ドライバーがスライスするときは、トップの位置のフェースの向きをチェックすると原因が一目瞭然かもしれません。
トップでフェースが開いてしまうと、ほとんどインパクトでフェースの開きを修正できません。
今回はトップの位置のフェースの向きと、フェースを修正できる方法を紹介します。
ドライバーの調子はトップでのフェースの向きで判断できる
ドライバーのティーショットは、わずかにフェースの向きがズレただけで、セカンドショットの位置は想定と違ってしまうものです。
ドライバーの飛距離が220ヤードであれば、フェースがわずか3度開いただけで、真っ直ぐに飛んだとしても10ヤード右側がセカンド地点になる計算です。
フェースの角度が3度というのは、パターのロフト角と同程度です。
そうした少しのズレでも飛距離があれば大きなミスに繋がるので、「長いクラブ」ほど確実なスイングが必要になると言えます。
アドレスでフェースがターゲットに面していたら、テークバックからインパクトまでの間にフェースの向きが変わる原因があります。
多くのケースではグリップの握り方やグリップを構えた位置、つまりアドレスの時点でインパクトのフェースの向きに影響を与えています。
ただ第三者がチェックしてくれれば、その欠点を見つけてくれやすいのですが、スイングしている当人が見つけるとしたら、トップの位置でのフェースの向きで判断するしかなさそうです。
トップまで引き上げたときのドライバーのフェースの向きとは
ドライバーをトップの位置まで引き上げたときフェースの向きが「開いている」と、インパクトでもフェースが開いてしまいます。
まずはトップの位置でフェースの向きについて確認しましょう。
トップの位置でのフェースの向きは3つあります。
基本のスクエアフェースとフェースが閉じているクローズドフェース、そしてフェースが開いているオープンフェースです。
トップの位置でのスクエアフェースは、フェース面がやや上を向いています。
癖のないスイングであれば正しいインパクトができることから、女子プロの多くはこの少し上を向く、スクエアフェースにしているようです。
そしてトップの位置でのクローズドフェースは、フェース面が天を向いています。
スイングスピードが速いとヘッドが遅れてフェースが開くため、男子プロの多くはこのフェース面が上を向くクローズドフェースにしているようです。
3つ目のオープンフェースは、飛球線に対してフェースが平行な状態で、シャフトも同様に平行になっていることが多いようです。
トップでドライバーのフェースの向きが開いているとしたら
トップでドライバーのフェースの向きが開いているとしたら、これをスイング中にスクエアに戻すことはできません。
そもそもアドレスの時点ではスクエアフェースで構えていたはずがg、トップの位置でオープンフェースになっているとしたら、左手首が甲側に折れていることが考えられます。
いわゆるオーバースイングになっていて、左手首が甲側に折れています。
多くの場合には、「打つぞ!」「飛ばすぞ!」と強い思いでドライバーを構えたことによって、テークバックのリズムが早くなっていると考えられます。
もしかするとシャフトがしなり、ブンっと音が出ているかもしれません。
勢い良く振り上げたことで、トップの位置でドライバーの重さを支えることができずに手首が甲側に折れてしまっているでしょう。
シャフトが地面と平行になったことで、フェースも飛球線に対して平行になっています。
オーバースイングの状態からダウンスイングを開始すると、グリップがインパクトの位置まで達したとき、グリップエンドが左側を向いているはずです。
アーリーコックによってトップでのフェースの向きを直せる
トップでフェースの向きが飛球線に対して平行になっていると、ドライバーのフェースは開いたままインパクトを迎えます。
ダウンスイングが開始されると、もう修正は間に合いませんから、その前にフェースの開きを矯正しなければなりません。
最初はオーバースイングの原因となっている、テークバックのスピードを落とすことです。
ゆったりとしたスイングを心がければ、少し時間はかかりますが、リズムは徐々に矯正されていきます。
それでもオーバースイングの癖が抜けないようなら、左手のグローブを留めているマジックテープの下にウッドティーを差し込んでみてください。
ティーが手首にかかるくらいにセットしておけば、甲側に折れようとしてもストッパーの役目をして強制的に曲がらないようにしてくれます。
これでも直らないようであれば、テークバックを開始する前に左手の甲を飛球線に向けてヘッドを持ち上げてみてください。
アーリーコックにしてしまえば、手首の形ができているので、甲側に折れる心配はありません。
トップでドライバーのフェースの向きが前を向く
トップの位置で左手首を修正しても、フェースの向きが開くようであれば、右肘が浮いている可能性を疑います。
ドライバーのスイングフォームでは良く見かける、典型的な悪いスタイルが右肘を浮かせる「野球打ち」です。
右肩から右肘までの二の腕が、地面と平行になっていて、グリップを担いだようなフォームになっているイメージです。
もしかすると左肩が下がって、背骨が左に湾曲しているかもしれません。
その状態でもトップでフェースの向きは飛球線に対して平行になっていて開いています。
この姿勢でダウンスイングをすると、上がっていた右肩が下がり、反動で下がっていた左肩は上がり、ヤジロベエのようなショルダースイングになっています。
本来の背骨を中心軸とした捻転する円のスイングではなく、肩を上下する縦のスイングになってしまうのです。
右肩が下がることで浮いていた右肘は右脇腹について、今度は背骨が右側に湾曲しながらスイングすることになるので、グリップエンドは左側を向きフェースが開いた状態でインパクトを迎えることになります。
トップでフェースの向きが修正できればドライバーは直る
肩を上下に動かすショルダースイングを矯正して、回転軸を中心とした円のスイングを習得すれば、ドライバーのフェースの向きも修正できます。
体の捻転を覚えることで円のスイングができるようになり、アームローテーションを身につけることでフェースの開きは修正できます。
そこで直径30センチ程度のビーチボールを用意します。
ドライバーを構えて二の腕で、そのビーチボールを挟んでアドレスをとります。
右肩と右腰を引いて、左腕を上にして右腕が下の状態でボールを挟んだまま、トップの位置まで引き上げます。
ボールを落とさないようにダウンスイングを開始して、両肘が曲がらずに真っ直ぐになったら、左腕を下にして右腕が上になるようにします。
右足のつま先をターゲットのほうに向けて、体を左回転させると円を描くスイングになっているでしょう。
円のスイングを体得したと感じたとき、ボールを外して素振りをしましょう。
するとトップの位置でフェースの向きはスクエアになり、ダウンスイングではスムーズなアームローテーションでスクエアにインパクトができているはずです。
ドライバーのスライスはトップのフェースの向きで分かる
ドライバーがスライスするようであれば、トップの位置でのフェースの向きをチェックしましょう。
トップでフェースが開いていたら、インパクトでもフェースが開いて、ボールを擦ってしまいます。
ビーチボールを腕に挟んで体を捻転させる円のスイングと、アームローテーションを覚えれば正しいインパクトができるようになります。
予算をかけずにできるのでおすすめです。