ゴルフ界ではジュニアゴルファーの活躍によって、新たなスター選手がどんどん育ってきています。
一方で現在のゴルフ界を支えているのはシニア世代といっても過言ではないでしょう。
ところがジュニアとシニアの年齢区分は意外に面倒なことになっているようです。
今回は世間一般とゴルフ界の年齢の違いと問題点についてお話しましょう。
ジュニア・シニアの年齢区分と性別の区分は妥当なのか
ゴルフ競技でクラス分けをするとき、ジュニア・一般・シニアなどの年齢を用いることがあります。
ゴルフでは従来から性別による違いを、競技の条件に加えていることがあります。
本来は同一のティーグラウンドでプレーを競うものですが、女性用のレディースティーが設置されているコースの多くは、男女で使用するティーグラウンドを変えて同じ競技に出場できるようにしている場合があります。
男性と女性の体力的格差をなくすためのレディースティーですから、コースとしては設置目的に適っていますが、プレーヤーにとっては必ずしも公平な競技条件とはいえません。
なぜなら近年の女子プロゴルファーのドライバーショットの飛距離は250ヤードだからです。
対して一般男性の平均飛距離が230ヤードですから、明らかに女子プロのほうが上回っているわけです。
「プロだから…」とも考えられますが、ドライバーの飛距離だけならアマチュアもそう変りはありません。
世界ツアーでは女子プロが男子トーナメントに出場したこともあるほどなので、女性の飛距離が劣ると考えるのは過去のことなのです。
意外に複雑なシニアの年齢ともっと面倒なジュニアの年齢区分
もともと規定(パー)の算出根拠となるホールの距離は、女性と男性で違います。
そう考えると、混合競技の場合にレディースティーを使用することも、仕方のないことなのかもしれません。
また近年は年齢による区分も出てきたようです。
ゴルフコースによって違いますが、ゴールドティーのようなシニア用のティーグラウンドを設けて、女性用ティーグラウンドと同様に前方から同一競技に参加できるようになってきています。
厳しい見方をすると集客のためなのでしょうが、加齢を理由にした距離の短縮よりも、ハンディキャップ競技であればハンデを増やすだけで解決できるはずです。
ただ慣習上、ハンディキャップを下げられると自尊心が傷つくと忖度して、選択性のゴールドティーを採用しているところもあります。
もちろんクラブ競技ではそんな競技法はとらないでしょうが、オープンコンペなどではゴルフ場が設置しているゴールドティーを活用していると、シニア層には人気があるようです。
一方でジュニアゴルファーの場合には、もっと複雑に状況になっています。
シニアと違ってジュニア資格は年齢だけではない
シニアと違ってジュニアは目的によって括りが違います。
教育の一環としてとらえるのか、アスリート養成としてとらえるのか、もしくは嗜み(たしなみ)として覚えるためのものなのかは、親や本人たちが決めることになります。
細かいようですが、ジュニアゴルファーがゴルフ場を利用する場合、法律上(税務上)は教育の一環としての税優遇がなされています。
また利用税は都道府県で定めが違いますが、一般的にオープンコンペの出場などは娯楽とみなされるので、大人と同じ利用税を支払わなくてはいけません。
つまり年齢的にはジュニアであっても、扱いとしては一般に区分されるわけです。
出費として考えると、教育の一環なのか嗜みなのかは大きな違いとなります。
またアスリートとしてゴルフに取り組む場合には、所属するスポーツ団体に加入するのが一般的です。
日本国内には各地にアマチュアのゴルフ団体である地区ゴルフ連盟があります。
そこでは年齢が満6歳になった日から19歳の誕生日の前日までが、ジュニア登録者の資格条件になっています。
シニアは年齢で決まるけれどジュニアは将来で決まる?
ジュニアは満年齢で適用されますが、競技自体は高校選手権や大学選手権のように学籍が条件になっているものがあります。
一方で小・中学生を対象にした国内競技会では、12歳から出場権が与えられ、12歳から14歳まで、15歳から17歳までとなっているので、高校生であっても18歳に到達すると出場権はなくなります。
つまり学生アスリートとしの競技会は12歳から17歳までで、6歳から11歳までと18歳は実質ジュニア競技には出場できないことになります。
ただしこの括りはゴルフ連盟の主催競技なので、国際大会や地方大会の中には出場資格の与えのあるものもあります。
ジュニアの場合にはプロを目指すのかがカギになるわけですが、多くのジュニア選手の中で、プロテストまでたどり着くのはほんの一握りですし、さらに合格してトーナメントで活躍するのは稀なことだと考えると、もう少しシンプルな区分が必要と考えることもできます。
シニアゴルファーと違って、満6歳の時点で将来を選択するのがジュニアゴルファーということになるのかもしれません。
厳しいジュニアよりシニアの年齢制限はもっと過酷?
ある意味シニアよりも厳しいジュニアの世界ですが、シニアにも年齢制限はあります。
ゴルフ連盟が定める条件は満50歳以上です。
一時期60歳以上と定めた時期もありますが、結果的に50歳をシニアと定めています。
国が定めた生産者人口は15歳から65歳までですから、まさに真っ只中の年齢です。
とても加齢による優遇を受けられる対象者ではありません。
50歳からの加入ですから、上級者であれば現役プロ並みの人もいることでしょう。
ただ、みながその技量を持っているわけではなく、多くのゴルファーは1ラウンドしたあとは、足腰の痛さに辟易しているはずです。
一方でゴルフに限らず「シニア割引」と言うのがあります。
さすがに50歳ではシニア割引の対象外であることは分かると思いますが、年齢的には満70歳以上が利用税の対象外となっています。
シニアは壮年にも使われますが、シルバー世代にも使われるため、シニア割引と表示されているときは、年齢を確認しておくほうが良いかもしれません。
ジュニアとシニアの年齢区分が曖昧なのは行政が悪いから?
そもそもゴルフはマナーとエチケット重んずる紳士のスポーツです。
ジュニアだからマナーを身につけていなくても良いということはありませんし、シニアだからエチケットを無視しても良いということもありません。
年齢に関係なく1ゴルファーとしてコースを利用するのが正しい方法です。
なぜこれだけ多くの年齢別ができたのかを考えると、入賞する機会を得たいと言うことに尽きます。
49歳のプレーヤーと50歳のプレーヤーに年齢的なゴルフの差などないですし、競技資格がない18歳のジュニアに、ジュニア特例の税制措置をしているのもおかしなものです。
そもそも利用税と消費税の間接税の二重課税がおかしいのですから、そこに特例措置を設けると、さらにおかしなことになるのは当然ことです。
つまりゴルフ場を利用するものは、性別や年齢もしくは肌の色などで区分してはいけないのです。
若いうちからゴルフを楽しみ、一定の年齢に達してからプロを目指すもの、アマチュアゴルファーとして続けていくもの、またシニアに到達してもラウンドを楽しめる体力や気力を持つことができれば、年齢を対象とした賞など必要ないとも考えられます。
シニアもジュニアもそれぞれに確認が必要
将来のゴルファー人口を伸ばそうとジュニア育成をしている一方で、現在のゴルフ界を支えているシニア世代、年齢によって区分されていますが、どうも世間一般のジュニア・シニアとは違うようです。
優遇を受ける場合と競技に出る場合は事前に確認することをおすすめします。