最新のアイアンは複合素材やカーボンシャフト等の導入でボールを上げやすい設計になっています。
数世代前のアイアンとは比べ物にならないほどの飛距離が出るようになりました。
それは素材の革命でロフト角を立ててもボールが上がるヘッドの製造が可能になったからだそうです。
バンカーショット用サンドウェッジからピッチングウェッジまでをつなぐ数本のウェッジ、最適なロフト角の組み合わせでスコアアップを狙いましょう。
ウェッジのロフト角と役割は
ロフト角48~52度程度のウェッジは、おおよそ100ヤードのピンを直接狙うフルショットでも使用できるクラブです。
次にロフト角53~56度程度のウェッジだと、フルショットでは無く、コントロールしたショットに使用するクラブで、70~90ヤードを狙う番手。
そしてロフト角57~61度前後のウェッジになると、主にバンカーショットとふわりと浮かせたアプローチに使用するクラブで、50~70ヤードがメイン距離です。
さらにロフト角61度以上のウェッジは、ロブショット専用と考えて良いでしょう。
それぞれに多彩なバンス角があるので、用途に合わせたバンス角を選べば、その特徴は好みに合わせ変えることも可能、組み合わせも自由自在です。
これを踏まえた上で、組み合わせる本数を考えてみましょう。
ウェッジのロフト角を役割別に2本で組み合わせたら
まず始めに、2本で組み合わせる目的ですが、ユーティリティーやロングアイアン等の飛距離が出るクラブを優先したい場合や、ビギナープレーヤーがユーティリティーやチッパー等のクラブを組み合わせたい場合、ということになります。
コースセッティングがロングショットを求めている、例えば距離の長いショートホールが数か所ありそれに合わせる必要がある、ドックレッグが数か所ありティーショットを刻む必要がある、等々です。
この場合でも、バンカーショットに使用するロフト角はいつも通り、58度前後ということになると思います。
では、ピッチングウェッジとの間をどのように埋めていくのか、コースセッティングにもよりますが、ピッチングウェッジ直下の距離を埋めることに着目し、ロフト角50度前後が妥当、フルショットでも使えるクラブが想定されます。
このロフト角8度の差異を埋めるために、50度のウェッジバンス角は小さめにし、少し開いて距離を落とす等の技術を必要としますが、決まった時の喜びはそれ相応です。
次に、3本の組み合わせの場合を考えてみましょう。
ウェッジのロフト角を役割別に3本で組み合わせたら
このウェッジ3本の組み合わせが最も人気なのではないでしょうか。
まずピッチングウェッジ直下の距離を埋めるロフト角50度前後、フルショットにも対応し100ヤード前後のピン根元を狙えるクラブを入れます。
それからサンドウェッジとして使用するロフト角58度前後、ふわりと浮かせたアプローチや深いラフからのアプローチなど、コントロール重視の50~70ヤード前後をカバーするクラブが2本目です。
さらに3本目には、ピッチングウェッジとサンドウェッジの間を埋めるロフト角54度前後、ランニングアプローチ、70~90ヤード前後のコントロールショットでピン根元を狙うクラブが良いでしょう。
それぞれのバンス角は、50度前後<54度前後<58度前後と少しずつ大きくなるのが普通ですが、好みによって54度前後はローバンスでも良いかもしれません。
開いて距離の微調整が容易になるからです。
次はいよいよ4本の組み合わせを考えてみましょう。
ウェッジのロフト角を役割別に4本で組み合わせたら
このウェッジ4本の組み合わせは意外かもしれませんが理にかなったもので、非常に合理的なものです。
ご自身のピッチングウェッジのロフト角が44度以下であった場合、この組み合わせを選択することがスコアメイクの鍵になるかもしれません。
まず4度刻みでロフト角48度のウェッジ、フルショット対応で100ヤード前後のピン根元を狙うクラブです。
そこから4度刻みでロフト角52度のウェッジ、ギリギリフルショット対応、90ヤード前後のピン根元を狙うクラブを追加します。
さらに4度刻みでロフト角56度のウェッジ、70~80ヤード前後のコントロールショットでピン根元を狙うクラブで埋めます。
