ドライバー次第でティーアップを低めで打つことができる

ドライバーはティーアップしたボールを下から打つ道具のひとつです。

そうしたアッパーブローが可能なティーの高さが必要ですが、それだけにミートするのが難しいともいえます。

今回はあえてティーを低めにすることで、フェアウェイウッドと同じように打てる方法を紹介します。

ティーアップを低めにするとドライバーの飛距離はどうなる?

ドライバーのティーアップを低めにすると飛距離はダウンするのが一般的ですが、中には飛距離がアップすることもあります。

ドライバーはティーの上に乗ったボールを下から打つ、アッパーブローのインパクトがセオリーです。

ティーアップしたボールの手前にスイングの最下点を定めて、そこから上がりかけたところでインパクトをすると、フェース面は上を向いているのでロフト10度前後のドライバーでもきれいな放物線を描いて飛距離を稼ぐことができます。

飛距離がアップするドライバーショットの打ち出す角度は、ヘッドスピードによって異なります。

一般的には打ち出し角14度が綺麗な放物線を描いて飛距離が伸びるといわれいていますが、これはヘッドスピード48m/s前後のゴルファーが対象になります。

いわゆる「プロ並み」の振りができれば14度で十分なのですが、ヘッドスピードが平均38m/s~43m/sといわれる一般ゴルファーの場合は、打ち出し角は16度がもっとも飛ぶといわれています。

つまり飛距離アップにはアッパーブローが必須条件なのですが、空振りしてからインパクトを迎えるスイングはヘッドスピードをさらに落とす可能性があるので、レベルブローのスイング軌道のほうが飛距離を伸ばせる可能性が高くなると考えられます。

低めのティーアップだとドライバーの飛距離はどれだけ落ちるのか

ドライバーのティーアップを低めにすると、打ち出し角が足りずに飛距離はダウンしてしまいます。

一般のアマチュアゴルファーであれば打ち出し角は16度が適しているといわれていても、市販されている多くのドライバーのフェースの角度は11度程度しかありません。

そのためインパクトのときにフェース面を5度は上に向けないと、正しい打ち出し角にはならないのです。

アイアンの番手間は4度刻みですから、番手1つ分よりも大きな角度をつけるアッパーブローのスイングをしなければなりません。

そのためにティーアップを高くしたほうがプラス5度の角度で打ち出しやすくなります。

つまり一般ゴルファーは高いティーアップのほうが飛距離を出すことができるといことになります。

ただティーを高くするほどスイングの最下点からインパクトまでの距離が長くなるので、上手くフェースを合わせるのが難しくなるわけです。

ところがロフト角の大きなスプーンを使ったとき、ドライバーよりも飛距離が出ることがあるはずです。

ロフトのあるドライバーなら低めのティーアップで打てる!

ティーショットでドライバーを使わずに、スプーンを使ったほうが飛ぶことがあります。

もちろんクラブの長さやフェースの広さから考えても、インパクトではドライバーのほうが反発力は強く飛ぶはずです。

それでもスプーンが飛ぶのは、まさに打ち出し角のお陰と考えられます。

スプーンのロフト角は15度前後ですから、ティーアップが低めでもレベルブローのスイングをするだけで16度前後で打ち出すことができます。

ショートホールで使うショートティーの高さがあれば、十分な角度でボールは飛び出していくはずです。

そう考えると、ドライバーを10度前後のロフト角ではなく、スプーンに近い12度から13度のものを使うと、低めのティーアップでティーショットをしても飛距離は稼げることになります。

つまりドライバーショットだけで使う本来のアッパーブローのスイングを習得するよりも、アイアンやフェアウェイウッドと同じ使う場面の多いレベルブローのスイングでドライバーショットをするほうが簡単なはずです。

ティーアップは低めにするなら練習が必要

ロフト角の大きなドライバーであれば、ティーアップを低めにしてレベルブローのスイング軌道でティーショットを打つことができます。

上から下に振り下ろすスイング軌道の観点からすると、ヘッドスピードはスイングの最下点がもっとも速いはずです。

アッパーブローのスイングであれば、最下点から浮いたときにヘッドスピードを加速させなければならず相当の練習量が必要になります。

ところがレベルブローのスイングであれば、アドレスでボールの後ろにフェースを合わせれば、あとはそれを再現するだけで正しいインパクトができることになります。

ゴルフスイングを覚えたばかりの初心者でも簡単に打てるはずなのに、実際にはこの打ち方を実行しないのにはそれなりの理由があるでしょう。

飛距離を構成する要素は、ボール初速と打ち出し角、そしてスピン量の3つです。

初速と打ち出し角は問題ないはずですが、この打ち方ではスピン量のコントロールが難しいからです。

低めのティーで打つとドライバーのスピン量は増大

ドライバーのティーアップを低めにすることで、ボールを払い打つレベルブローのスイングが容易にできるようになります。

とてもシンプルな打ち方ですから、技量に関係なくティーショットができるはずです。

ただ飛距離という観点で考えると、フェースの角度によってインパクトのときにスピン量が増えてしまうので飛距離ダウンは否めません。

アッパーブローのときは、ロフト角の少ないヘッドを上に向けてボールを打っていましたから、スピン量を抑えることができました。

しかしロフト角の大きなドライバーでレベルブローのスイングをすると、インパクトでフェース面にボールが乗ってしまい、バックスピンがかかってしまうのです。

バックスピンのかかったボールは、スピンの影響で吹け上がってしまうため、飛球線の頂点に早く到達して勢いがなくなり落下してしまいます。

理想のバックスピン量は2500回転以下ですが、吹け上がるようなら4000回転以上あるかもしれません。

薄いドライバーならティーアップを低めにしても大丈夫!

ドライバーのティーアップを低めにすることで、アイアンと同じレベルブローのスイングはできますが、バックスピンがかかりすぎて飛距離ダウンになってしまうと説明しました。

特にフェース下目に当たってしまうと、間違いなくギア効果も相まってスピンは激増してしまいます。

ヘッドスピードは42m/s以下であれば16度の打ち出し角が必要ですが、ヘッドスピードが48m/sを超えれば14度で大丈夫ですから、ショートティー並みの低めのティーアップでも飛距離アップは可能です。

ちなみに世界のトッププロのヘッドスピードは55m/sに近づいているため、フェースを立ててロフト角を0度に近づけることで、強い反発力と方向性のバラつきを抑えています。

ただ常人である一般ゴルファーがこの域になる可能性は薄いので、ドライバー自体を変えることで対応するほうが賢明でしょう。

その際はコロンとしたヘッド形状ではなく、上から潰したよう薄いヘッド形状で、しかも奥行きの長いタイプのドライバーを選ぶべきです。

重心深度が深くなることで、打ち出し角も増え、かつスピン量が抑えられて直進力が増します。

ドローやフェードは打ちにくいですが、曲がるミスショットはなくなり、吹け上がりも抑えることができるのです。

ティーアップを低めにしても吹け上がらないドライバーを選ぶ

ドライバーのティーアップを低めにすると、アイアンやフェアウェイウッドと同じレベルブローのスイングでティーショットが可能になります。

そのとき打ち出したボールが吹け上がるようなら、今よりもシャローヘッドのドライバーを使うとスピン量を抑えることができ、綺麗な放物線を描くドライバーショットを打つことができるはずです。