シャフトのトルクが大きいほど飛距離アップできる打ち方

シャフトを選ぶときにはトルクにも目を向けると、方向性が安定するだけではなく、飛距離アップにも繋がります。

大きいトルクのシャフトはつかまりが良いと言われていますが、大き過ぎるとミスショットの原因となります。

ここからはトルクの大きなシャフトを使って飛距離アップする方法を紹介します。

シャフトのトルクが大きいということの意味を知ろう

シャフトを選ぶときは、最初にフレックス(硬さ)に目が行きます。

Rシャフトが良いのかSシャフトが良いのか、もしかするとその中間のSRシャフトを選ぶと失敗はないのかもしれないと思ったりするものです。

そうしたシャフトの硬さはスイングそのものに影響を与えるので、なるべく自分のスイングに合うものを選びたいものです。

このシャフトの硬さを決めるときに、「シャフトが軟らかくてスライスする」ようであれば、シャフト選びより先に正しいスイングを習得しなければなりません。

まだ正しいスイングができていないうちにシャフトを決めてしまうと、近いうちにシャフト交換が必要になります。

まずフェースが開いてスライスするのはシャフトが硬いからです。

ダウンスイングでシャフトはしなりますが、グリップが右腿まで到達したらコックをリリースするので、シャフはしなりを戻します。

このときのしなりと、しなり戻りの幅が大きいのはシャフトが軟らかいからですが、戻り過ぎてフックするときは軟らかすぎることになります。

大きいトルクでも同じ現象が起こります。

シャフトのトルクが大きいとどんな効果があるのかを知る

シャフトを選ぶときは、フレックスとともにトルクを確認します。

シャフトのしなりが「曲がり」であれば、シャフトのトルクは「ねじれ」です。

ダウンスイングをするとグリップの先端よりもヘッドは遅れますが、これはシャフトが曲がっているから起こる「しなり」と呼ぶ現象で、インパクトの前に「しなり戻り」によってしなりは解消されます。

一方ダウンスイングをすると、シャフトは右側にねじれますが、これもまたしなり戻りと同じタイミングでねじれは解消します。

このねじれとねじれの解消に影響するのをトルクと呼んでいます。

ドライバーを前に突き出してグリップを右に回すと、ヘッドの先は右側に傾きます。

仮に45度傾いたとして、一気に戻すとしたら元の位置を行き過ぎてヘッドの先は左45度まで傾くことになります。

これを通常のトルクだとしたら、大きいトルクは90度幅で回転させたようなものと考えてください。

もちろんシャフトが90度もねじれたら千切れてしまいますので、これは説明上の角度でしかありません。

シャフトのトルクが大きいとミスショットに繋がることもある

トップの位置から徐々にシャフトのしなりは大きくなり、インパクトの直前でしなり戻りがあると、実質ヘッドスピードは加速しているはずです。

ダウンスイングによるスイングスピードに、コックのリリースによるヘッドスピードの加速がプラスされて、さらにシャフトのしなり戻りで加速は増大していきます。

これに大きいトルクが加わることで、より強いインパクトができれば、今まで以上に飛距離を伸ばすことができます。

トルクによる衝撃はそんなに大したことはないと思うかもしれませんが、コンロの上のフライパンをクルっとひっくり返して、天地を逆にしたくらいのものを想像してください。

実際のシャフトのねじれは、そんなに大きい角度にはなりませんが、すべての動作を同じタイミングにすることで、インパクトでの大きな衝撃をひとつにして加えることに意味があります。

ただしトルクが大きいことがマイナスになることもあります。

シャフトのしなり戻りや大きいトルクは、「戻り過ぎる」「大き過ぎる」とフックの原因となります。

シャフトの大きいトルクがハンドルの遊びという意味を知る

シャフトのトルクが想定よりも大きいと、マイナスに作用することがあります。

トルクを小さくすれば解決できますが、シャフトのねじれは簡単に修正することができません。

もっとも簡単な方法はトルク値の小さなシャフトに入れ替えること、もしくはフレックスをRからSに変えること、効果は薄いかもしれませんがヘッドに鉛を貼って重心距離を短くすることです。

シャフトがねじれるのは、ヘッドの端にシャフトが挿してあるところから重心までの距離が長いため、ヘッドが右に回転しようとすることで、シャフトがねじれます。

少しくらい大きいトルクなら、つかまりの良いヘッドになりますが、シャフトのねじれ具合は自分でコントロールすることができないので、事前に対処するしかないわけです。

ちなみにトルクがなければ、インパクトで上手くフェースを合わせることはできません。

トルクについては、多くの識者が「ハンドルの遊び」のようなものと、例えを使っていますが、意味が分かってくればもっとも正しい表現であることが分かるはずです。

トルク値の大きいシャフトでスイングする方法

シャフトのトルク値が大きいときはボールのつかまりが良く、「引っぱたく」ことができますが、トルク値が小さいのに引っぱたくと、打ち出すボールは暴れて収拾が付かなくなります。

このシャフトのねじれが起こるのは、ダウンスイングでヘッドにかかる重力で説明しますが、実際にはトップの位置で最大になっているようです。

テークバックでトップまで引き上げて、そこから切り返してダウンスイングに入るとき、大きいねじれが発生します。

そこで切り返しのときには、左手でグリップを引っ張るのではなく、ヘッドの反射を利用してダウンスイングに入ります。

仮にゆったりしたリズムでテークバックをしたとして、トップの位置まで引き上げて動作を止めると、ヘッドだけはテークバックの軌道上をまだ進もうとします。

すでに両手の動きは止まっているのでヘッドは一旦沈みますが、そのあと浮いてきます。

このタイミングと同時にダウンスイングに入ると、シャフトのねじれは少なくて済むはずです。

トルク値の大きいシャフトで飛距離を狙う打ち方とは

シャフトのトルク値が大きいと感じた場合には、ゆったりとしたリズムでテークバックをし、トップで切り返すときにはヘッドが浮く、ほんの1秒の時間を空けてからダウンスイングに入るとシャフトのねじれは少なくなります。

それでも円を描くスイングでは、シャフトのねじれは発生します。

そこでダウンスイングでは、回転した左肩を戻すのと同時に左手でグリップを引っ張ろうとしますが、この動作も修正します。

切り返しでヘッドが浮いてきたら、左手のコックを崩さないようにグリップエンドを下に向けてストンと落とします。

トップの位置から右腿の手前まで、0.5秒もかからずに落ちてくるので、ここでコックをリリースすれば、ダウンスイングの半分はシャフトのねじれがない状態だったはずです。

リリースでは大きなトルクを最大限に活かして、強いインパクトを助けるようにすれば、飛距離アップにも貢献できますし、方向の安定を邪魔することもないはずです。

シャフトの大きなトルク値を利用してプラス作用に変える

シャフトのトルク値が大きいと、ボールのつかまりが良いと言われていますが、大き過ぎると弊害もあります。

シャフトのねじれはコントロールできませんが、発生を抑える方法でスイングをすれば、飛距離アップにつなげることができます。