ドライバーは試打をしてから選ぶゴルファーが多いですが、ウェッジはアイアンセットのままや、ネットで購入して使用している人も多いのではないでしょうか。
ゴルフショップでも試打クラブが少ないのも要因ではあるようです。
ラウンドで最もバラエティに富んだ場面で使うクラブはウェッジですよね。
そのためスコアアップは、ウェッジセッティングで大きく変わってきます。
今回はウェッジのセッティング2本を軸に解説します。
ウェッジセッティング2本の基本は、自分の距離を知ること
一般的にウェッジとは、PW(ピッチングウェッジ)以下のクラブのことを言います。
PWはアマチュアで90~120ヤードの距離でしょうから、それ以下の距離を打ち分けるクラブということになります。
ウェッジ選びで大切なのは、そのクラブのフルショットの飛距離を知ることです。
例えば、PWの飛距離を90~120ヤードとするなら、AW(アプローチウェッジ )を60~90ヤード、SW(サンドウェッジ )を30~60ヤードといった感じです。
ウェッジはグリーンに乗せるときやバンカーなどで使用します。
距離の短いぶん正確さを要求されます。
ゴルフは「コースマネジメント」と良く言われますが、自分の飛距離を知り、その飛距離通りに打てれば、マネジメントはほぼ成功します。
あとはグリーンオンまで、残り30ヤード以下の距離をどのウェッジを使うかも重要です。
ボールを転がすのか、上げるのかで使うべきウェッジの種類も違ってくるからです。
2本のウェッジセッティングでは30ヤード以下の距離も考えて決めなくてはなりません。
それでは、まずウェッジの種類の違いを説明します。
ウェッジの種類を知ることでセッティングの2本を決める
どんな種類のウェッジがあるのか、そしてその特性の違いを知ることは大切です。
まずはロフト角で種類分けします。
現在はアイアンセットのほとんどがPWまでがセットになっていますから、PWのロフト角以下がウェッジのセッティングになります。
代表的な種類とロフト角は以下の通りです。
・AW 49度~53度
・PS(ピッチングサンド) 52度~56度
・SW 54度~60度
・LW(ロブウェッジ) 60度以上
一般的なウェッジ2本のセッティングは、PWから6度刻みで選びます。
PWが44度であれば、AW50度、SW56度といった感じです。
ただこれはあくまで一般論であって、自分に合うかは自身の飛距離と感性によって違います。
ロフト角の選択肢は非常に多くあります。
まずは自分のPWのロフトを確認して、飛距離に合わせてウェッジのロフト角を決めるのが大切です。
個人差はありますが、ロフト角が1度ごとに、3~4ヤード刻みで飛距離が変わる計算です。
この飛距離を参考にセッティングするのが良いでしょう。
また、ロフト角が上がるとボールも高く上がります。
アプローチには、転がすアプローチと上げるアプローチがあります。
どちらが得意かによって、ウェッジの選び方も違ってきます。
それには、ウェッジのソール(クラブヘッドの底の部分)が関係しますので、次にまとめます。
セッティングを間違えないためにソールの形状を確認しよう
ロフト角の次は、ソールとバウンス角(エッジからソールの角度)に注意してください。
バウンス角の目安は、10~15度が小さく12度が標準、13~16度が大きめです。
バウンス角は、大きいほど少々ダフってもソールの後ろ側から滑ってくれますので、ダフりやザックリが少なくなる効果があります。
ただし大きくなりすぎるとソールが先に地面に当たって跳ね上がり、トップする場合もありますので注意が必要です。
ウェッジのバウンス角は、どの場面で使うかによって決まります。
フェアウェイからグリーンを狙うのであれば、普通から小さめのバウンス角で操作性の良いウェッジを使い、バンカーやラフからは滑りの良い大きいバウンス角が良いと言われます。
こうしたウェッジの特性を知って、あとは自分が打ちやすいバウンス角のウェッジを選ぶぶことをおすすめします。
バンカーが苦手なゴルファーは、ウェッジセッティングを2本ではなく3本にして、パービルドのMSウェッジロフト角70度のような、バンカー専用ウェッジを持つのも良いでしょう。
ウェッジはピンに寄せることが目的のクラブですから、必ず2本にしなくてはならないセオリーはありません。
ただし、ウェッジを増やすと他の番手を減らさなければなりませんから、ドライバーからのトータルのバランスが重要になってきます。
あとはシャフトの硬さ。
