ゴルフコースでの服装規定については、ゴルファーであれば多少なりとも知っていると思います。
その中でも「襟付きシャツ」は男女共に必須のドレスコードになっていますが、女性にとってはマナー違反とも言える服装なのです。
それでは女性の服装を通して、ゴルフ界のマナーについて考えていきます。
ゴルフコースが規定する服装は女性にとって失礼!
「エチケットとマナーの違いも判らないのに、マナーを守れと言われても困る!」
そんな声が聞こえそうですが、ゴルフをするためにはマナーを身につけておくことは必要不可欠です。
ただし女性の服装に関しては、「マナーの遵守」と考えると微妙なところがあるかもしれません。
もともとゴルフコースにおける服装の基準は、男性のマナーを適用しています。
ジャケットや襟付きのシャツは、本来女性が着ることはなかったはずです。
ゴルフの服装の源流は「紳士の服装」からの流れであって、淑女を基準にしたものではありません。
襟付きのシャツは、ジャケットにワイシャツ、そしてネクタイを締めていた服装が不便であったことから、ポロシャツが導入されただけのことです。
そのころの淑女がワイシャツ姿でネクタイを締めていたことはありません。
そう考えると現在の女性の服装規定の中に、「ジャケット着用で入場」と記載されているのは、男性に「スカート着用で入場」と規定するのと同じようなものなのかもしれません。
女性が発することでゴルフコースの服装規定を打ち破る
「服装規定がおかしい!」と女性ゴルファーが嘆いたとしても、ゴルフコースでは規定通りの服装を求めることでしょう。
なぜなら日本に限らずゴルフコースの多くは、「限られた人達が占有できるスペース」と考えられているので、独自にルールを規定しています。
それは服装だけではなく、国籍や性別、また職業まで規定に盛り込んで、同じ仲間としてクラブへの入会を認めているところもあります。
この規定に異を唱えても、大概は不問とされてしまいます。
東京オリンピックのゴルフ会場も、開場以来女性メンバーを認めていませんでしたが、オリンピックを契機に女性にも門戸を開くと表明しています。
半世紀をはるかに越えるゴルフコースは、それまでの規約を変えて「平等性」を重視するオリンピックの会場になったのですが、ではそれまで女性の入会を認めなかったことの整合性はどうしたのでしょう?
まだまだ女性ゴルファーに対する配慮が足りないようにみえるゴルフ界ですが、一方で女性としての主張を最大限にアピールしているのが日本女子プロ協会です。
女性のノースリーブがゴルフコースの服装マナー違反というのは変!
一般的な服装マナーでは、ゴルフコースでは女性のノースリーブシャツの着用を認めていません。
そこにはっきりした理由は示されていませんが、「肌の露出」がその要因のひとつと言われています。
これはノースリーブだけではなく、ミニスカートやショートパンツなども同様で、露出度が大きいことがマナー違反とされているらしいのです。
マナーの大原則は「周囲の人を不快にしないこと」ですが、すでにミニスカートもショートパンツも珍しい服装とは言えず、日常生活の中でその姿を見て不快な思いをする人は少ないのではないでしょうか。
ゴルフコースという限られた空間では、ノースリーブが不快な服装に該当するということなのかもしれませんが、おそらく淑女がドレスを着ていた時代には、ノースリーブも胸元の開いたデザインもマナー違反にはなっていなかったはずです。
ただ男性の服装を基準にしてみると、袖をまくり上げたようなノースリーブのデザインは異質と感じたのかもしれません。
現在女子プロの試合では、ノースリーブはもちろんのこと、ショートパンツやミニスカートも認められていて、その姿はテレビ中継によって全国のゴルフファンが目にしています。
ゴルフコースは女性を選んで服装規定の特例を設けている?
女子プロゴルファーが認められているのに、同じゴルフコースで同じ服装のアマチュアの女性ゴルファーがすると、認められないというダブルスタンダードを目にします。
中にはロビーに優勝者のパネルが展示されていて、ノースリーブにミニスカート姿で映っていることもあります。
もちろん規約を設けているのであれば、プロゴルファーがその服装でゴルフコースに出ることを認めることはできないはずです。
しかしながらプロの試合には多くのスポンサーがついていて、中にはゴルフウェアの企業もいることでしょう。
またプロを支えているスポンサーの中にもウェアを扱う企業はあります。
これらの企業を排除することはできないのが現実であって、これはオリンピック会場の女性メンバー容認と同じ「大人の事情」によるものなのでしょう。
どちらにしても、声高にマナーの遵守を強要するわりには、優先度を考えるのがゴルフ界らしいところとも言えるのではないでしょうか。
ゴルフコースが唱える女性の服装による周囲の不快感とは
では実際にゴルフコースを利用するときの服装について確認してみましょう。
ゴルフコースが運営してるホームページか予約サイトをみると、およその服装が理解できます。
服装の規定は、ゴルフコースがドレスコードとして告知しているものと、ゴルファー自身のマナーとして非公表にしているものがあります。
まずドレスコードに記載してある場合は、アレンジすることなく、その服装を用意すればトラブルになることも恥をかくこともありません。
ドレスコードを設定している場合は、派手な柄や色はやめて、落ち着いたものにすると周囲との調和も取れるはずです。
問題はゴルファーのマナーとしているゴルフコースです。
前述の通り、本来の女性の服装マナーとゴルフ界の服装マナーは違っています。
まして個々のゴルフ場がマナーを変えているので、正解となる「周囲の不快感」はメンバーでなければ判らないはずです。
まずはそのコースのメンバーに確認すること、聞く相手がいなければネットの口コミ情報を検索するかありません。
女性だからこそお洒落な服装でゴルフコースに行こう!
ゴルフコースでの女性の服装は、一般的なドレスコードを基準すると不安はなくなると思います。
ただお洒落の観点からすると、均一的な制服のような装いでは面白くはありません。
ジャケットにパンツ、内側には無地の襟付きシャツを着ていれば、誰も文句を言うことはないでしょう。
ただそんな格好は、まさに前近代的なゴルファーの服装であって、とても洗練された女性のファッションとは思えません。
ちょっとお洒落をしてもマナー違反にならない服装をするには、「排除」すれば良いだけです。
NGとされる服装を着なければ、ドレスコードにこだわるゴルフコースでも問題はないはずです。
Tシャツやジーパンまた迷彩柄の服は排除します。
ノースリーブシャツを着用するのであれば、セーターなどを重ね着しておけば問題はないはずです。
またシャツを外に出すのか、パンツの中に入れるのかも論争になっていますが、とりあえずスタートホールまではシャツインで、あとは様子をみてから変更すれば問題は起こらないはずです。
もともと女性らしい服装を認めていないところが多いようですが、そろそろファッションも楽しみながらゴルフを極める時代になっても良いのではないでしょうか。
ゴルフコースにおける女性の服装規定は男性が基準
ゴルフコースでの女性の服装は、男性を基準にして決められているので、襟付きのシャツを着ることがマナーとされています。
襟付きシャツは男性のワイシャツを簡素化したものであって、女性が着るとマナー違反だったはずです。
遡ると矛盾を感じることになりますが、許容範囲の中で女性のファッションを楽しんでみてはいかがでしょう。