アイアンのヘッドにカバーをつけているゴルファーを見かけます。
その使い方によっては遅延プレーになることもありますし、共用キャディを独り占めにしてしまうこともあります。
今回はアイアンカバーの本来の目的と、少し工夫した使い方などを紹介していきます。
アイアンのヘッドカバーの使い方でプレーの速度が遅くなる
ゴルフに限らず上手くなるために道具を大切にすることはとても大事なことです。
ティーグラウンドから歩き出す前に、セカンドショットに使うであろうアイアンを2本から3本持つことがあります。
シャフトの真ん中辺りを握り、ボールに向かって歩き出しますが、中にはアイアンを杖がわりに、まるでスキーのストックのようにしていることがあるようです。
ゴルフクラブを杖として使うのはマナーとして良くない行為とされているため、ボールを打つための道具であるアイアンをそれ以外の目的で使うことは避ける必要があります。
ただ道具を大事にしすぎて、「プレーの迅速化」が守られていないようであれば、それもまた慎まなくてはいけません。
アイアンにヘッドにカバーをつけていると、番手の選択を迷う場面でいちいち取り外して確かめて、また装着する動作を3本分確かめるとアドレスまでの時間がかかってしまう懸念があります。
プレーの迅速化を考えると、このヘッドカバーの使い方は良いとは言えません。
使い方を見直す必要があるアイアンのヘッドカバー
アイアンにヘッドカバーをつけていると、移動中にヘッド同士が揺れてぶつかりあっても傷つくことはありません。
道具を大事にしているという点では、ある意味褒められるべきものはありますが、プレーの迅速化を阻害することを考えると、使い方について考え直す必要があるかもしれません。
ティーグラウンドから歩き出すときに、2~3本のアイアンを持っていくようであれば、その時点でヘッドカバーを外してカートの中に置いていくと、少なくても番手選びのときに遅れることはないでしょう。
また歩くときにシャフトの中間部をしっかり握っていれば、ヘッドがぶつかりあって傷つくことの心配はありません。
そもそも論で考えると、カートが移動しているときにアイアンのヘッドの傷がつくような大きなダメージを与えることがあるのかを考えたほうが良いかもしれません。
クリーンなショットを心がけても、芝の中の小砂利に当たることもありますし、ベアグラウンドでヘッドを打ち込むこともあります。
アイアンはカバーの使い方を意識しなくても大丈夫?
アイアンのヘッドの傷は勲章のようなものなので、「傷を心配していたら商売にならない!」という考え方があるかもしれません。
確かにヘッドに傷がつくことを心配してソフトなショットばかりにすると、プレーが制約されて肝心のスコアが伸びない可能性があります。
実のところ、ヘッドに傷がつくのはカートの移動中やスイングによるものではなく、自宅からゴルフ場まで運ぶときに起こることが多いようです。
カートが移動中にヘッド同士がぶつかりあうと、確かに光沢はぼけてしまうことはあります。
しかしながら芝面に打ち込むアイアンですから擦れによる傷は大したことはなく、カバーで防がなければならないほどではないはずです。
それよりも車のトランクに複数のキャディバッグを積んで下敷きになったとき、宅配便の業者に依頼してゴルフ場に送ったとき、また飛行機の手荷物として預けたときなどに目立った傷が付く可能性が高くなります。
これは扱い方が乱暴だということではありません。
多くはキャディバッグの前後を交互にして重ねることでバランスをとるため、ヘッドの上にキャディバッグの底の部分が当たって負荷がかかるからです。
アイアンカバーとクッション材の使い方を考える
自宅からの移動中のアイアンが傷つかないようにカバーするのであれば、あえて1本ずつヘッドカバーをつける必要はありません。
アイアン用の大きな袋状のカバーがあるので、それでアイアンセットを丸ごと包んでしまえば良いからです。
ただし、カバーをそのまま被せても擦れに対する効果はありません。
カバーを被せたら口を閉める紐でしっかり絞り、シャフトを固定することでヘッドの擦れを防ぎます。
遠距離の走行や宅配便など業者依頼する場合には、大型のバスタオルやクッション材のプチプチで包んだ後にカバーを被せると傷を防げます。
特にタオルはプレー中にも手汗を拭いたり濡れたグリップを拭いたりと、様々な使い方ができるため、スポーツタオルを数本入れておいても無駄ではありません。
もちろん輸送時ですから、1本ずつアイアンカバーをつけても良いわけですし、さらにその上から袋状の大型カバーでまとめると、他のクラブへの傷も防ぐことができます。
新聞紙とダンボール紙の上手な使い方でアイアンをカバーする
海外へゴルフに出かけるときなどは、到着地の空港でポンポンと放り投げてターンテーブルに乗せられることがあるかもしれません。
そのときの落下角度によっては、シャフトの短いアイアンがシャフトの長いウッドに当たり、ダメージを当たえる可能性が考えられます。
そのためウッドにタオルを巻いた上で、アイアンにクッション材を入れてカバーすれば、一定の保護はできるはずです。
もしもそれだけでは不安なようであれば、ダンボール紙と新聞紙の使い方次第でカバーできるかもしれません。
キャディバッグのヘッドカバーの中にダンボール紙で内枠を作るのです。
ゴルフクラブの隙間に丸めた新聞紙を挟んで、それぞれが動かないようにウッドにはタオルを、アイアンにはアイアンカバーを被せて、固定すれば傷を負うことはありません。
隙間に詰めた新聞紙は現地で捨ててきて、代わりにビニール袋に入れた下着やソックスで隙間を埋めるとクッション材になりますし、トランクケースにはお土産のスペースをとることができます。
アイアンカバーは他のクラブを守るための使い方が必要?
アイアンのヘッドに傷がつかないようにカバーをしても、コースでのショットや素振りで細かな傷ができるので、アイアンを保護するという使い方としてはあまり意味がないかもしれません。
しかしながら他のクラブに傷をつけないという観点からすると、アイアンカバーの効力に大きなものがあります。
アイアンのヘッドへの傷を心配するよりも、ウッドのシャフトへ与えるダメージのほうが重要だということです。
そう考えればアイアンヘッドのカバーは、スタート前にはすべて外しておくほうが脱着にかかる手間と時間を省くことができます。
まして毎回の脱着をキャディに頼むなどという共用キャディを独り占めしてしまうような状態は回避できるはずです。
ただし軟鉄アイアンにガンブルー塗装をしているとか、錆止め用のオイルを塗っている場合には、個別にアイアンカバーをつけていたほうが良い場合もあります。
そのようなときは自分で脱着するのはもちろんですが、プレーの遅延にならないよう配慮する必要があります。
アイアンカバーは遅延プレーにならない使い方が大事
アイアンのカバーの使い方については、そのアイアンを保護する目的と、他のクラブを保護する目的があります。
アイアンの使い方を考えると、多少の傷は許容範囲でしょうから、他のクラブを傷つけないことが理解できれば、脱着時でのプレーの遅延は起きないはずです。