アイアンの飛距離に物足りなさがあれば、それは単にヘッドスピードが遅いだけかもしれません。
インパクトで強い衝撃を与えることでボールは飛ぶのですから、ヘッドスピードの速さは大事です。
今回はヘッドスピードを速くするための練習方法を紹介します。
アイアンのヘッドスピードが遅いと飛距離は出ない?
ショートホールのティーショットで、同伴プレーヤーと2番手も違うようだと、アイアンのヘッドスピードが気になるとところです。
「飛距離=ヘッドスピード」と考えると、番手の違いはヘッドスピードが遅いということにつながります。
ただフェースを立てて、そのアイアンが持つロフト角を変えて打つと、飛距離は変わるものです。
7番アイアンのロフト角が33度で、そのままショットすれば140ヤードの飛距離が得られるとして、グリップを左側で構えるハンドファーストにするとフェースが立つので150ヤードになることがあります。
これはロフト角33度を4度立てることで、7番アイアンが実質6番アイアンになったようなものです。
4度というとイメージしづらいですが、パターの多くはロフト角が3度~4度なので、あの斜度の分だけ傾けただけで10ヤードの距離の差が生まれるのです。
必ずしもヘッドスピードが遅いからアイアンが飛ばないのではなく、比較するプレーヤーがフェースを立てているか、もしくは自分のフェースが寝ていることが考えられます。
本気で振っていないからアイアンのヘッドスピードが遅いのでは
さきほどお話したアイアンのインパクトロフトは適正なのに飛距離が伸びないのであれば、やはりヘッドスピードが気になります。
ヘッドスピードが遅いこととスイングスピードが遅いことは、必ずしも一致するものではありませんが、スイングスピードが速いに越したことはありません。
スイングスピードを速めるには、単純に「強いスイング」が求められます。
これは力みのあるスイングではなく、スピードを加速させるスイングです。
アイアンのヘッド側を左手で握り、素振りをしてみましょう。
ヘッドの重さがない分だけ速く振れるはずなので、風切り音が聞こえるまで振ってみましょう。
何度か素振りをしただけで汗ばむと思います。
これが「強いスイング」なのですが、さらにスタンスの中心より右側で聞こえる音を、左側で聞こえるように振ってみてください。
コンパクトなダウンスイングで、フォロースルーを大きく取ることができれば、左側から風切り音は聞こえてくるようになります。
これで「ヘッドが走っている」ことが実感できたはずです。
切り返しに原因があってヘッドスピードが遅い可能性
自分ではスイングスピードを上げていると思っていても、アイアンを逆さまに握って素振りをしてみると、実際には遅いことが実感できるはずです。
なぜ速いスイングができなかったのか、それは「捻転をするスイングフォーム」を気にしすぎているからです。
グリップの握り方やテークバックの動作など、それまでの人生で体現したことのないもので、最高のパフォーマンスをしようとしても、上手く結果が得られるはずはありません。
まずは自分の身体能力を最大限に引き出して、次に正確なスイング軌道を追及していくとヘッドスピードが遅いと悩むことはなくなるはずです。
スイングスピードを上げることの必要性が実感できたら、次にスイングフォームをチェックしましょう。
グリップはしっかり握っていると思いますが、テークバックでトップまで引き上げると、緩んでしまうことがあります。
トップで左手小指が離れてしまうようなら、完全に緩んでいて、ダウンスイングに切り返すとヘッドが遅れてしまいます。
このヘッドの遅れが、ヘッドスピードの遅れに繋がっています。
オーバースイングによるアイアンのヘッドスピードが上がらない
トップでグリップの握りが緩むのは、テークバックのスピードが速すぎるからです。
ダウンスイングと同じくらいのリズムで、アイアンを引き上げてしまうため、ヘッドの重みに耐え切れずに左手の小指や薬指を緩めてしまいます。
本来は斜めになっているはずのシャフトは、指が緩んだことで地面と平行になっているかもしれません。
すると切り返しでは握り直して、シャフトを立ててからダウンスイングを開始しなければなりませんが、緩んだまま振り下ろすとヘッドが遅れてしまいます。
同じような状況に左手首が甲側に折れるオーバースイングがあります。
指は緩まずに手首を甲側に折って、アイアンの加重を受けてしまいます。
左手首が甲側に折れていると、それに右手がかぶさるため、右脇が開いて右肘は浮いてしまいます。
ダウンスイングで開いた右脇を閉めて、浮いた右肘を脇腹につけるため、上半身が右に曲がりスイングフォームが崩れて、ヘッドスピードは遅くなります。
オーバースイングの根本であるテークバックのリズムを変える
テークバックでヘッドを振り上げるリズムを改善すれば、指が緩むことはなくなりますし、テークバックの原因は取り除くことができます。
ただ1度覚えてしまったリズムは、簡単に変えることはできないものです。
まして上半身が右に曲がっているようなら、インパクトで左腰がスエーしている可能性があります。
最初に行ったアイアンを逆さまに握ったスイングを思い出してください。
ダウンスイングではあのスイングスピードが必要なのに、テークバックでスピードを上げてしまったことで、反動を吸収している間に次の動作が遅れて、遅いヘッドスピードのスイングを作ってしまったのです。
速いリズムで振り上げたのは、打ち気に逸(はや)ったことが根本にあります。
ただこれは最初のころの話で、何度も同じリズムを繰り返していると、違うリズムではスイングができない身体になってしまいます。
改善するために今のリズムを壊すよりも、新しいリズムを植えつけたほうが簡単です。
ハーフスイングを練習しましょう。
フルスイングの途中で動作を止めると、新しいリズムが生まれます。
途中で止めなくてはという意識があるので、速いテークバックが消えるはずです。
アイアンの遅いヘッドスピードを確実に改善できる方法
ハーフスイングのリズムが合うようになると、いずれはフルスイングに戻さなくてはいけなくなります。
しかしながらこの状態で戻すと、また同じことの繰り返しになるので、ハーフスイングの時点でテークバックの方法を変えてみましょう。
アドレスからテークバックに入るとき、左肩を回してグリップを上げようとするはずです。
これを止めて、最初に飛球線に対してシャフトが平行になるように、左手甲を外側に向けるのです。
グリップ位置を動かさずにヘッドを持ち上げると、アーリーコックが出来上がります。
この状態でテークバックをして、左腕が左肩の位置まで上がるとハーフスイングになり、そのときアイアンのシャフトな地面と垂直になっているはずです。
アーリーコックはヘッドが上がっていることから、テークバックで速い引きはできません。
この形でフルスイングのトップの位置まで引き上げても、以前のようなリズムになることはないはずです。
しかもコックが形成されていますから、リリースすればヘッドスピードが加速して、今まで以上に速いヘッドスピードになります。
これでアイアンのヘッドスピードが遅いという悩みも消えるはずです。
アイアンのヘッドスピードが遅いと感じたら確認から始める
他人と比べてアイアンの飛距離が少ないと、ヘッドスピードが遅いのではと考えても不思議ではありません。
まずは自分のアイアンのロフト角を調べて、飛ぶアイアンなのかを確認しましょう。
その上で速くする方法は、アーリーコックでテークバックをすることです。
もちろんコックを使うスイングができることが必須なので、リリースのタイミングが合うように練習が必要になります。