ゴルフ場でプレーをするときには、襟付きのポロシャツ以外の服装は着られないのでしょうか?
今回は、ゴルフ場で着ても大丈夫な服装と着てはいけない服装の違いの紹介、そして過去の歴史を振り返りながら今後の服装規定について考えていきます。
ゴルフ場でポロシャツ以外が認められない理由とは
ゴルフ場を利用する際には、服装に関するマナーを守らなくてはならないことはご存知だと思います。
その理由として、ゴルフには決められたユニフォームがないので、基本的には自分の好みのデザインやカラーを選ぶことができるからです。
ただ古くからの慣習によって、今もその時代の習わしを受け継いでいます。
ですから自由ではあるけれども、その取り決めされた以外の服装でなければなりません。
一方でわずかに1つだけですが、推奨されている服もあります。
それがゴルフと似たスポーツであるポロのユニフォーム、つまりポロシャツです。
このポロシャツをゴルフウェアに決めたのはアメリカのゴルフ協会です。
当時の英国人ゴルファーはワイシャツにネクタイ、しかもジャケットを着てゴルフを楽しんでいました。
ところが米国に渡ると、英国とは比較できないほどの暑さで、「そんな姿でゴルフはできない」とズボンの裾を切ってニッカポッカスタイルにしてしまったのです。
そのとき「せめてワイシャツは切らないでおこう」と声明を出して、代わりにポロシャツを認めることになったわけです。
ほとんどのゴルフ場での服装は襟付きならポロシャツ以外でもOK!
ゴルフ場にとってNGな服装は、シャツに襟のないタイプ、下着を連想させるTシャツやタンクトップ、作業着を連想させるジーンズなどがあります。
この辺はゴルフを始めたときに、誰からとなく聞いたことはあるでしょう。
従って襟なしのシャツやジーンズ生地以外であれば、基本的に自由に服装を選べることになります。
しかしそうではない部分のあるところが、ゴルフ界の不思議なところなのかもしれません。
そもそも「襟付き」はワイシャツの簡易版ですから、ポロシャツのような襟を想像しますが、ゴルフ界ではタートルネックの襟も、ワイシャツの襟と同類に扱っています。
ですからニットのタートルネックでも、ゴルフの服装マナーに反することはありません。
ところがハイネックだとNGです。
タートルネックが良くてハイネックがダメな理由は、折り返しがないとか、丈が短いとか色々考えているようですが、確定的な理由は見当たりません。
もともとワイシャツから派生した襟付きですから、タートルネックだけが認められる理由などあるわけがないのですから。
襟がない服装は大丈夫?
昔のタートルネックは秋冬の服装でしたが、現在は暑い夏の服装としても人気になっています。
その理由は、首まですっぽりと隠れることから、日焼けを気にするゴルファーにとっては、絶好のゴルフウェアになっているようです。
また生地の材質も進化して、UVカットできるようになったことから、薄地で通気性が良くても日焼けしないタイプが、ゴルフ以外のスポーツでも使用されています。
その意味ではオールシーズンで着られる服装ではありますが、ゴルファー全体の使用率からすると、まだまだポロシャツには敵いません。
その理由の1つが、首周りの密着性です。
タートルネックの生地が改良されて、通気性が良くなっているとは言え、やはり首周りの開いている服には敵いません。
さらに首に密着していると、痒く感じたり、実際に汗疹や湿疹の出てくる体質の人もいて、オールラウンドで使用できる服装とはなっていないようです。
多くのゴルフ場の服装規定ではポロシャツ以外の運動着はNG!
ゴルフで使用されているポロシャツは、もともとワイシャツから派生したものですから 、原点に戻ることに何も問題はありません。
綿系のボタンダウンのシャツや、ストライプのカラーシャツなどで、脇や襟がゆったりしていればスイングに支障を来たすこともないはずです。
ただし社業のユニフォームのようなもの、またチェーン店の制服のような柄以外のものを着たほうが良さそうです。
中には業界コンペで社業を宣伝しようと、それらしい服装を着る人を見かけることもありますが、却って企業の評判を落としてしまうことになるかもしれません。
また、良く見かけるNGファッションにトレーナーがあります。
基本的にゴルフでは運動着はNGとなっているので、ジャージに類するものは服装マナーの違反に区分されます。
ポロシャツにセーターの感覚で、セーター代わりにトレーナーを着ているのだと思いますが、区分としてもNGですし、トレーナーの襟口からポロシャツの襟が出ていなければ、トレーナーだけ着ているように見えて、単なる丸首シャツと同じ区分にもなってしまいます。
襟付きポロシャツ以外を認めなくなったのは最近?
トレーナーがNGなのですから、それ以外のパーカーなどもNGに区分されます。
「ポロシャツが他のスポーツの運動着なのに」と言っても、それに応えるようなゴルフ界ではありません。
ただ、この厳格性は最近になって顕著になったもので、少し前までは自由度が高かったように思います。
例えば、イタリアンカットの巨大な襟のシャツが流行ったころは、ゴルファーも皆が着ていました。
イタリアンカラーのシャツに、白いベルト、真っ青なスラックス、ジャケットを着たらシャツの襟を外に出す、今では陳腐に思える服装ですが、当時はゴルフをしない人でも着ていたものです。
世界的なファッションに対して微妙に影響を受けながらも、最初のコンセプトを守ろうとしていたゴルフ界は、バブル期のゴルフ熱によって服装規定が先鋭化していったようです。
ところが、そのバブルが崩壊し、ゴルフ会員権は紙くずになって、徐々にゴルフの服装について見直されていきます。
ゴルフ場で襟なし服装でも問題視されない時代は来る
今では多くのゴルフ場で、トレーナーやパーカーはもちろんのこと、TシャツやジーンズでもOKになっているゴルフ場があります。
伝統を守る旧来の倶楽部型のゴルフから、競技性の高いスポーツとしてのゴルフに嗜好が変化していて、運動に適した服装であればポロシャツ以外でも問題なしとしているようです。
またゴルフの裾野を広げる大衆化という観点でも、面倒くさい服装やマナーを排除して、ゴルフのルールに明文化されたものだけ守れば、ゴルフを楽しめるといった運営をしているところもあります。
いわゆるアメリカンスタイルのゴルフコースが増加しているには、ゴルフ場のコスト削減や集客の増大なども影響していて、ゴルフの服装の改善だけを目的にしたものではありません。
ただ歴史を振り返ると、ゴルフが英国から米国に渡ったことで、長年のしきたりだった服装を簡略化し、ポロシャツを採用したように、我々が新しい時代の歴史を作っている最中なのかもしれません。
ゴルフ界がポロシャツ以外の服装を認めたらスポーツになる?
ゴルフ場では「襟付きのポロシャツ以外は認めない」と言うのが基本スタイルです。
しかしながら時代は確実に変化していて、ハイネックやTシャツでゴルフができるようになってきてもいます。
新たな時代は「ゴルフはスポーツ」であるためにも、早くアスリートファーストの服装に変更されていくと良いと思いませんか。