ここのところ、パターのシャフトの中で黒色タイプに注目が集まっているのをご存知ですか。
実は数年前から、たびたび黒色シャフトは注目されていたのですが、そうして注目されるのには2つの理由があるようです。
今回は人気の黒いシャフトのパターについて話をしていきます。
人気のある黒色シャフトパターの意味とは?
数年前からパターの黒いシャフトが、たびたび話題となっています。
すでにドライバーのシャフトにはカラフルな色が用いられているためシャフトの色自体に驚きはありませんが、その材質に興味が持たれているようです。
黒いシャフトの正体がカーボンシャフトではないかと推測されたことが、その話題の原因なのです。
すでにカーボンシャフトが開発されて、一般的なシャフトとして認知されてから30年以上が経っています。
そのためいまさらカーボンシャフトを使ったとしても、驚くべきことではないでしょう。
しかしながらカーボンシャフトを知る人にとっては、パターに装着されたことが驚きだったわけです。
一般的にはカーボンシャフトと呼んでいますが、中身は炭素繊維を主たる材質にしながらも、編みこむことでかなり複雑に作られているようです。
そのお陰で軽くて粘りのあるシャフトが出来上がり、飛距離アップには欠かせないパーツと認知されています。
ところが飛距離に関係のないパターに、その炭素繊維のシャフトが付けられたのですから、装着した真意を知りたいと思うのは当然のことかもしれません。
黒色のカーボンシャフトのパターは「飛ぶ」らしい
カーボンシャフトをパターに装着すると、最後のひと転がりがあると言われています。
これは感覚的なものですから、使用者の中での感想でしかありませんが、それを納得させたのが元賞金王です。
数年前、お気に入りのパターヘッドにカーボンシャフトを挿して使用したことがあります。
当時そのプロは「飛ばないパター」と言われるほど、カップの手前でショートしていたようです。
そこで心機一転とばかりに、飛ぶシャフトを装着したわけです。
半ばこじつけ感はありましたが、実際に使用するといつもは手前でストップするはずのカップの淵から、コロンと落ちるようになったのです。
本人曰く「打ち出しはスチールシャフトと変わらないけれど、回転が良く止まる寸前までスピードが落ちない」と少し不思議な表現で良さをアピールしていました。
結果的にそのプロの黒色パターは、活躍と共に転がりの良いシャフトとして認知されたわけです。
その後も有名選手が、時折カーボンシャフトのパターを使用したことから、バリエーションのひとつとしてカーボンシャフトが加えられるようになります。
カーボンシャフトだから黒色パターというのは思い込み?
パターのシャフトに求めることは、「しなり」や「ねじれ」を発生させずに、アドレスのときのセットと同じ状態でインパクトを迎えることです。
そのためには多少重たく作ることによって、パターの基本である振り子の動きができるようになります。
パッティングでは強いスイングをすることはなく、粘りのあるカーボン製の黒いシャフトは必要ないはずです。
そもそも軽いシャフトは安定感に欠けることから、多くのゴルファーは敬遠しているようです。
そうにもかかわらずカーボンシャフトを装着するのには、それなりの理由があります。
まずは転がりの良さですが、その理由を超えているのがスチールよりも繊細に好み通りのパターに仕上がることです。
カーボンシャフトは炭素繊維が主たる素材ですが、ガラス粒子を巻きつけることで、スチールシャフトと変わらない重量感を作れるようになっています。
その製法であれば、ミリグラム単位で重量を変えられますし、鉛板を使わなくても好みのバランスを作ることもできるのは、かなりの強みではないでしょうか。
有名パターの黒色シャフトはスチール製?
パターのシャフトが黒色であることが、必ずしもカーボンシャフトに結びつくわけではありません。
「炭素繊維=黒色」という単純なイメージが、黒色のシャフトを見てカーボンシャフトだと思い込んだのかもしれません。
近年で噂となった黒色シャフトのパターといえば、オデッセイの人気パター「オー・ワークス」(O-WORKS)のブラックタイプがあります。
ヘッドもシャフトも黒で統一されていて、同種のレッドタイプとの姉妹品となっています。
オー・ワークスのシャフトはスチールです。
スチールシャフトに黒色の塗装をしたことで、統一したブラックモデルを強調させたのだと思われます。
ちなみに姉妹品のレッドモデルのシャフトもスチールですが、色はメッキ色のシルバーです。
すでに抜群の転がりで人気を博しているパターモデルですから、性能のための黒色シャフトではなく、ルックスを高めるためのカラーリングとして理解しても良いかもしれません。
スチールシャフトの黒色パターはピンキリらしい
黒色のシャフトのパターを見て「なんだスチールか」と思うようなら、ゴルフアイテムについて敏感なゴルファーかもしれません。
しかしながら「スチールシャフトと侮るなかれ!」です。
スチールシャフトにも黒色タイプはありますが、いわゆる廉価版のシャフトは仕上げに黒の塗装が施されているものがあります。
塗装ですから、使用していくうちに剥がれてきて見た目も悪くなっていきます。
一方で最高級品は珍しい黒色メッキで、こちらはシャフトの表面だけではなく、シャフトの内側にもメッキ加工が施されて、防錆や振動の抑止にも繋がるものがあります。
黒色のシャフトがファッション性の観点で注目を集めるようになったのは、ウレタングリップが広がり、白やカラフルなグリップを使うようになってからではないでしょうか。
黒いシャフトに白いグリップは、コントラストが映えて精悍なイメージが沸いてきそうです。
また黒いシャフトにすることで黒子に徹し、ヘッドを際立たせることでストロークイメージを強くするという考えもあるのでしょう。
元々パッティングはイメージが大事ですから、入りそうと思わせてくれるカラーリングはマイナスになることはないはずです。
パターのシャフトが黒色で人気となった理由を分析
パターのシャフトで黒色が人気となったのには、2つの要素があったようです。
1つ目は、グリーンが高速化したことから、打ち切れずにショートするようになり、カーボンシャフトを採用したことです。
カーボンシャフトによって、わずか半転がりの伸びがあると考えられるようになり、高速グリーンに接する機会の多い、プロや上級者からの支持があったようです。
2つ目は、ファッション性を追求した結果、白色のグリップに黒色のシャフトというモノトーンに惹かれたことが要因だったようです。
また収縮色である黒によってシャフトを細く短く見せ、ヘッドの価値を高めたのです。
結果的にヘッドの動きに集中しやすくなって、強く打てるようになり効果が出てきたようです。
性能を背景とした黒いカーボンシャフトのパターと、デザイン性と存在感をなくすために黒いスチールシャフトにしたわけですが、どちらも「入る」と実感していることは間違いなさそうです。
パターのシャフトが黒色のときは「入る」らしい
パターのシャフトが黒色のものを見かけたら、その色がデザイン性で選んだものなのか、性能を追求した結果なのかを知りたいものです。
単純に見た目重視はスチール製で、性能重視はカーボン製となりそうですが、どちらも「入る」ことについては同じ効果を持っているようです。