シャフトの硬さがピッタリ合うと、荒れ球が収まると言われています。
ただそのピッタリ合うものを探すのを難しくしているのがシャフトのスペック。
そんなたくさんの種類の中から自分に合った硬さや性能を選ぶには、その基準を知ることが大切です。
今回はシャフトの硬さを表示している種類と、適合する基準を解説します。
シャフトの硬さを選ぶために種類を知ることが大事
シャフトの硬さには種類があります。
適切な硬さのシャフトを使うとインパクトのタイミングが揃い球筋が安定しますが、それには適切なシャフトの選び方が必要です。
元々シャフトの硬さは好みの問題が関わってくるため、硬くて重いシャフトを必ずしも筋骨隆々のゴルファーが使用するとは限りません。
その尺度はたくさんありますので、自分に合った選び方を見つけることが、良いシャフト選びに繋がります。
まずは性別による基本的なシャフトの硬さの選び方があります。
一般的には、女性は「L」を使用するというすでに固定概念が出来上がっていますが、少しパワーのある女性は「A」を選択しているようですし、ハードヒッターは男性が使う「R」を使っています。
確かに女性といっても学生時代にソフトボールや野球、ラクロスやホッケーなどの経験があれば、男性並みのスイングスピードを持っていても不思議ではありません。
当然シャフトの硬さも幅がなければ対応できないので、超がつくほど柔らかいものから硬いものまで、その人の運動スキルに合ったものを選ぶべきです。
お寿司の「上・中・並」と一緒のようなシャフトの硬さの種類
男性のシャフトの硬さには、「上・中・並」のような固定概念の種類選択があります。
それはシャフトの硬さが技量のレベルを表しているという風潮があり、上は恐れ多いけれど、並は蔑むような感覚があります。
「初心者はRから」のように、技量によってシャフトの硬さを決めていることが多いようですが、それでは適正なシャフトの硬さを選ぶことはできません。
従来は、男性は「R」から始めて少し上手くなってきたら「S」に昇格し、プロ並みの腕前になると「X」を使用する風習はありましたが、現在ではパワーに置き換えていることが多いようです。
一般的なパワーの持ち主(体型)は「R」とし、ある程度の体力自慢のパワーがあれば「S」、アスリートタイプのパワーの持ち主は「X」を選択します。
これらの性別や見た目で選択する方法はある意味大雑把のようですが、実はまったく合っていないわけでもありません。
それはスイングスピードやヘッドスピードの判別の際、見た目で判断しているからなのです。
幾通りも種類あるシャフトの硬さを判別するデータの活用
何事も見た目は大事です。
ゴルフクラブのシャフト選びでも、種類がある硬さの中から選び出すのには、最初に2種類を選んで、それからマッチングをしていくことになります。
つまり最初の2種類は見た目で選ぶということです。
感じ方によってシャフトの硬さは選ばれますから、そう考えると実際に手にとって確認するのが一番の方法なのかもしれません。
ただ基礎的なデータがあれば、自分に合ったシャフトの硬さはもっと楽に見つけることができます。
シャフトの硬さを判別するのはヘッドスピードです。
自分のヘッドスピードを知っていれば、ある程度適正な硬さは分かりますので、あとは実際に試打等で確かめてみると良いかもしれません。
ちなみにヘッドスピードによるシャフトの硬さの区分は交わっている範囲があるので、ヘッドスピードが枠内にあれば適合するシャフトの硬さは2種類あることになります。
シャフトの硬さの種類は詳細なデータに基づいて選ぶ!
ヘッドスピードによるシャフトの硬さ選ぶ場合には、まず自分のヘッドスピードを知らなくてはいけません。
ゴルフ経験者であれば誰もが知っているように、ゴルフスイングはある程度振ってからでないと実際の速さに達しません。
ショップに顔を出してついでに測ったデータは参考値にはなりませんし、また普段は振ったこともないようなマン振りも意味はありません。
いつもと同程度のヘッドスピードが出せるように、事前に練習場などで柔軟体操のつもりで打ち込んでから、ショップの計測器を使うことをおすすめします。
もちろん使い慣れたグローブやシューズは持参して、スーツ姿のようなことはないように事前準備が重要です。
ヘッドスピードの計測が終わると、自分が選ぶべきシャフトの硬さの種類が分かります。
一般的な女性は「30~35m/s」がLで、少しパワーのある女性は「33~38m/s」でAを選択し、ハードヒッターは「36~44m/s」でRが適正と言われています。
男性の場合は「36~44m/s」がRで、少しパワーがあれば「42~48m/s」でSを選択し、ハードヒッターは「48~55m/s」でXを選択します。
もっと違う理由で用意されたシャフトの硬さの種類
適正な硬さのシャフトを使うと球筋の安定が見込まれますが、その適正なシャフトの選び方には、見た目や性別ではなくデータに基づいたヘッドスピードによるもので判断すると説明しました。
ただそれぞれのデータの区分はかなりの幅があり、区分の中での最速と最遅速ではかなりの開きがあるのにも関わらず同じ硬さのシャフトを使うことになります。
そこで上限下限に近いゴルファーは選択することができるシャフトの硬さが交わっています。
そのため自分に合ったものかどうかは、最終的に自分の感覚で判断することになります。
前項で説明したように、RとSでは42~44m/sがかぶっているので、好みで選ぶしかありません。
実はこの交わったRとSこそが、「上・中・並」のグレードなのです。
誇り高きゴルファーのプライドをくすぐることで、販促に結び付けたと言っても過言ではありません。
そんな批判もあってか、RとSの間にSRという区分を設けたシャフトが登場したのです。
硬さのラインナップは販促用?
現行での硬さの種類は、一般的に「L→A→R→SR→S→X→XX」という順番になっています。
ただこの表記には統一した基準はなく、メーカーによって、さらにはモデルによって違ってきます。
あるメーカーのシャフトがSでも、別のメーカーが作った同じ硬さのシャフトはRということも普通にあり得ます。
もちろんメーカー内やモデルの中では明確な区分はできているはずですが、ヘッドスピードで分析するとしたら、このバラバラな硬さの表示法は、ユーザーが混乱するだけです。
ところが店頭では相変わらずRよりもSのステータスが上になっていて、見た目でRを勧めて、ゴルフ暦を聞いてからSに変えて勧めることがあります。
販売方法の一環とは言え、実は硬さはあまり重要ではないのかもしれません。
確かにシャフトの硬さはスイングを変えますし、適合するシャフトは球筋を安定させますが、その基準が明確ではない以上、実際には選び出すのは困難なのかもしれません。
正しいシャフトの硬さ選びをするのであれば、同じモデルのゴルフクラブでシャフトの硬さの違うものを用意して打ち比べて相性を見るのが、もっとも確実な硬さのものに巡り合う方法だと言えます。
シャフトの硬さ表記はあくまで参考程度
シャフトの硬さを表す記号が本当に性能を表すものなのか、その種類の多さと適合する基準の不明確さから真実について考える必要があります。
男性の場合はRもSもほぼ同一のゴルファーが使える現状をみると、硬さの上限下限は平均的ゴルファーすべてを網羅しているのかもしれません。