ゴルフスイングやアドレスで姿勢が歪むときは腹筋を鍛えよう

ゴルフスイングで身体が不安定になったり、アドレスの再現ができないインパクトになったりしているようなら、回転軸に歪みがあるかもしれません。

その回転軸の歪みの原因は、なんと腹筋にあります。

そこでゴルフに必要な腹筋とその役割、そして鍛え方を紹介します。

アドレスで上半身を支える腹筋とゴルフスイングの腹筋は違う

アドレスでは上半身を前傾させてゴルフクラブを握り、そのグリップの位置がインパクトでも再現されれば、正しいインパクトができるようになります。

つまりアドレスで正しい姿勢をとることは、正しいインパクトに直結するのですが、その姿勢をキープできないとフェースをスクエアに合わせることはできません。

そのためには前傾姿勢が歪まないように、腹筋や背筋で支える必要があるのです。

体をねじるテークバックでは、上半身が浮き上がろうとするのを抑えるために、腹筋を意識して頭が上下しないようにしなければなりません。

また深い捻転をしようとして左肩が沈む場合があります。

これも腹筋が関係するのですが、一般的にイメージする腹筋と、ここでの腹筋は若干の違いがあります。

一般的に「腹筋」といえば、体の前面にある腹直筋のことをイメージすることが多いようです。

腹筋割れとかシックスパックとしても使われる筋肉で、筋力アップのトレーニングでの腹筋運動の多くは、この腹直筋を鍛えています。

もちろんゴルフでも体の前面にあるこの腹筋は重要ですが、同時に側面の腹筋も重要になってきます。

アドレスの姿勢を保つには腹筋を使うゴルフスイングが必要

アドレスからトップまでに前傾姿勢が歪むのは、肩の回転とグリップを引き上げる腕の動きが影響します。

肩を回転させるためには、体をねじらなくてはいけません。

体をねじると前面の腹筋もねじることになるので、筋肉の動きが制限されてしまいます。

全面の腹筋がよじれているために、体を支えるのは側面の腹筋です。

それは外腹斜筋と内腹斜筋、そして腹横筋の3つの側面腹筋です。

そのうち前面にある腹直筋と同じように、ボディの表面から筋肉のつき方が分かるのは外腹斜筋です。

筋肉ムキムキの人は、このアウターマッスルを鍛えた結果ですが、ゴルフのスイングには残りの2つの筋肉が重要になります。

内腹斜筋と腹横筋は、運動能力の向上やダイエットなどで良く聞くインナーマッスルです。

この2つの筋肉は、捻転で大きな役割を担う腰の回転に影響を与えることになります。

正しい腰の回転が上半身の上下動を防ぎ、正しいゴルフスイングにつながります。

腹筋を使った腰の回転でアドレスを再現する

ゴルフスイングで大事なことは、アドレスの形をインパクトで再現することですが、再現性を求めているのは姿勢ではありません。

アドレスでゴルフクラブを構えてヘッドをセットしたときの再現性を求めています。

クラブヘッドをセットするときは、ターゲットとボールを結ぶ線に対して、フェース面を垂直に合わせます。

アドレスでのスクエアなフェースと同じ形でインパクトができれば、ボールはターゲットに向けて飛び出していくはずだからです。

しかしスイングが安定しなければ、アドレスのときのセットは無意味になり、正しいインパクトはできなくなります。

そこを安定させるために、軸を中心とした円のスイングをしなければなりません。

この円のスイングの肝となるのが、軸を支える骨盤にあります。

骨盤の中心に背骨が立っているのですから、スイング中に両腰の高さが一定であれば、背骨が傾くことはなく軸を中心としたスイングができます。

回転する両腰の高さを一定に保つためには、側面の腹筋の力が必要になります。

腰が平行でないときは側面腹筋を強化する

ゴルフスイングの回転軸となる背骨は左右に傾くことなく、円の中心で真っ直ぐに立っていなければなりません。

背骨を支えている台座となるのが骨盤ですが、左右の高さが均等でなければ、背骨は傾くことになります。

左腰が下がって右腰が浮いていれば、背骨は左側に傾くはずです。

もしもアドレスの時点で腰が傾いている場合は、背骨を右に傾けることで両肩を地面と平行にしているはずです。

そのままテークバックが始まると、体が勝手に修正してしまい、軸は骨盤の傾きに合わせることになります。

つまり、左に傾いたスイングプレーンになってしまうわけです。

これでは、正しいインパクトはできません。

アドレスで腰を平行に保てずに左下がりになってしまうのは、体重が左に偏っているか、グリップの構える位置を左に置いて右肩を出して右腕を伸ばしているからです。

これを修正するためには、アドレスで体重を左右均等にかけて、側面腹筋を使って右腰を引いてテークバックを行えば、腰は地面と平行に回転をするはずです。

腹筋の下部に力を込めてアドレスする!

ゴルフスイングでアドレスしたときに、腹筋の下部に力を込めてみましょう。

腹筋の力で膀胱を押すと骨盤が立って、股関節から背骨の先端である頭まで、1本の芯が通ったように真っ直ぐになります。

この姿勢ができたら、右腰を引いてテークバックを開始します。

骨盤が立った状態で右腰を引くと、中心にあったはずの軸は右足の上に乗っています。

回転軸が右に移動したわけですが、骨盤は地面と平行なままですし、左肩も地面と平行に回転しているはずです。

この捻転では、腹筋のうちのインナーマッスルである内腹斜筋の強さが必要です。

アドレスの姿勢のまま、腹筋力だけで膀胱を押していると、ものすごく疲労感があるはずです。

まして一連のゴルフスイングの間、腹筋力だけでずっと膀胱を押しているわけですから、日ごろからの鍛錬が必要です。

ただし一般的な腹筋運動では、このインナーマッスルを鍛えることができません。

ゴルフのための腹筋を鍛えればアドレスは再現できる

前傾するアドレスで姿勢を保つためには、アウターマッスルである腹筋の腹直筋を鍛えなければなりません。

上半身を上下させる一般的な腹筋運動でも効果はありますが、腰を痛める危険があるので、頭を両手で抱えて肩甲骨が浮くまで屈伸するだけでも同じ効果が得られます。

一方でインナーマッスルである腹斜筋を鍛えるためには、仰向けに寝ながら自転車のペダルをこぐようなバイシクルクランチが効果的です。

仰向けに寝て手は耳の後ろに置いて、片足は床から浮かして真っ直ぐにして、もう一方の足は膝を直角に曲げて引き上げます。

曲げた膝と反対側の肘を近づける運動です。

両足と両肩が浮いた状態で、しかも体のひねりが必要なので、捻転と同じ動きに繋げることができます。

また日常生活では、どこでもできる深呼吸も効果的です。

息を吐き切ったところでさらにお腹を引っ込めます。

吸い込むときにお腹を膨らませて、再度息を吐きながら、30秒くらいかけてゆっくりお腹を引っ込めていきます。

アウターマッスルとインナーマッスルは1日1回、呼吸法は空き時間に何回でも行うことができれば、骨盤を回転させる円のゴルフスイングができるようになるはずです。

ゴルフの基本であるアドレスの再現性のために腹筋を鍛える

再現性はゴルフの基本と言われていますが、これはアドレスの姿勢のことではなく、ボールの後ろでセットしたフェース面のことです。

正しいフェース面でインパクトをするためには腹筋を使った捻転が必要です。

そのためには、日ごろから腹筋を鍛えるための運動をしましょう。