ドライバーに重りを貼ると簡単にチューニングできて、球筋を変えることができるのをご存知でしょうか。
最近は内蔵の重りを動かして調整するドライバーも多く登場しましたが、さらに微調整できるので試してみる価値はあります。
しかし、間違えた貼り方をしていると効果が得られません。
求める球筋によってどこに貼れば良いのか、正しい位置を覚えてください。
ドライバーの重りの貼り方の注意点
ドライバーへの重りの貼り方によって、スライス(プッシュアウト)またはフック(チーピン)の防止ができ、さらに高い球と低い球の打ち分けが可能になります。
ただし、重りを貼るときは以下の点に気をつけましょう。
はじめに重さです。
いきなり5グラム以上の重りを貼るゴルファーがいますが、まずは2グラムくらいから始めてください。
そこから微調整をしながら、最大でも4~5グラムまでに抑えてください。
それよりも重くなると、そのクラブが振りやすくなったとしても、他番手とのバランスが大きく狂ってしまう可能性があるからです。
ちなみに重りはいくつかの種類が販売されていますが、ロール式の薄めのもののほうがいろいろ調整しやすいのでおすすめです。
次に貼る場所も少しずつ調整します。
貼ったり剥がしたりを繰り返しながら、少しずつずらして最適の位置を見つけてください。
ここで注意点があります。
ラウンド中、故意に重りを剥がしてしまうと、規則によりそのドライバーは残りホールで使えなくなってしまうということ。
ただし自然に剥がれた場合は修復可です。
そのため重りは練習場で調整しましょう。
球のつかまりを良くしてスライスを防ぐための重りの貼り方
ドライバーで球が曲がるのはスイングによるものが大きく影響しますが、クラブの動き
からも見ることができます。
ではドライバーの動きから見たスライスやプッシュアウトの原因はどこにあるのでしょうか。
それは、インパクトでフェースが返らないことにあります。
フェースが返らないと球がしっかりつかまりません。
そうであるなら、つかまりを良くしてあげれば良いだけです。
そこでスライスやプッシュアウトを防ぐための重りの貼り方を確認します。
つかまりを良くするためには、ヘッドまたはソールのヒール寄り(シャフト側)に重りを貼ります。
インパクトでフェースが返らないのは、ヘッドの重心距離が長いことが要因のひとつです。
したがってここに重りを貼ることによってヘッドの重心距離が短くなり、フェースが返りやすくなります。
その結果、スライス防止になるのです。
ただし、元々スライスが出にくいドライバーを使っている場合に、ヒールに重りを貼ると必要以上にフェースが返りすぎてしまうことがありますので、気をつけましょう。
ドライバーでフックを打ちたくないとき
次にフック対策ですが、当然ながらスライス対策と逆になります。
インパクトでフェースが返りすぎるとフックやチーピンが出ますので、これを抑えなければなりません。
この場合のドライバーへの重りの貼り方は、ヘッドのサイドのトゥ寄り(先端側)になります。
クラウン部分には貼らないように気をつけてください。
クラウンに貼ると、鉛の淵が方向指示の役目を備えたとして違反になる可能性があるからです。
また飛距離を生むためにクラウンはたわむのですが、それを阻害してしまうこともあります。
トゥ寄りに重りを貼ることで、スイングしたときにヘッドが少し遅れてきてフェースが開き気味になります。
こうすることで、フェースの返りを少なくして極端なフック回転を矯正していくのです。
しかし、ドライバーでヘッドのトゥ寄りに重りを貼ると、想像以上に重く感じることがあります。
そんなときは少々手間がかかりますが、0.5グラム単位で調整してください。
また、貼る位置も重要です。
単純にトゥ寄りとはいっても幅がありますので、最適な場所を見つけなければなりません。
わずか1センチ動かすだけでも、振った感じがかなり違ってきます。
しっくりこない状態で無理に振っていると、スイングを崩してしまいますので気をつけましょう。
高弾道のドライバーショットを目指す貼り方
ドライバーショットで球が上がらない、という悩みはありませんか。
球筋だけではなく、弾道も重りの貼り方で矯正できるのです。
高弾道の球を打ちたい場合の貼る位置として、ひとつはソールの中心付近です。
ここに貼ることによって低重心となり、つかまりが良くなります。
ただし、初心者向けのドライバーは元々低重心のものが多くなってますので気をつけて貼りましょう。
もうひとつはソールの後方です。
この場合は重心深度が深くなるので、さらに高弾道のショットになります。
逆に球が上がりすぎて飛距離が出ないときは、ソールの前方(フェース寄り)に貼ってください。
この悩みがあるゴルファーはハードヒッターに多いのですが、バックスピンの回転数がありすぎて、球が吹き上がっているのが原因です。
ソール前方に重りを貼ることによって、重心が浅くなり適切な回転数にして低弾道にできます。
また、重心の位置を高くするためにトゥ寄りのクラウン近くに貼って吹き上がりを防ぐ方法もありますので、試してみてください。
シャフトへの重りの貼り方
今度はドライバーのシャフトへの重りの貼り方です。
重りをヘッドに貼るよりも、シャフトに貼る場合のほうがバランスにあまり影響を与えません。
ではどんなときにシャフトに貼るのでしょうか。
まず、ドライバー全体を重くしたいときです。
これにはいろいろなメリットがあります。
重くなれば体を使ってクラブを上げなければならないので、手打ちを防げるようになります。
さらにトップで溜めができます。
そしてクラブの慣性質量が増えて、暴れることを防げます。
するとこうした相乗効果で飛距離が伸びてくるのです。
もちろん、このときに重くなりすぎないように気をつけなければなりません。
また、ヘッドが重く感じるときにもシャフトに重りを貼ります。
手元が重くすると、相対的にヘッドが軽く感じ、振り抜きが良くなるのです。
どちらの場合もグリップのすぐ下に巻きつけるように貼ってください。
このときに重りが重なったり、すき間ができるような貼り方はしないでください。
もし、重なるようなら切って長さを調節し、すき間ができてしまったら重りの端をつぶしてすき間を埋めましょう。
ドライバー以外に貼る重り
ドライバーだけではなく、すべてのクラブで重りを貼って調整できます。
ここではアイアンとパターへの重りの貼り方を確認します。
アイアンの場合も、スライスを打ちたくないときはヒール寄り、フックを打ちたくないときはトゥ寄りに重りを貼ります。
なお、ソールに貼るのは基本NGで、バックフェースに貼るのが一般的です。
なぜならアイアンはソールが地面と接するため、すぐ剥がれてしまうのが想定できる場所には貼れません。
高い球を打ちたいときは、バックフェースの中心付近です。
そしてアイアンはすべて同じ場所に貼るのではなく、番手ごとに重りの位置を調整してください。
場合によっては、重りを貼らないほうが気持ち良く振り抜ける番手が出てくることもありますので、1本ずつ確認しましょう。
次はパターへの重りの貼り方です。
ストロークを安定させたい場合はフェースの反対側(裏側)、または両端に貼ると良いです。
またボールの転がりを良くしたい場合は、ソールのセンターまたは両端に貼ると良いでしょう。
重りを上手に貼って理想の球筋を手に入れよう
重りの貼り方ひとつでドライバーをはじめ、すべてのクラブをカスタマイズできます。
そして何度でも調節できるので、買い換えるよりもはるかに安上がりです。
本来はあくまでも微調整の範囲ですが、球筋が劇的に変わるゴルファーもいます。
今ある悩みはスイングだけが原因ではないかもしれませんので、重りの位置や重さをいろいろ試して理想の球筋を手に入れてください。