クラブ選びの中でも、シャフトの選び方はアマチュアにとっては難しいものです。
それを簡単にしてくれるのが、硬さを表すフレックス表記です。
しかし、そのフレックス表記は一定ではなく、実際には異なります。
そこで注目されているのが振動数です。
シャフトには色々な硬さがある
ドライバーやアイアンを選ぶときに、シャフトの硬さは気になるものです。
自分に合った硬さのシャフトを選ばないと上達しないとか、ショットの精度が上がらないとか色々考えられるからです。
それでは、シャフトの硬さとは一体何かご存じでしょうか。
実は、シャフトには様々な硬さが存在しています。
●フレックス
シャフトのしなり具合を表します。
SやRで硬さを表現していますが、実は表記に統一性がありません。
そのため、A社のSシャフトとB社のXシャフトが実は同じ硬さということもあります。
そこで注目されているのが振動数です。
後程説明しますが、振動数は共通の物差しで測れるので比較しやすいです。
●キックポイント
どこが一番しなるのか、硬さのバランスを教えてくれます。
先調子、中調子、元調子があります。
●トルク
シャフトはしなるだけでなく、捻じれる動きをします。
その捻じれの量を表したのがトルクです。
表記が小さいほど硬く、大きいほど軟らかくなります。
振動数を使ったシャフトの硬さの見極め方
基本的に、シャフトの硬さはフレックスを使って表します。
しかし、スチールシャフトとカーボンシャフトでは同じS表記でも硬さは異なります。
また表記の統一がされていないため、カーボン同士、スチール同士でも異なるのです。
そこで、正確に硬さを見極めるために使うのが振動数と呼ばれる数値です。
振動数とは、クラブの反復運動の回数を表しています。
グリップ側を固定した状態で、クラブヘッドが1分間にどれだけ反復するか測ります。
シャフトが軟らかいと大きくゆっくり反復運動をするため振動数が少なくなります。
一方シャフトが硬いと小さく速く反復運動をするため振動数が多くなります。
よって、『振動数が多い=硬い』、『振動数が少ない=軟らかい』となります。
それでは、振動数が分かれば、シャフトの硬さの比較が完全にできるのでしょうか。
振動数はグリップ、つまり手元を固定して振れを測るため、分かるのは一定方向へのしなりやすさだけです。
そのためさらに硬さを見極めるために必要なのが、先に紹介したフレックス以外の硬さとの関係になります。
振動数とキックポイントの関係性
まずは振動数とキックポイントの関係性によってシャフトの硬さはどうなるのか説明していきます。
キックポイントには、先調子、中調子、元調子とあります。
文字からも、しなりやすい場所が先端寄り、中心、手元寄りということは想像つくと思います。
このキックポイントによって、シャフトの硬さの感じ方が変わります。
例えば同じ振動数だった場合、先調子は軟らかく感じ、元調子が硬く感じます。
シャフトの力に頼りたいゴルファーは先調子、自分のタイミングで打ちたいゴルファーは元調子を選ぶと良いでしょう。
キックポイントが異なっても、なるべく同じ硬さのシャフトを作る場合は、元調子のものは振動数を抑え、感じる硬さを揃えます。
つまり同じ硬さが良いけれど、キックポイントだけ変えたい場合は次のようになります。
・先調子→元調子:従来よりも振動数が少ないシャフト
・元調子→先調子:従来よりも振動数が多いシャフト
硬さを変えたくない場合は、この関係に注意しましょう。
トルクでシャフトの硬さは変わるのか
振動数とキックポイントの関係でシャフトの硬さが変わることを前項で説明しました。
もうひとつ、シャフトには重要な硬さがあります。
それはトルクです。
トルクは、ヘッドの返りに関係してきます。
ヘッドが返りやすいほど、ボールが捕まりやすくなります。
トルクはシャフトの捻れる硬さを表していますが、トルクが違うとどのように変わるのでしょうか。
トルクが大きいとシャフトが捻れやすくなります。
つまり、小さな力でも捻れてボールが捕まえられます。
逆に大きな力を加えると、ヘッドが返り過ぎるため、フックや左へ引っ掛ける原因になります。
トルクを利用する力は、ヘッドスピードが大きく関係します。
トルクに対して、ヘッドスピードが速すぎると捻れすぎてしまうわけです。
逆に遅すぎると捻れを使えず、ボールが捕まりません。
例えば、同じ振動数、キックポイントのシャフトがあったとします。
実際に振ってみて、軟らかく感じるようであれば、トルクが合っていないのかもしれません。
特にシャフトが長くなるほどトルクの影響は大きくなります。
ドライバーのシャフト選びはトルクも慎重に選びましょう。
シャフトの硬さでボールの曲がりが変わる
振動数を基に、シャフトの硬さを選ぶポイントを記載しました。
そのシャフトの硬さはヘッドスピードによって適正がありますが、ピンポイントに決まっているわけではありません。
各ゴルファーのスイングタイプやテンポによって適正なシャフトの硬さには幅があります。
微妙な硬さの違いは自分の感覚や好みによって異なります。
それでは、硬めのものと軟らかめのシャフトを選ぶので、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
●硬めのシャフト
・硬めのほうが自分のタイミングをヘッドに伝えやすい
・アイアンの場合、番手によるタイミングの誤差が少ない
・ボールが曲がりにくくなる
・疲れてくると、ボールに力が伝わらず飛距離が落ちる
●軟らかめのシャフト
・無理をしなくても、少ない力でシャフトを利用して打てる
・しなり戻りの力で、ボールが上がりやすい
・硬めのシャフトに比べて疲れにくい
・ボールが曲がりやすくなる
それぞれ、メリットとデメリットがあります。
アマチュアは、ラウンド通して同じスイングをするのは難しいため、体力やパワーに自信がない人は、気持ち軟らかいシャフトのほうが楽にゴルフができるでしょう。
シャフトの振動数を測れるお店で選ぼう
色々とシャフトに関する情報を知ったところで、リシャフトしたいと思ったゴルファーもいるかもしれません。
ゴルフにおいて、自分に適した硬さのシャフトを使うことは上達への近道になるからです。
しかし特別な伝手がない限り、専門的にシャフト選びができません。
なんとなく、ネットで買ってみたは良いものの、やっぱり合わないなんて嫌なことです。
ゴルフの道具は高価ですから、できる限り確実に自分に合ったものに巡り会いたいものです。
それでは、どこでシャフトを探したら良いのでしょうか。
ゴルフショップは、大手から個人店までたくさんあります。
有名なお店だから絶対に安心ということはありません。
ときには、一般的な知識だけで言葉巧みに案内するところもあります。
一方振動数が測れたりするお店は、シャフトに詳しい担当者がいるところが多いです。
そのため振動数を測れるお店、かつクラブフィッティングの担当がいるお店を選んでみてはどうでしょうか。
自分が安心してシャフト選びを任せられる担当者がいるお店を探しましょう。
シャフト選びの知識がつけばスイングが上達する
今回は振動数を軸にシャフト選びについてまとめました。
シャフトに詳しくなり、特徴を掴むことでクラブの使い方が見えてきます。
ゴルフはいかに自分に合ったクラブに仕事をさせるかが大切です。
上達へ向けて道具に対する知識を増やしていきましょう。