適正なアイアン重量とは?ヘッドスピードを上げる方法

ゴルフでもっとも多用するのはアイアンカテゴリです。

自分が使っているアイアンセットは適切な重量のものでしょうか。

重量が適切でないと上達の妨げやヘッドスピードが出ず飛距離が出ないことに繋がります。

そこで一度アイアンの重量について考えてみましょう。

クラブの重量についての基本知識

まずはゴルフクラブの重量について基本知識を押さえていきましょう。

●クラブの総重量

クラブの重さはクラブヘッド、シャフト、グリップの合計のことを言います。

ドライバーですと270~330g前後、7番アイアンですと380g~440g前後になります。

ヘッドスピードやそれぞれのゴルファーの力加減によって適正な重量は変わります。

●スイングウエイト(バランス)

クラブの総重量に対してスイングウエイトと呼ばれるものがあります。

一般的に女性ですとC0~C5、男性ですとC9~D2辺りが適正と言われます。

このスイングウエイトは、ヘッドの効き、振りやすさに影響があります。

キャディバッグ内で揃えることが大切と言われていますが、ドライバーやフェアウェイウッドはアイアンに比べて少し軽めに設定する人が多いです。

●クラブセッティングにおける重量フロー

最も軽いドライバーから最も重いウェッジまで、重量フローを考える必要がります。

基本的にはひとつ前の番手より重くしていきます。

重量フローが崩れると、飛距離のばらつき、スイングを崩す原因になるため注意が必要です。

アイアンの重量が適切でないとどんな影響がある?

