足6右足4とする人が多くいます。
逆に、左足4右足6でアドレスする人もいます。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、次項ではそれを見ていきましょう。
飛距離重視のアドレスとは:体重配分を6対4
ドライバーで左足6右足4の体重配分の場合のメリットとしては、飛距離が伸びることです。
テイクバックの際に右足に体重を乗せていきやすく、インパクトにかけて左足に戻していくことで、より体重をボールに伝えることができます。
振り子のように反動を使い大きなエネルギーに変えられるからです。
デメリットとしては、左右への体重移動が大きくなるため、インパクト時にクラブがブレる可能性が高くなることです。
また右に乗せた体重を戻しきれずに、右足加重のままインパクトを向かえるとあおり打ちになり、ひどい場合はドライバーショットでもダフったり、ティーの下をくぐってテンプラになったりします。
更に、インパクトにかけて左足加重にしていく際、いわゆる「左の壁」が作れず、体が左に流れてしまう人も多く見られます。
左足にしっかりと乗り、クラブの遠心力の影響下でもフラフラしないインパクトを作ることが重要です。
アイアンの場合はクラブの重みも加わり、支える筋力が更に必要になるため、クラブに振り回されるようであれば、5:5のアドレスを取り、大きな体重移動をしないスイングをすべきでしょう。
アイアンのミート率を上げる体重配分を考えよう
次に左足4右足6の体重配分について考えてみましょう。
前項の左足6右足4の体重配分と比較して、テイクバックの際に体重を移動させる動作がほとんどないため、インパクト時にブレることが少なく、ミート率が上がると言えます。
ただ、このスタイルだと体重移動のリズムを取ることが難しく、慌ただしいスイングになってしまったり、右足に加重していく感覚が少ないため、トップの位置を毎回同じところに持っていくのが難しくなったりするかもしれません。
スイングは腕、上半身、下半身がバランス良く動き、スムーズに行うことが理想です。
最初から右足に体重が乗っていると、下半身始動のバックスイングが取り辛く、それでもインパクトにかけては下半身から切り返してくる必要があるため、スイングにばらつきが出てくることも考えられます。
ただ、ドライバーのように飛距離を望むクラブでは体重移動が武器になりますが、アイアンのようにミート率を上げて、狙った飛距離を正確に打ちたい場合は、左足6右足4でも良いかもしれません。
コンパクトなスイングであれば、インパクト時に左足加重になっている理想の形を先に作っておくことも有効な手段です。
特にアプローチに関しては、体重移動をせずに打つことがほとんどですから、必然的にアドレスについても、左足8右足2など、右足はふらつかないように体を支える程度の配分にします。
アドレスを変えれば球筋が変わる!ルーティンを作ろう
冒頭にも書きましたが、ゴルフは飛距離と方向性を兼ね備えた打球を打つことが求められます。
そのためには、ドライバーは飛距離、アイアンは方向性、アプローチは方向性と弾道のイメージまで精度を上げることが必要です。
持つクラブにより正しいアドレスを身につけ、体重配分は5:5を基準とし、自分のスタイル・好みに合わせてイメージ通りの打球が再現できるよう練習しましょう。