これもアイアンがSだからと言って、ウェッジもSにする必要はありません。
ソフトに打った方が良いのであれば、Rにしても構いません。
自分のプレースタイルに合うウェッジこそが最高の武器になります。
2本にセッティングを絞るならどのウェッジの組み合わせにするのか
自分の飛距離、プレースタイルを考えて、ウェッジセッティングを2本にするにしても、迷ったり考えたりするかと思います。
これはこれで、ゴルフの楽しみのひとつ。
そこで迷えるウェッジセッティングの参考に、アプローチは転がすことを基本としているプレーヤーのセッティングを例に紹介します。
この方は、フルショット90ヤードのロフト角52度と、58度でフルショット70ヤードのウェッジを使っています。
アイアンセットのシャフトはダイナミックゴールドのS。
ウェッジはNSプロのSを使用しています。
ラウンドでは、60ヤードから90ヤードを52度でプレーします。
58度はバンカーかラフ、または70ヤードを上からズドンとグリーンに落としたいときに使っています。
52度を中心に使用するのは、ランニングアプローチで使いやすいことと、絶対にミスをしないという自己暗示をかけているからだそうです。
ウェッジは、短い距離を正確に打つクラブですが、たくさんあれば良いというものではありません。
3本にして、飛距離差が少ししか変わらないなら、セッティングとしては2本で十分でしょう。
まずは1本得意なウェッジを作ることも大切かと思います。
自分のプレースタイルに合ったウェッジ選択が一番良いのです。
ウェッジの打ち方
ウェッジは短い距離を正確に打つクラブで、コントロールショットの精度が上がれば、寄せワンのバーディーチャンスやパーセーブの確率は向上します。
何度も述べますが、ウェッジのフルショットの飛距離は必ず知っておきましょう。
フルショットで打つことが、ミスも少なくなることと、コントロールショットの基本の距離となるからです。
次に、各ウェッジの振り幅による飛距離を知りましょう。
いわゆる時計の針に例えた8時のスイングで40ヤード、9時で60ヤード、10時なら70ヤードといった飛距離をマスターします。
この飛距離は個人差があるものの、この方法が一番安定します。
さらに微調整はクラブを短く持つことで調整してはどうでしょうか。
ボールを転がすか上げるかでスタンスも変わってきますが、これは練習あるのみです。
ただし、自分のスタイルに合ったウェッジをセッティングしていれば、極端にロフトを立てたり、開いたりして打つことはなくなるはずです。
良くウェッジだから、高く上げないといけないような錯覚をするゴルファーもいますが、アプローチの基本は転がしです。
選んだウェッジ2本に役割をつけて、上げるウェッジと転がすウェッジを明確にして練習するのも良いでしょう。
最高のウェッジに出会うまでの長い旅路
昔のゴルフではウェッジセッティングは迷うことなく、アイアインクラブセットのPWとSWのままでした。
ウェッジが意識し始められたのはタイガー・ウッズの影響です。
マスターズで見せた、ウェッジで上げたボールがグリーン上で強烈なバックスピン。
そのときの驚愕と憧れで、ウェッジを見直したゴルファーも多いことでしょう。
冒頭で述べましたが、ドライバーは試打するのに、ウェッジは試打せずに購入してしまうこと。
これは当時も今も、なかなか試打のできる環境にないことが要因なのかもしれません。
ただ、ゴルフ仲間と練習やラウンドに行くと、ドライバーは借りにくいけれど、ウェッジは借りやすいものです。
いろんなメーカーのロフト角、バウンス角のウェッジを試し打ちさせてもらうにはその方法がベストです。
またウェッジは単品購入できるので、その点はメリットかと言えます。
使ってみてダメなら、傷が増えすぎる前に中古として手放し、また改めて違うものを購入することも可能かもしれません。
ゴルフ場によっては、ウェッジの試打クラブをラウンド中に無料貸し出ししているところもあります。
そのような機会に巡り合ったのであれば、当然試打させてもらいましょう。
色々と試行錯誤の上、ベストなウェッジに出会うまでは長い旅は続きそうです。
最終目的はスコアアップ!
今回はウェッジセッティングについて述べました。
ウェッジの特性を良く知り、自分のスタイルにあったウェッジを2本は見つけてください。
ワンパット圏内に寄せることのできるウェッジが最高のウェッジで、間違いなくスコアアップの近道へと導いてくれるでしょう。