●重すぎるアイアンを使った場合

飛距離:適正なアイアンに比べて落ちる

ミス:ダフる可能性が高くなる

その他:疲れやすい、ミート率が下がる

重すぎるアイアンを使うと、ヘッドスピードが落ちる傾向にあります。

スイングできたとしても、クラブヘッドが重すぎて早く落ちてしまったり、ラウンド後半に疲れから無理なスイングをしようと力んでしまったりします。

●軽すぎるアイアンを使った場合

飛距離:適正なアイアンに比べてもさほど変わらない

ミス:トップする可能性が増える

その他:手打ちになりやすい、方向性が安定しない

軽すぎるアイアンを使うと、ヘッドスピードが上がりやすいのですが、飛距離はあまり変わりません。

軽すぎるとスイング中に、自力で操作をしやすくなるため、スイングの緩みや手打ちになりやすいです。

また、ヘッドスピードとシャフトのフレックスの関係が合わず、ヘッドの挙動が安定しないため、方向性の乱れ、ボールを曲げることがしづらくなります。

アイアンの重量はシャフトで変える

アイアンの重量を決めるのは、シャフトです。

昔はシャフトの種類によってクラブヘッドの重量を変えていました。

スチール用は軽く、カーボン用は重くしていたのです。

しかし現在はシャフトの種類を問わず、クラブヘッドの重量を統一しているメーカーがほとんどです。

シャフトの長さを変えることでバランスを取ろうとしているのです。

つまりクラブヘッドの重さは統一、グリップも純正で統一となると、シャフトでアイアンの重量を変えていくことになります。

クラブの中心にあるパーツのため、大きなバランス変化がないのも理由です。

●軽くて軟らかいシャフト

カーボン素材でできているシャフトは、軽く、しなりを使えます。

女性やヘッドスピードがあまり速くない男性におすすめです。

●重くて軟らかいシャフト

最近では重いカーボンシャフトも出ています。

シャフトのしなりを使いたい人、しかし重さはしっかりあったほうが良いゴルファーにおすすめです。

●軽くて硬いシャフト

カーボンシャフトと比べ、スチールシャフトのほうが硬めの傾向があります。

以前は、スチールシャフトは重いとされていましたが、軽量スチールと呼ばれる軽くて硬めのシャフトが多く出てきました。

硬さを維持したまま重さを、80g~110g程度の範囲で変えられるので人気があります。

●重くて硬いシャフト

こちらは古くからあるスチールシャフトです。

ダイナミックゴールドが代表的で、いまだに人気が高いです。

しっかりと振れて、パワーもある男性に向いています。

アイアンの番手に応じたヘッドスピード

適切な重量のアイアンを手にしたからといって、すぐに飛距離が伸びるわけではありません。

まずは、飛距離にとって大事なポイントを押さえていきましょう。

アイアンのヘッド構造の特徴として重心深度が浅いため、ボールが上がりにくいです。

そのためダウンブローで打ち、バックスピン量をしっかり確保することで、ボールを上げていきます。

ロングアイアンやミドルアイアンが苦手な人がいますが、その理由はなぜでしょうか。

長くて振りにくい、ミート率が悪いなどいくつか原因は上げられますが、特に重要なのはヘッドスピードです。

ヘッドスピードが不足していると、必要最低限のバックスピン量が得られないため、ボールは上がりません。

そのため飛距離が伸びず、5番アイアンと6番アイアンで飛距離が変わらないといった事象が生じてしまうのです。

つまり番手が上がるごとに、ヘッドスピードを上げていくことが必要になります。

必要なヘッドスピード出るようになれば、スイング(クラブの挙動)も安定し、打ちやすくなります。

飛距離が出ない理由はヘッドスピード以外にもある

ヘッドスピードを測ると周りに比べて速いのに、なぜか飛距離が出ないというゴルファーもいることでしょう。

ドライバーは当たれば260ヤード飛ぶのに、なぜか7番アイアンは130ヤードしか飛ばないという例もあります。

アイアンで番手通りの飛距離を出すためには、正しいロフト角でインパクトする必要があります。

飛距離が出ない人は、ロフト角を正しく使えていないケースがほとんどです。

『ハンドファースト』でインパクトができていないため、しゃくる動き(フリップ)が入り、ロフト角を寝かせてしまっているのです。

ヘッドを走らせる方法として、グリップ(手元)の動きを急激に止めるとヘッドが走った感覚が得られます。

確かにこれでクラブヘッドの速度は上がるのですが、完全に止まってしまうと左手首が早く返ってしまい、フリップ動作を誘発します。

特に重量が軽めのアイアンを使っていると、手元で操作もしやすくなるため、フリップになりやすくなるでしょう。

ヘッドがグリップを追い越すイメージは必要ですが、完全に止めず移動し続けるようにスイングしてください。

そうすることで、グリップより少し遅れてインパクトできるため、ロフトを適正、もしくは少し立てて使うことができます。

ヘッドスピードを上げるには胸郭分離が必要

最後にヘッドスピードを上げるための体の動きを紹介します。

ヘッドスピードが出せる体の使い方を覚えることができれば、コンパクトなトップからでもヘッドの重量を上手く利用して飛距離を出せ、コントロールが効いたアイアンショットが打てるようになるでしょう。

ヘッドスピードを上げるために必要なことは、遠心力を最大限利用することです。

そのために必要なのが『胸郭分離』と呼ばれる、上半身と下半身の使い方です。

具体的には、上半身と下半身を別々に使うようにします。

①トップから下半身だけを回す

下半身だけを先行して回してください。

この時の注意点が、左ひざが外向き(ガニ股)になるように開くことです。

内股のまま回転すると、腰が回りきらず、ブレーキがかかり、手元が浮く原因になります。

②トップの位置から手を動かさない

下半身を先行させると、どうしても上半身が一緒に回ってしまう人がいます。

一緒に動いてしまわないよう、トップの位置に手元を残すように、下半身とは逆方向に上半身を使いましょう。

こうすることで、上半身と下半身の分離ができます。

あとは手元が我慢できなくなったらダウンスイングにかけてリリースをしてあげると、自然にヘッドが走り、ヘッドスピードを上げることができます。

適切な重量のアイアンで飛距離も伸ばす

適正な重量にすることで、自然なアイアンの動き、またヘッドスピードをより上げるスイングが身につきます。

重量に関しては、経験を積んでスイングが変わってくると、その都度見直す必要があります。

適宜、重量が適正なのか確認を繰り返すようにしてください。