ドライバーの飛距離アップを狙うには、ドロー打ちを覚えてみるのが良いかもしれません。
ゴルフクラブの構造を理解し正しいスイングができれば、少しの練習でドロー打ちが習得できます。
今回は、2つのドロー打ちの効果と打ち方を紹介します。
意識的にクラブを操ってドライバーのドロー打ちをする
ドライバーの飛距離をアップしたいときには、ドローボールを狙ってみませんか。
飛距離が伸びると言われるドローボールですが、いまひとつ打ち方が分からずに使わずじまいのゴルファーが多いようです。
コツさえつかめば意外と簡単にドローを打つことはできますが、覚え方を間違えると悪癖にしかならないので注意が必要です。
まずは飛距離が伸びるドローボールについて確認しましょう。
基本的にドローボールはサイドスピンがかかっています。
ストレートボールは、フェースの斜度、いわゆるロフト角によってバックスピンがかかり、飛んでいるボールにはブレーキがかかります。
アマチュアの場合1秒間におよそ3500回転のバックスピンがかかっていると言われますが、それを2500回転以下に落とすことができれば、簡単に最長距離につなげることができます。
そのためにはバックスピンを減らさなければなりませんが、その簡単な方法がゴルフクラブを操って意識的にサイドスピンをかけるドローボールなのです。
ボールが左回転しながら飛ぶため、バックスピンが抑えられて飛距離アップに繋がるのです。
他のクラブで打てるドローがドライバーでは難しい理由
ドライバーでドローが打てたら、仮に空中を飛んでいる距離がストレートボールと同じであっても、着弾してからの転がりが長くなるため、グリーンに近づけることができます。
飛距離が同じでもランは伸びるように、100パーセントの横回転ではなく、斜め回転になるようなドローボールを打つようにします。
それでは実際の打ち方に入るわけですが、その前に「通常のゴルフスイング」について再確認します。
近年のスイングフォームは、背骨を回転軸として円のスイングをイメージします。
普通のゴルフクラブであれば、この円のスイング軌道でインパクトができるわけですが、飛距離を狙うドライバーは回転軸を右から左へとスライドさせることもしなければなりません。
いわゆる体重移動を使って飛距離アップを狙うのですが、このとき回転軸が動くことで、丸い円ではなく楕円になります。
ターゲットに向けてヘッドの横への動きが長くなることを理解した上で、ドローボールの打ち方を確認しましょう。
飛球線を右に定めるドライバーでのドロー打ち
ドライバーでドローボールを打つためには、インパクトでボールに左回転がかかるようにしなければなりません。
ゴルフクラブでボールに左回転をかける打ち方は2つあります。
1つ目はアドレスの時点でフックフェースにして、その状態でインパクトすることです。
それだけでボールに左回転がかかります。
ただしそのまま打ち出すと、ターゲットに向かって飛び出したボールは、左側にフェードアウトしてしまうはずです。
そこでクローズドスタンスにして、あらかじめ打ち出す方向をターゲットよりも右側に定めて、ドローボールで戻ってくるようにするわけです。
具体的には、本来のターゲットよりも右側に仮想のターゲットを置いて、その仮想のターゲットとボールを結ぶ線を飛球線としてスイングします。
ただしフェース面だけは本来のターゲットに対してスクエアにすることで、ボールに左回転がかかりセンターに戻るドローボールになるのです。
この流れがドロー打ちとも称される、代表的なクローズドスタンスの打ち方です。
確かにドロー打ちにはなりますが、横回転が強くなりやすいため、転がりを重視する斜め回転は難しいと言えます。
2つ目のドロー打ちはどのゴルフクラブでも難しい
ドライバーのドロー打ちには2つの方法があり、1つのクローズドスタンスによる横回転の打ち方を紹介しました。。
この打ち方であればドライバー以外のゴルフクラブでも簡単にドローボールを打つことができます。
対して2つ目のドローボールを打つ方法は、少しだけ難しくなります。
この打ち方を理解するためには、「通常のゴルフスイング」を思い返してみてください。
通常は背骨を回転軸として円の軌道でスイングをします。
そうする、インパクトの直前までフェース面はターゲットよりも右を向くように開いていて、インパクトでターゲットラインに対して垂直になり、インパクト後すぐにターゲットより左を向くように閉じることになります。
それではドライバーの場合を想定しましょう。
ドライバーのボールは、左足内側のくるぶしの延長線上でティーアップしています。
スイングの最下点でフェース面は垂直ですが、ボールが左側にあるということは、フェースが閉じた状態で当たることがイメージできるでしょう。
ただこのままではスライスするか、左方向に引っ張ってしまうことになります。
クラブヘッドの動きを理解したドローの打ち方
ドライバーでドローボールを打つためには、フォロースルーを長めに取ります。
回転軸を中心とした円のスイングで、ヘッドがスイングの最下点まで到達したとき、フェース面はスクエアです。
このままインサイドのフォロースルーを取ると、ストレートボールになるわけですが、フォロースルーをターゲットに向けると、フェース面は左を向きます。
インパクト後の動作ですから、すでにボールは打ち出されていることから、本来は影響を受けることはないはずです。
しかしながらトップからインパクトまでの時間は0.3秒しかなく、インパクト後の動作をアドレスの時点でイメージすると、体はインパクトの前にフォロースルーの準備をしてしまうものです。
飛球線に対してストレートに進むクラブヘッドが、左側を向いたフェースでインパクトをすれば、ボールには左回転がかかります。
しかもフォロースルーを長めに取っただけであれば、極端なフックフェースにはなっていません。
このときのフェースの角度は、プラス2度程度と言われています。
他のクラブと違うドライバーのドロー打ちで注意すべき点
先ほど説明したドライバーのフォロースルーを長めに取るドロー打ちですが、タイミングを合わせるのが難しそうです。
ただドライバーは他のクラブと違い、回転軸を右から左にスライドさせるため、右肘を伸ばして右手首がフラットになるようにすれば簡単にボールをとらえることができます。
いわゆるアームローテーションを行うことで右手が返ると、わずかにシャットフェースになります。
このフェースの向きによって斜め回転のドローボールを打つことができ、着弾後の転がりが良くなるのです。
ただしダウンスイングでの軸移動が大きいと、ボールの位置と回転軸が同一線上になるので打ち出し角が足りなくなりますし、インパクトしたボールが「ド」フックになる可能性があります。
またコックのリリースのタイミングが遅ければ、ドローにならずに右側にプッシュアウトするので、ある程度の練習量の裏打ちが必要な打ち方でもあります。
今回紹介した2つの打ち方の違いは、クローズドスタンスのドロー打ちはスライス防止に役立ちますし、フォロースルーを長く取る打ち方は飛距離アップを期待できることです。
他のクラブのスイングと違うとドライバー特有のドロー打ち
ヘッドスピードが変えずにドライバーの飛距離を伸ばすためには、ドロー打ちを覚えるのが簡単です。
他のゴルフクラブのスイングとは違い、ドライバー特有の軸移動を伴った楕円のスイングを利用して、フォロースルーを長めに取ることで飛距離が伸びるドローボールを打つことができます。
読むだけではイメージすることは難しいでしょうから、素振りからスイング作りを進めてみてください。