ドライバーの方向性が安定しないときは、スイングフォームに問題があるのかもしれません。
ダウンスイングだけではなく、アドレスやテイクバックの再チェックが必要ですし、フェイスの向きにとらわれるとスイングの乱れに繋がるようです。
ドライバーを改善するためのテイクバックについてお話しします。
ドライバーのフェイスはテイクバックの体重移動で乱れる?
ドライバーの方向性が安定しないときは、体重の位置を見直してみましょう。
練習をしていると徐々にハンドファースト気味に構えるようになり、アドレスでの姿勢が左側に傾いていくことがあります。
ドライバーはアッパーブローでインパクトをするのが基本ですから、体重が左側に寄ってしまうと正しい打ち出し角になりません。
フェイスの斜度を表すロフト角は、ドライバーの場合11度前後ですが、必要とされる打ち出し角は14度以上です。
この足りない角度を補うのが、アッパーブローでのインパクトです。
アッパーブローでインパクトをするためには、スイングの最下点がティーアップしたボールよりも手前に来るようにしなければなりません。
最下点を通過したヘッドがフィニッシュに向けて浮き上がる途中でボールをとらえるのがアッパーブローのスイングです。
そのためにはテイクバックからトップまでに体重を右側に移動させて、インパクトではスイングの最下点よりも右側に体重を残していなければなりません。
フェイスで擦るのはドライバーのテイクバックに理由がある
ゴルフスイングの指導書では、ドライバーのアドレスは左右の体重配分を6対4で推奨しているようですが、そこに球筋の不安定材料があるのかもしれません。
そもそもアッパーブローでインパクトをするということは、グリップがハンドレイトでなければいけません。
ハンドレイトとは、グリップがボールよりも右側にある状態であり、インパクトではヘッドが先行することになります。
体の中央にグリップを残したまま、ドライバーのヘッドでボールをとらえるのが、ザックリとしたアッパーブローのイメージです。
ヘッドの動きは、振り子の動きをイメージすると分かりやすいかもしれません。
軸(体重)の移動を中央で止めて腕を振ると、ヘッドは振り子のように動くので、アッパーブローのスイングになります。
ところがアドレスで体重を6対4にして、そのまま維持してテイクバックするか、もしくはインパクトで再現してしまうと、」「ロフト角=打ち出し角」になってしまい、フェイスでボールを擦るインパクトになる可能性が高くなります。
テイクバックを工夫してドライバーのフェイスを整える
ドライバーをアドレスするときは、体重を左右均等にしたほうがアッパーブローをイメージしやすくなります。
アッパーブローは、その名の通りボールを下から打ち上げます。
どうしてもフェイスがボールの側面を叩いてしまうようなら、きちんとしたスイング軌道を体に覚えこませるのが最良の方法です。
まずスタンスは両足を揃えてつま先を広げます。
これで体重移動はなくなるので、あとはスイングの最下点とインパクトするボールとの間隔をつかむだけです。
まず汗がにじむほど素振りを繰り返して、スイングの最下点を一定にしてください。
次にスイングの最下点よりも左側にティーアップし、最下点を通過してからインパクトする感覚を身につけます。
最初は振り幅を小さくして徐々に大きくしますが、最終的にはスタンスを肩幅にしてアッパーブローのスイングを練習します。
これでスイング軌道とインパクトのタイミングは習得できますが、打ち出すボールはスライスしてしまうかもしれません。
その場合テイクバックを少し工夫することで、そのスライスを止めることができます。
テイクバックではドライバーのフェイスは真っ直ぐに引けない
スクエアフェイスでインパクトするために、テイクバックでドライバーのヘッドを真っ直ぐ引こうとしていませんか?
アドレスに入る前に狙いを定めて、そのターゲットとボールを結ぶ飛球線に対してフェイスを垂直にセットするとスクエアフェイスです。
そのアドレスで作ったフェイスの向きをインパクトでも同じ向きにすることが、ゴルフで重要視する再現性です。
再現性を少しでも高めようと、フェイスの向きを変えずに飛球線の後方にテイクバックすることがあります。
ヘッドを真っ直ぐ引くと、同じ軌道で戻せると考えた結果だと思われますが、残念ながら逆効果になってしまう可能性が高いです。
スイングの基本は回転軸を中心とした円の軌道を描くことだからです。
テイクバックでヘッドを真っ直ぐに引くと、その丸い円から外れていくわけですから、テイクバックとダウンスイングはまったく違う軌道でヘッドを動かしていることになります。
真っ直ぐ引くと再現性が高まると考えたのでしょうが、軌道円から外れたことで、スイングアークを乱していることに気が付かないといけません。
フェイスを意識したテイクバックで軸が曲がる
ドライバーのアドレスでフェイスをスクエアにセットすることと、テイクバックでヘッドを真っ直ぐに引くことは違います。
本来であればアドレスでセットしたヘッドは、テイクバックと同時にインサイドに引きます。
真っ直ぐに引いているように見えるとしたら、センターにあった回転軸が右サイドに移動したからであって、左肘を伸ばしてグリップを右側に押したためではありません。
テイクバックでヘッドを浮かせずに右側に移動させると、グリップの高さを維持するために左肩を沈めることになります。
この動作が左肩の回転と勘違いしてしまい、回転軸が左側に湾曲していることに気が付かなくなってしまうのです。
回転軸を中心にスイングするのに、その回転軸が湾曲していたら正しいスイング軌道にはなるわけありません。
背筋を伸ばして胸を張り、軸を意識した姿勢でアドレスし、腕を動かす前にアーリーコックにすれば、無理矢理ヘッドを真っ直ぐに引くことはなくなります。
テイクバックではドライバーのフェイスの開閉を意識する
テイクバックでドライバーのヘッドを真っ直ぐに引く癖がついてしまったときは、アーリーコックで直すことができます。
まずアドレスでは背筋を伸ばして胸を張った姿勢をとり、ドライバーはスクエアフェイスでセットするのは変わりありません。
そこからグリップの位置は動かさずに、飛球線に対してグリップを握る左手の甲が平行になるように90度回転させます。
そのままヘッドを上げてシャフトが地面と平行になると、左腕に対して左手親指は直角になっているはずです。
この左手首の角度をコックと呼び、先にコックを作ることからアーリーコックと呼ばれています。
テイクバックをする前にヘッドが浮いていますから、物理的に飛球線の後方に引くことはできません。
しかもアーリーコックにすると、テイクバックで簡単に右肩を引くことができるので、ダウンスイングのときの回転軸を意識した円の軌道と同じスイングアークになります。
スクエアフェイスでインパクトをするときは、インパクトを境にしてフェイスの開閉を意識して、決してヘッドが円軌道の外に出ないように心がけましょう。
ドライバーのテイクバックではフェイスの向きを意識しない
ドライバーの方向性が安定しないのは、テイクバックでヘッドを真っ直ぐに引こうとするからです。
アドレスのときのフェイスの向きを変えないようにするほど、回転軸は歪みスイング軌道の乱れを呼び込みます。
そのような状況に陥ったときは、アーリーコックで対処すれば悪癖は改善できるはずです。