市販クラブではライ角が合わない身長180センチの人の対処法

ショットしたボールが左右に散ってしまうのは、スイングが悪いのではなく、ゴルフクラブのライ角が合っていないことに原因があるかもしれません。

特に高身長で180センチ以上あると、ライ角調整が間違いなく必要になります。

今回は身長180センチゴルファーのライ角が合わない理由と、その対処法についてまとめます。

身長180センチだとライ角が合わない理由

ショットしたボールが左右に散ってしまう場合は、スイングを疑う前にライ角に注目してみると良いかもしれません。

ライ角はヘッドを地面にソールしたとき、ヘッドから伸びるシャフトの傾きと地面の間にできる角度のことです。

シャフトの中心軸と床との間にできるライ角が大きければ大きいほどグリップの位置は高くなり、角度が小さければ小さいほどグリップの位置は低くなります。

一般的には身長が高ければグリップを握る位置は高くなり、身長が低ければグリップを握る位置も低くなると考えられています。

そのためライ角が合っていないということは、そのクラブが持つグリップの位置を変えることに繋がります。

日本人用に作られたクラブのライ角は、平均身長の170センチに合わせていると言われ、仮に180センチの身長のゴルファーがグリップを握るときは、グリップを引き上げて握ることになります。

グリップを引き上げると、ヘッドのソール側が浮いて、トゥ側だけが接地することになります。

この状態でスイングをすると、インパクトの手前でトゥ側だけが接地し抵抗を受けるため、ヒールが先行してフェースが開き、スライスボールを打ち出すことになります。

身長180センチゴルファーは業者にライ角調整してもらおう

平均身長に合わせてライ角を設定しているのであれば、身長180センチの人にとっては、ライ角の合わないクラブが普通になっているはずです。

それでもスタンスを広めにとれば、それだけグリップを握る位置は低くできますし、前傾姿勢を深くしても同じ効果があります。

さらにはゴルフクラブのシャフトを長いタイプにすれば、ボールとの間隔は離れますが、アドレスの姿勢を変えずにグリップの位置を高くすることができます。

つまり身長が180センチであっても、スタンスの幅やアドレスの姿勢、リシャフトで長さを変えれば、ライ角に合わせることができるということです。

どちらの方法でも問題はないはずですが、どうしても自分のスイングスタイルを貫き通して、しかもシャフトはお気に入りの長さのものを使いたい場合には、ライ角調整をせざるを得ません。

そんなライ角調整は、クラブメンテナンスを専門に扱う業者に依頼します。

ライ角調整すれば身長180センチでも大丈夫?

ライ角調整できるクラブは限定されています。

なぜならライ角を調整するためには、シャフトの接続部分のホーゼルを曲げるからです。

そのためドライバーやフェアウェイウッドは曲げる箇所がないため、ライ角を調整することができません。

したがってライ角調整が必要な身長180センチのゴルファーは、弾道調整機能の付いているドライバーやウッドを選びましょう。

通称「カチャカチャ」と呼ばれるもので、自分でライ角やロフト角を調節することができます。

ルール上は、スタート前までにセッティングをしなければならず、それ以降に角度調整をすると違反とみなされますので注意が必要です。

ほかにもライ角調整できないクラブはあります。

アイアンの中でもヘッドの素材が硬くて、曲げることができないものです。

例えばやさしさを売りにしているアイアンです。

それに良く使われている錆に強いステンレス製のヘッドは、インパクトの反発力が強いこともあって人気があります。

しかしながらステンレスは硬い金属なので曲げることができず、無理やり曲げると割れてしまうため調整することはできません。

ライ角が合わないのは平均身長より高いから?

平均身長より10センチオーバーの180センチのゴルファーは、ライ角調整が必須です。

ただしライ角を調整できるのは、軟鉄素材のアイアンだけです。

読んで字のごとく、軟らかい鉄を叩き上げて作ったものですから、ある程度は曲げることができます。

ただ鉄も曲げるとゴムのように少し戻るため、修正するライ角以上に曲げなければなりません。

その曲げる角度が大きいと、メッキにシワや亀裂が入ってしまうことがあります。

専門の業者がやっても、そのリスクがあることを了解した上での施工になるため、業者も材質を考慮した上でプラスマイナス2度以上は受けないことが多いようです。

つまりライ角調整は必要でも、限界があるということです。

この場合はシャフトを長いものに変えるしかないわけですが、これからゴルフクラブを選ぶ場合にはライ角の合うものを探せます。

普通に市販されているライ角は平均身長に合わせていますが、これは日本人の平均です。

身長180センチが平均身長の欧米のクラブはライ角が合う

欧米から平行輸入されたゴルフクラブは、外国人の平均身長にライ角を合わせているため、180センチがジャストサイズだと言われます。

日本で販売される目的で作られたゴルフクラブは、例え外国メーカーの品であっても、巨大マーケットを持つ日本に合わせて170センチを基準にライ角を設定しています。

しかしながら欧米で販売されている製品は180センチを基準に製造しているので、その品を並行輸入しているものならばライ角調整をする必要がなくなります。

あくまでも買い替えのときではありますが、外国人向けのゴルフクラブを購入すると、この問題は解決することができるのではないでしょうか。

ちなみに欧米人の場合は人種が混在していることもあり、身長の低い人用にライ角が設定されている可能性もあるため、必ずライ角の確認だけは必要です。

5番アイアンのライ角が62度以上、7番アイアンが63度以上であれば、身長180センチ以上を対称にしています。

高身長ゴルファーはライ角調整のできるクラブを選ぶべき

身長180センチの長身ゴルファーにとっては、国内向けの市販品では間違いなくライ角が合っていません。

国内向けの5番アイアンを握ったとしたら、正しいグリップの位置まで約3.8センチ引き上げることになります。

これだけグリップの高さが変われば、ヒールが浮いてトゥに抵抗を受けた状態にしかならず、フェースが開くことは必至です。

それが欧米から並行輸入したゴルフクラブであれば、基本のセッティングが180センチを対象にしているため、ライ角について問題はありません。

ただし180センチ用のパワーも加味して作られているため、シャフトの剛性が予想以上に硬かったり、ヘッドのロフトが普段使い慣れているよりもフェースが寝ていることもあります。

つまりライ角は合っていても使い勝手が悪いためにシャフトを変えなければならない場合があるかもしれません。

シャフト交換を考えると1本1000円程度でできるライ角調整のほうが経済的ですから、調整の効くフォージドタイプのアイアンを選んだほうが良いかもしれません。

もちろんドライバーやウッドは、カチャカチャが装着されているものを選ぶことをおすすめします。

身長にライ角が合わないときは軟鉄アイアンを調整して使おう

ショットが荒れ球になるときはライ角がズレていないか確認してみましょう。

ソールに水性ペンで色を塗って、一度人工芝の上でショットすれば、ズレが目視確認できます。

身長180センチのゴルファーであれば、既成の5番アイアンでグリップの高さはおよそ3.8センチの誤差が生じます。。

身長が高いのであれば、軟鉄素材でライ角調整のできるクラブを使ってください。