最後に4度刻みでロフト角60度のウェッジ、サンドウェッジとして使用しながらふわりと浮かせるアプローチや深いラフからのアプローチなど、コントロール重視の50~60ヤード前後をカバーするクラブで締めます。
これらは同じ振り幅と振り方で距離を打ち分けられる、ショートゲーム重視の組み合わせです。
それぞれのメリットデメリット
ウェッジ2本の組み合わせの場合、メリットは、チッパーやユーティリティー等の組み込み余地が増えるということ。
対してデメリットは、ウェッジ間の距離差が大きくなり中間の距離が残った場合、技術が必要になるということです。
次にウェッジ3本の組み合わせの場合、メリットは、ウェッジ間の距離差が少なく、ショートゲームの戦略が立てやすくなること。
デメリットは、ユーティリティー等の組み込み余地が減ることでしょう。
それからウェッジ4本の組み合わせの場合、メリットは、ウェッジ間のロフト角管理の幅が広がり、ショートゲームの戦略が3本の組み合わせ以上に立てやすくなること。
デメリットは、3本を組み合わせ同様にユーティリティー等の組み込み余地が減ることかもしれません。
こうしたそれぞれの特徴を理解した上で、スキルに合わせたオススメがあります。
まずビギナーゴルファーにオススメなのは、2本の組み合わせです。
それはバンス角が大きめなロフト角58度前後のウェッジと、ロフト角50度前後のウェッジの組み合わせです。
ロフト角58度前後、バンス角が大きいウェッジはバンカー内での操作が楽で、バンカーショットを助けてくれます。
オススメ理由はウェッジを2本に絞る事で、ユーティリティーやチッパー等を組み込むことが可能になるからです。
次に90切りを目指すアベレージゴルファーにオススメなのは、PWを抜いた4本の組み合わせです。
クラブフェース、ネック形状、リーディングエッジの雰囲気等、SWからの繋がりを重視した組み合わせで、この4本を使いこなす練習は少し地味ですが、大きなショット精度向上につながる大切なものがオススメです。
さらに80切りを目指すアスリートゴルファーにオススメなのは、3本の組み合わせです。
各番手間の距離差を理解し管理できる技術があれば、通常ショットでの距離差(おおよそ10ヤード)を考慮し、PWから+4度を繰り返した3本がベストです。
ボール位置やフェースの開閉、グリップ位置や振り幅等々の技術を駆使し、ピン根元を狙えるからです。
ウェッジの組み合わせを考える上での最も大切なポイント
80切りを目指すアスリートゴルファーの方々は試合会場のセッティングにより、ご自身が打ちたい距離を重視し、あえて4本を組み合わせる場合と、稀ですが長い番手を優先し2本に絞り込む時もあるようです。
ウェッジのロフト角と組み合わせを考える上で最も大切なポイントは、ご自身が使用しているアイアンのPWロフト角を理解し、ご自身が気持ちよく使用できるサンドウェッジとの間を何本で埋めるか、ということになります。
サンドウェッジのロフト角は、56度以上のハイバンスであれば難易度も高くありません。
複合素材の飛び系アイアン、PWロフト角が40度というものも存在します。
この場合、サンドウェッジを一般的な58度に設定した場合、18度間をどのように埋めるかがスコアアップの鍵になります。
ウェッジのロフト角間隔もアイアン同様に4度から5度程度が理想とされており、4度に設定した場合、44度、48度、52度、58度。
5度に設定した場合、45度、50度、55度、58度となります。
つまり、飛び系アイアンの場合ウェッジの番手間が広がるリスクが有り、それを補完するためにはウェッジ4本の組み合わせを視野に入れる必要があるということになるのです。
ウェッジのロフト角と組み合わせの基準は、ご自身の使用アイアンのPWのロフト角です。
そこからプレースキルに合わせた本数を選択、打ち分けたい距離を考慮しロフトを決定してください。
ウェッジの組み合わせを再考しショートゲーム巧者になろう
ここまでウェッジのロフト角と組み合わせについて考えてきましたが、いかがでしたか。
ショートゲームのスキルは、使用するクラブの特性をよく理解すると飛躍的に向上するそうです。
この記事を機会に、是非見直して見てはいかがでしょうか。