ドライバーのヘッドにウエイトを貼る目的は、スライスやフックを防止するのが一般的ですが、条件次第で飛距離アップの効果も見込めます。
スイングの基本がベースにありますが、効果的な位置にウエイトを貼ると飛距離が伸びることを説明します。
ドライバーにウエイトを貼ると飛距離が伸びるらしい!
ドライバーショットがスライスしたりフックしたりと、真っ直ぐに飛んでくれないときには、鉛板のウエイトを使うとスイングを修正しなくても球筋を変えることができますが、このウエイトを使うことで飛距離もアップさせることができます。
そもそもドライバーは軽いほうが飛距離は出せると言われています。
なぜならドライバーが軽ければ、それだけスイングのスピードが速くできるため、インパクトの衝撃力は増すからです。
歴史を振り返ると、ドライバーの軽量化が続いたことでどんどん飛距離が伸びて、コース設定が合わなくなることから、ルール規制で飛ばないようにしているほどです。
もちろん飛びの要因は軽量化だけではなく、ヘッドやシャフトの性能がアップしたことや、長さも伸びたこと、スイングそのものも変わってきたことも関係します。
ただ軽量素材が登場したことで容積の大きなヘッドが作られるようになり、それがヘッドの性能の元になっているわけですから、軽いクラブが飛ぶことは実証されています。
その軽いヘッドにウエイトをつけて重くすることで、さらなる飛距離を引き出すことができる可能性があるのです。
飛距離に影響する3要素
軽量化されたドライバーにウエイトを貼ることは、時代に逆行するようなものですが、実際にウエイトを貼ると飛距離は伸びてきます。
飛距離が伸びるとはいっても、わずか数グラムのウエイトですから、10ヤードも20ヤードもアップするとは考えはしないでしょう。
ところが条件さえ合えば、20ヤードアップも夢ではありません。
まずは飛距離が出るための条件を確認しましょう。
すでに紹介しているように、軽量化されたことでスイングスピードが上がり、それがインパクトで衝撃力となって現れた結果が現在の飛距離が伸びた要因です。
ゴルフスイングではヘッドスピードを速くすること、さらにスイートスポットでインパクトをすること、この2つで打ち出すときの初速が速くなります。
次に打ち出すときの角度です。
一般的にゴルフボールは14~18度くらいがもっとも飛ぶ角度と言われています。
角度に開きがあるのは、初速が速ければ14度、遅ければ18度に近づいていくからです。
そしてボールの浮力であるスピン量です。
ただしスピン量は、飛球中の逆回転がブレーキにもなることから、多くても少なくてもダメで回転数を適量にすることが重要です。
軽くなったドライバーにウエイトを貼って重くすると飛距離が伸びるの?
ドライバーのヘッドにウエイトを貼るときは、飛距離の3要素である初速を高めること、適正な打ち出し角にすること、スピン量を減らすことを狙います。
そこでウエイトの貼る位置を確認しましょう。
ドライバーのスイングスピードは、ウエイトを貼っても速くはなりません。
逆に重くなることで遅くなる可能性があるかもしれませんが、そこまでの量を貼るのは考えにくいためスピードを維持できる範囲内で考えます。
初速のもう1つの要素はスイートスポットでのインパクトです。
ウエイトを貼っても命中率は高くなりませんが、スイング軌道を安定させればスイートスポットでボールをとらえやすくなるはずです。
そのスイング軌道を安定させるためには、フェースの真裏にウエイトを貼ります。
こうすることで慣性モーメントが増してスイング軌道が安定し、さらに重心深度が深くなることで、球筋が安定しないゴルファーでも真っ直ぐに打ち出しやすくなります。
ドライバーの飛距離の3要素を満たす効果的なウエイト
ドライバーの飛距離アップを狙って、打ち出し角をフォローするためにウエイトを貼る場合は、前項で説明しました初速を速くするために貼ったフェースの真裏と同じ箇所にウエイトを貼ればOKです。
その貼り位置はスイング軌道を安定させる効果がありますが、併せて適正な打ち出し角が得られることで、飛距離の2つの要素をクリアしたことになります。
重心が深いとなぜ打ち出し角をフォローできるかというと、遠心力で重心が外へ行こうとすることでその前方にあるフェースに上へ向こうとする力が働くからです。
ここで大事なことは、そもそものスイングによる打ち出す角度です。
ドライバーのヘッドにウエイトを貼っても、アッパーブローのスイングができていなければ効果は微々たるものです。
左足のかかと延長線上にティーをセットし、そのティーの高さはおよそ4センチとします。
普通にスイングをすると、ティーのおよそ10センチ手前でスイングの最下点がやってきます。
空振りを気にせず最下点を通過すると、ヘッドは浮かび上がっていくルートを通ります。
そうしてフェースが上を向いたところで、ボールを下から打つとアッパーブローのスイングができます。
ドライバーのロフト角平均は10度前後でしょうが、必要な打ち出し角は14度以上です。
アッパーブローで補えなかった分を深重心でカバーできれば、スイングに対する障壁も低くなるでしょう。
次に第3の要素であるバックスピン量を考えます。
ドライバーのヘッドにウエイトを貼って飛距離が伸びる理由
ドライバーのバックフェースにウエイトを貼ると、直進性が増してつかまりの良いインパクトができ、打ち出し角をカバーしてボールを打ち出せます。
すると飛距離の3要素のうちの2つは、これでクリアできたわけです。
あとはスピン量を適量に収めることができれば、確実に飛距離は伸ばすことができます。
ここで問題があるのは、スピン量を抑制するためにウエイトを貼る位置が、クリアした2つの効力を消してしまう位置だということです。
スピン量を抑制するためには重心深度を浅くして、いわゆる球離れを良くすることです。
重心深度が深いとつかまりが良いと言われていますが、それはスピン量を増幅させることに繋がります。
もしもインパクトでボールとの接触時間が少なければ、フェース面を転がって上がる前に、ポンと前方に打ち出されるはずです。
このわずかな時間がスピン量に影響を与えているため、できるかぎり3つの要素をクリアできるよう考えて飛距離を伸ばすようにしなくてはなりません。
ドライバーのヘッドにウエイトを貼っても飛距離は伸びない?
ドライバーのバックスピン量を抑制するためには、フェース面に近いソール部分にウエイトを貼ります。
これで重心深度が浅くなり、バックスピンの回転数を抑制することができます。
重心深度が浅いクラブは、マッスルバックアイアンのような厚みのないタイプのように、フェース直下にウエイトを貼ることで、擬似的に重心をフェース側に寄せたわけです。
これはウエイトを使ったコントロールの仕方なのですが、1つの効果は達成されても、他の効果を帳消しにしては意味がありません。
そのためスピン量は自分のスイング技術でカバーをすることができれば、初速と打ち出し角はウエイトを貼って補強できます。
スピン量を減らす打ち方は、ロフト角の少ないドライバーでアッパーブローのスイングをすること。
またはフェースセンターではなく、少し上側、且つトゥ側に数ミリ打点をズラすことです。
どちらかできれば、フェースの真裏にウエイトは貼るだけで飛距離は伸ばせることになります。
ドライバーのヘッドにウエイトを貼って飛距離を伸ばす!
ドライバーのヘッドにウエイトを貼ると、飛距離アップにつなげることができます。
重くして衝撃力をアップさせるのではなく、飛距離の3要素を満たすことで飛距離アップを狙うのです。
ただしスピン量の抑制だけ他の2つの要素と逆の発想のため技量でカバーすることができれば、フェースの真裏にウエイトを貼るだけで飛距離を伸ばすことができるでしょう。