アイアンの構え方には2種類あります。
ボールの後ろにソールをつけてセットする方法と、ソールを浮かせて構える方法です。
ここではアイアンのソールをつけるか浮かせるかの判断の基準と、構え方や打ち方の注意点などを紹介します。
アイアンのヘッドをソールする構え方とソールしない構え方
アイアンの構え方ではソールを芝につけてセットする場合と、ソールをつけずにアドレスに入る場合があります。
皆さんはどちらのタイプでしょうか。
練習場ではソールしてからテークバックを開始し、ゴルフコースでは芝の抵抗が気になってソールせずにテークバックをすることもあるかもしれません。
たとえばラフに入ったボールを打つときは、ソールしてテークバックをすると、ヘッドが芝草の抵抗を受けてスムーズに引けないことがあります。
またソールしたことでボールを動かしてしまうこともあるので、実践でソールをしない構え方を選択することは良くあることです。
一方でボールを高く上げるロブショットは、フェースを寝かせる構え方なので、トップやダフリを防ぐために入射角度が重要になります。
そこでアイアンの刃の部分がボールの真下に入るように、アドレスの時点でリーディングエッジをボールの後ろにセットするでしょう。
つまりアイアンの場合は芝の状況や狙う球筋によって、ソールのセットの仕方は変わってくるべきと考えられます。
アイアンをソールした構え方でクレームを受ける場合がある?
アイアンのソールを芝面につけてテークバックをするときには、注意をしなければならない場面があります。
現在はゴルフ界のレジェンドとなった当時の人気プロが、世界トップクラスのプロにソールの仕方でクレームを受けたことがあるのをご存知ですか。
すでに30年前のことなので、当時の日本でのルールでは寛容だったのかもしれません。
ロングホールのファーストショットがラフに入り、セカンドショットでドライバーを選択しました。
ここで一旦ボールの後ろにソールし、無理と判断してアイアンに持ち替えたのです。
この行為を、「ボールの後ろでソールするとき、故意に芝を押し付けている」というのがクレームの趣旨でした。
このときの委員会裁定はセーフでしたが、3番ホールからはソールが気になりだしたのか、崩れていくことになります。
クレームを出した選手は、試合後に「ゴルフのルールは世界共通でなければならない」と残していったのですが、同じことはアイアンの構え方でも起こりうるものなのです。
アイアンの構え方はスイングプレーンによって変わる
アイアンの構え方は、上半身を前傾させて肩から地面に向かって腕を真っ直ぐに下ろします。
肩からぶら下がった手でグリップを握ると、アイアンのシャフトが短くなるほどボールは近づいてきます。
ボールとの間隔が狭くなると、スイングプレーンの勾配が急になります。
いわゆる縦振りのスイングになるわけですが、この状態でソールを浮かせると、インパクトでも同じようにヘッドが浮いた状態になりそうな気がするものです。
横振りのスイングは、テークバックとダウンスイングでスイングプレーンが変わることを、一般的にオンプレーンと呼んでいて通常のことです。
そのためシャフトの長いアイアンの場合には、ソールをつけずにテークバックをしても、違和感なくインパクトで合わせることができます。
ところが縦振りになると、アドレスよりもインパクトのときグリップ位置を下げなくてはと意識の中に残ってしまいます。
結果的にグリップが下がりすぎて、ダフリの原因となるわけです。
パター打ちするときのアイアンの構え方とソールの仕方
アイアンのグリップを短く握ることで、ソールを浮かしてアドレスをとっても、不思議なことにダフリはなくなります。
短く握るというのは飛距離を抑えるという意味でもあるので、ワンクラブ大きな番手を選択して、コンパクトなスイングで距離を合わせれば問題はないわけです。
練習場でのスイング作りと違って、ゴルフコースでアイアンを使用するときは、距離を合わせたスイングが求められます。
8番アイアンだから必ず140ヤード飛ばす必要はなく、グリーン周りからの20ヤードの転がすアプローチでも使うのがゴルフなのです。
パッティングと同じ打ち方をするそうしたアプローチでは、構え方もパターを持つときとほぼ同じ状態になります。
パターと同じ長さにするためには、グリップを短く握って、前傾姿勢を深くします。
このとき8番アイアンのヘッドは、トゥ側はソールしていますがヒール側は浮いているかもしれません。
そのままトゥ側だけが接地する状態でインパクトを迎えると、トゥにだけに抵抗がかかるためフェースは開く可能性が高くなります。
ソールしないアイアンの構え方で大事なインサイドのヘッド
アイアンの構え方で大事なのは、ソールをするか否かの選択ができるということです。
ソールする構え方しかできないと、バンカーショットや深いラフからのアプローチでは、確実なミートができない場合があります。
一方でソールをしないで常にヘッドを浮かせた状態で構えると、手首や腕に力が入り柔らかいショットが難しくなります。
もともとゴルフの基本は「再現性」ですから、インパクトでの正しい入射角は構え方が影響を与えます。
そう考えると、ソールを浮かせた構え方をする場合スイングの最下点に到達する少し手前を想定して、ヘッドをセットする必要があります。
ここで大事なことは、スイングの少し手前のヘッドの位置です。
上から下へのダウンスイングの観点からは、ボールよりも数センチ後ろにヘッドをセットすれば良いのですが、背骨を中心とした円のスイングの観点では、「少し手前」は飛球線の後方に到達していません。
つまりヘッドは飛球線よりもインサイド側でセットしなければならないと考えられるのです。
アイアンのソールを浮かせる構え方がスタンダード?
アイアンを構えたとき、フェース面は飛球線に対して垂直にセットしているはずです。
ここからインサイドに引くと、トゥ側から開いていきます。
ソールをしない構え方をする場合、ボールからの間隔と高さを考慮して、フェースを開き気味にしてセットをしなければなりません。
しかもスイングの最下点であることを考えると、スイートスポットにボールを合わせるのではなく、若干トゥ側で合わせるようにするのが正しい構え方です。
特にアイアンはテークバックでの体重移動が少ないため、回転軸を中心とした円のスイングに近い形になるので、インパクトの直前までフェースが開いていることを理解しておくことが必要です。
このヘッドの軌道の原理さえ理解していれば、ボールとの間隔やフェースの開き具合は、練習によって習得できるはずです。
そして実践では、このソールを浮かせた構え方のほうが活用度が高くなるので日ごろから練習をしておきましょう。
ソールを浮かせる正しいアイアンの構え方を練習しよう
練習場では、人工芝にソールするアイアンの構え方をしていると思いますが、実践ではソールを浮かせてセットする場面が多いものです。
そのため日ごろからソールを浮かせた練習をしておかないと、上手くミートすることができません。
そこでフェースを開いてトゥ側でボールに合わせると、正しいセットがしやすいでしょう。