ドライバーとアイアンではスイングの軌道が違います。
その他にもたくさんの違いはありますが、それを知ることができるとクラブの特性が分かり、より攻めのゴルフが可能になります。
そこで今回はドライバーとアイアンの違いを改めて考えます。
ドライバーとアイアンの違いは使用する目的にある
ゴルフの根本はティーグラウンドから放ったボールを、最小打数でカップに入れることです。
ティーグラウンドでは、パー3のショートホール以外はほぼドライバーでティーショットを打ちます。
一方でセカンドショット以降では、圧倒的にアイアンを使用することが多く、ドライバーとアイアンでは使用目的が違ってきます。
例えばドライバーは目印となる樹木の方向に狙いを置きますが、アイアンはヤード刻みでターゲットポイントを決めて使用するはずです。
ピンに向かって前進することは同じですが、狙い目に違いがあります。
そもそもドライバーは飛距離を目的とするクラブですが、アイアンはピンポイントにボールを運ぶ道具です。
この違いはスイングの仕方やボールのとらえ方、またヘッドスピードの加速の仕方でも違ってきます。
そしてもっとも違うのが体重移動です。
飛距離を求めるドライバーは右足から左足に向けて体重移動をしてボールをとらえますが、アイアンは軸を中心にぶれないスイングを目指します。
ボールの位置に違いがあるドライバーとアイアン
ドライバーとアイアンの違いで最初に目につくのは、ボールポジションとティーアップではないでしょうか。
ドライバーのボールの位置は、左足内側のかかとの延長線上で、グリップを構えるときは左腿の内側辺りが一般的です。
さらにドライバーに限っては、ティーアップしたボールに高さがあります。
ティーショットはドライバー以外のクラブでも行いますが、そのときはショートティーを使って地面とほぼ同じ高さにボールをセットするはずです。
一方でアイアンのボールの位置は、使用する番手によって若干違いがあります。
基本は、スタンスのセンターに置く7番アイアンです。
センターにボールを置くということは、スイングの最下点もスタンスのセンターということになるので、身体の正面でボールをとらえることができます。
番手が1つ上の6番アイアンならボールは半個分左に寄り、番手が1つ下の8番アイアンならボールは半個分右に置きます。
左足のかかとを基準とするドライバーと、スタンスのセンターを基準とするアイアンではボールを置く位置に違いがあって当然なのです。
アイアンと違いドライバーは体重移動のスイングがある
ドライバーとアイアンの違いは、ボールの位置だけではありません。
アドレスでのスタンスは肩幅が基本ですが、ドライバーの場合はやや広めで、アイアンの場合は狭める場合もあります。
このスタンス幅の違いは、目的とするものの違いからきています。
ドライバーは飛距離を狙いますから、下半身を安定させるためにワイドスタンスをとります。
上半身の揺れは、ダイレクトにグリップの高さに影響を与え、正しいインパクトができなくなるからです。
ただこのミスショットの回避は1つの理由ではありますが、もともとドライバーの役目は飛距離を伸ばすことです。
そう考えると飛距離アップのためのワイドスタンスということも知っておくべきです。
「体重を乗せたボール」を打つためには、テークバックで体重を右足の内側まで移動し、そこからダウンスイングで左足に向けて全体重を移動します。
腕の振りのほかに左に移動する体重によって、強烈なインパクトを迎えることは想像がつくと思います。
ドライバーは飛距離、アイアンは安定感
ドライバーが体重を乗せたインパクトをしようするのに対し、アイアンは極力体重移動のないスイングを目指しています。
なぜならアイアンは正確なミートが必要なので、体重移動をせずに軸(背骨)を動かさずに捻転を活かした円のスイングをしたいからです。
上から見たときに丸い円の軌道をとるのがアイアンのスイングで、右足の内側から左足の内側までのインパクトゾーンは直線の軌道を通るかもしれません。
アイアンは弾いてナンボの世界ではなく、狭い仮想のターゲットエリアにボールを運ぶことが目的です。
それだけに精度の高いショットが重要になるので、フェース面がブレる可能性の高い体重移動を控えて、不動の軸を中心とした円のスイングを狙っていくのがアイアンとドライバーの違いということになります。
一定のスイングができるようになったら、次はスイング軌道の違いです。
ドライバーはアッパーブローのスイング軌道で、アイアンはレベルブローもしくはダウンブローのスイングとなります。
スイング軌道に違いがある
ドライバーとアイアンの外見的な違いは、スイングの軌道です。
ドライバーはティーアップしたボールを打つために、下から打ち上げる軌道でスイングをします。
一方、アイアンはボールに合わせて払い打つように打ちます。
ライが悪い場合や深いラフなどでは、鋭角的に振り下ろすスイングにすることもあるでしょう。
ドライバーはアッパーブロー、アイアンはレベルブローかダウンブローのスイングです。
パット見は似ているようですが、フェースの角度が違います。
インパクトの瞬間のドライバーのフェースの向きが上を向いているのは、打ち出し角を14度から18度の間にしたいからですが、ドライバーのロフト角は10度前後なのでフェースを上に向ける必要があります。
一方でアイアンのスイングは、基本的にレベルブローでボールの側面を払い打ちます。
ロフト角を大事にして、その打ち出し角でインパクトすると適正な距離を出すことができるからです。
アイアンはさらにダウンブローのスイングがあります。
スタンスの違いでドライバーとアイアンの特性の重要性を理解
ドライバーをアドレスするとき基本はスクエアスタンスですが、アイアンをダウンブローで打ち込むときはスクエアスタンスとは限りません。
特に鋭角的に振り下ろす場合は、オープンスタンス気味にするとヘッドの抜けが良くなり、いわゆるパンチショットのような地面の中で止めて終了するスイングは回避できます。
またスタンスの向きだけではなく、幅にも違いがあります。
ドライバーは飛距離を狙うことから大きな振りになるので、下半身は安定させるためにワイドスタンスをとります。
一方でアイアンは肩幅のスタンスを基本として、打ち出す球筋によっては両足のかかとの間隔が握りこぶし1個分ということもあるでしょう。
そして打ち出す球筋は、ドライバーは極力バックスピン量を抑えるように打ち、アイアンはスピン量を増やして止める球を狙っていくという大きな違いがあるのです。
つまりそれぞれの目的に合ったスイングの仕方をすることで、それぞれのクラブが持つ特性を活かすことができるのです。
違いを認めて活かすことが大事
ドライバーとアイアンは、ボールを前進させカップに近づけるという目的は同じですが、ドライバーは飛距離を求め、アイアンは距離と方向の正確性を求め、それぞれに違いはあります。
そのため互いの違いを正しく知って活かすことができれば、レベルアップしたプレーができるようになるはずです。