アイアンのヘッドスピードを変えて飛距離を調節する方法

アイアンショットでターゲットまでの距離を打ち分けるときは、フェースの角度を変えるか、ヘッドスピードの速さを変える必要があります。

そこで今回は、アイアンの番手が持つ本来の飛距離と、狙う距離の差を埋めるための打ち方、考え方についてまとめます。

アイアンはヘッドスピードを上げて飛距離を出す道具ではない

ドライバーは飛距離を狙う道具ですから、飛距離の3大要素である初速を高めて、適正な打ち出し角を保ち、バックスピン量を抑える打ち方が要求されます。

対してアイアンは距離を打ち分ける道具です。

ピンポイントにボールを運ぶ道具ですから、特段に飛ばす必要はありません。

そのアイアンに設定されているロフト角通りにインパクトができれば、あとはヘッドスピードの違いで飛距離は決まります。

一般的にはヘッドスピードを高める努力は必要なく、ターゲットまでの正確な距離を刻むことのほうが重要です。

仮に7番アイアンの飛距離が140ヤードだとしましょう。

145ヤードの距離を出したいときに、無理なスイングでヘッドスピードを上げて、5ヤード飛距離を伸ばそうとすると運良く打てることもあるでしょうが、大抵ミスショットが起こります。

この場合は6番アイアンを1インチ短く握って普通にスイングするほうが良く、150ヤードからおよそ5ヤードマイナスのショットができるようになります。

問題があるとしたら、ロングアイアンとミドルアイアンの境目となる距離かもしれません。

ヘッドスピードの強化よりロングアイアンの飛距離が大事

ロングアイアンが苦手というのは珍しいことではありません。

ティーアップしたボールであれば苦もなく打てるのに、芝に上にあるボールだと不安を感じる場合があります。

スイング軌道が安定していないことで、インパクトのときのヘッドの入射にバラつきが生じるためにミスショットになる可能性があるからです。

つまり練習不足が原因なのですが、それを「ロングアイアンは苦手」で片付けてしまい、他のクラブを練習していることが多いようです。

ひたすらに素振りを繰り返して、スイング軌道が安定してきたら、あとはフェースの芯でボールをとらえられるように練習をするだけで上達できます。

他のクラブと同じ練習をすれば良いだけなのですが、使用頻度が少ないことから練習を怠り苦手意識だけが残ってしまうのかもしれません。

シャフトが長いほどヘッドスピードは速くなり飛距離は伸びますから、ターゲットまでの距離を減算することを考えれば、長いアイアンほど練習が必要になります。

長いアイアンはヘッドスピードが速くなり飛距離は伸びる

シャフトの長いアイアンほどヘッドスピードは速くなり、飛距離は伸びることになります。

アイアンの飛距離は、フェースの角度であるロフト角と、シャフトの長さが関係してきます。

飛距離の3大要素に照らすと、初速はシャフトの長さで、打ち出し角とスピン量はロフト角が影響を与えます。

シャフトの長さがヘッドスピードを速くするので、スイングスピードが同じでも、シャフトが長いほどインパクトの衝撃は大きくなります。

一方で打ち出し角はロフト角が変わらなければ、飛距離に影響を与えることはありません。

ただしスピン量はヘッドスピードの速さによって回転数が変わるため、ロフト角が同じでも違ってくることになります。

スピン量は、インパクトのときのボールのバックスピン量を表したものなのです。

ドライバーショットでのスピン量は、浮力としての役割もありますが、ほとんどはブレーキとして位置づけられるため、回転数を減らすことが飛距離を伸ばす要因となると考えられています。

一方でアイアンにおけるスピン量は、ピンポイントにボールを運ぶために必要なものと考えています

アイアンはヘッドスピードよりロフトの違いが飛距離に影響

ロフト角を変えずにアイアンショットをした場合、ヘッドスピードの違いが飛距離の長さになります。

しかしながらアイアンを構えて飛ばそうと考えたときは、ヘッドスピード上げる努力をするよりも、フェースを立ててロフト角を小さくするのが一般的です。

フェースを立てることで、7番アイアンが6番アイアンのようなロフト角になり、10ヤード飛距離を伸ばせるからです。

仮に7番アイアンのシャフトの長さが37インチで、ロフト角が30度だとします。

体の中心でグリップを構えるところを、左腿の内側でハンドファーストに構えると、およそ7センチ左側に移動するので、フェースは約4度立って6番アイアンと同じロフト角になります。

あとはダウンスイングをするときに、ハンドファーストと同じ位置でインパクトができれば、飛距離はおよそ10ヤード伸びることになります。

飛距離アップの基本はヘッドスピード上げることですが、ロフトを立てる打ち方ができれば、ヘッドスピードを上げることなくプラス10ヤードは可能になります。

アイアンの飛距離はヘッドスピードとロフトの2択

アイアンショットで飛距離を伸ばそうとするときは、ヘッドスピードを上げるかロフト角を立ててフェースを合わせるかの2択で選べます。

一方で距離を短く打つためには、意識的にヘッドスピードを遅くして飛距離を縮めます。

ヘッドスピードを遅くするには、トップの位置を下げて振り幅を小さくするのが一般的です。

どのスイングも同じスイングスピードであれば、例えばハーフスイングはフルスイングの7割で換算するといった距離調節を行います。

5ヤード単位で短く打つのであれば、指の太さ1本分グリップを短く握って、普通にスイングをすればヘッドスピードが少し落ちて飛距離を調節することができます。

このようにヘッドスピードを遅くするときの注意すべき点は、スイングスピードを変えないことです。

普段通りのスイングスピードのまま、振り幅を変えるか、グリップの握りを変えるかで距離調節をすることが大切です。

トップの位置をフルスイングまで引き上げて、そこからスイングをスローにする手段を選択すると、体が開いてしまいミスショットになってしまいます。

振り幅でヘッドスピードを変えてアイアンの飛距離を調節する方法

アイアンショットの距離調節でヘッドスピードを落とす場合でも、スイングのリズムを変えてはいけません。

テークバックで通常のトップの位置まで引き上げてフワッとしたスイングをしたり、インパクトの直前でスイングスピードを緩めて調節をしたりと、スイングリズムを変えてしまうことがダフリやトップの原因になるからです。

その番手が持つ飛距離よりも短く打つ場合には、番手ごとの調節した飛距離を知っておく必要があります。

ロングアイアンからショートアイアンの場合には、番手間の飛距離は10ヤード刻みで設定されていますから、極端に言えばグリップを短く握って10ヤードマイナスで打つことができれば問題ありません。

しかしながらウェッジは、ターゲットまでの70ヤードや40ヤードといった幅広い距離を打ち分けなくていけません。

そのため、短く持ったうえでスイング幅を小さくし、ヘッドスピードを落とすスイングをすることが求められますが、それができればインパクトの衝撃を微調整し、いくらでも飛距離も縮められるようになります。

ただしスイングアークは同一であることを理解して、捻転するスイングを心がけることで、無用なミスショットを防ぐことが大切です。

アイアンの飛距離の打ち分けはヘッドスピードを変えること

アイアンショットでターゲットまでの距離を調節するためには、長い飛距離が打てるように苦手なロングアイアンを使いこなすための練習が必要です。

あとはそれぞれの持つ飛距離より短い距離を打ち分けられるように、振り幅を変える打ち方とグリップを短く握る打ち方を習得しましょう。

スイングスピードを変えずヘッドスピードを自在に変えることができるようになれば、コースマネジメントの幅は大きく変わります。