アイアンのライ角とは何?クラブフィッティングに役立てよう

最近は、アマチュア向けに様々なタイプのアイアンが出ていますね。

飛距離に特化したもの、左右のずれを軽減してくれるものなど様々です。

そして、より顧客に合ったクラブを提供するためにクラブフィッティングのサービスも充実し始めています。

そんなときに重要な知識のひとつが、ライ角と呼ばれるものです。

今回は、クラブフィッティングとそれに役立つライ角についてお話します。

クラブフィッティング

いきなりですが、皆さんは次のうちどちらの考えが正しいと思いますか。

1.どのアイアンを使っても上手に打てるようにならなくてはいけない

2.自分に合ったアイアンに出会えれば上手に打てるようになる

どちらも間違いではありません。

1だと考えるゴルファーは、まず自分の技術を磨いて、スイング作りを優先する人です。

2だと考えるゴルファーは、道具が悪ければ、上手にならないという人だと思います。

最近、ツアープロでもクラブ契約をスポンサーとしない選手が増えているのはご存知でしょうか。

クラブ契約フリーのプロは、自分のスイングに合うクラブを使うことをもの凄く重視しています。

その理由は、スイングが崩れてしまうからです。

これが何を意味しているかというと、クラブによってスイングが変わるということです。

つまりクラブ選択は、出来上がるスイングに大きな影響があります。

そこで、昨今人気なのがクラブフィッティングです。

最低限、自分のスイングを作ることが条件とはなりますが、自分のスイングに合ったクラブを見つけるためのものです。

クラブヘッド、シャフト、グリップに至るまですべて自分のスイングに合わせていきます。

その中で『ライ角』というキーワードが出てきます。

あまり、気にされない人が多いのですが、クラブフィッティングをする際に非常に重要です。

アイアンのライ角

ゴルフを始めたばかりの人でも、ロフト角は聞いたことがあると思います。

ロフト角は、フェースの角度ですね。

飛距離に影響するので、皆さん気にかけています。

ところがライ角はどうでしょうか。

意外に気にされていないライ角ですが、先に話したようにクラブフィッティングには非常に重要です。

ドライバー、アイアンどちらでもライ角は存在します。

ライ角とは、クラブヘッドを地面に合わせたときのシャフトの傾き角度を表しています。

ライ角が低いと、シャフトのグリップエンドは低い位置になるため、前傾姿勢を強める必要があります。

対してライ角が高いと、シャフトのグリップエンドは高い位置になるため、前傾姿勢を少し緩めることができます。

このように、ライ角によってアドレス時の前傾姿勢が決まってくるのです。

ライ角が意外に重要なこと、押さえてください。

アイアンの平均的なライ角

それでは、ここで一般的なクラブにおけるアイアンのライ角について見ていきます。

自分のクラブフィッティングのときに参考にできるはずです。

一般的に、多くのアイアン(男性モデル)のライ角は身長170cm前後のゴルファーを基準に考えられていると言われています。

7番アイアン61.5°~62°を基準に0.5°刻みに変わっていくのが一般的です。

身長を基準に考えているので、身長が低いゴルファーはライ角の低いクラブ、高いゴルファーはライ角が高いクラブを選択すると、自分に合ったアイアンが見つかるかもしれません。

しかし昨今の流れでは、ライ角が通常よりも高く設定されたアップライトモデルが多く出ています。

実際に具体的な商品で比べてみましょう。

メーカー:プロギア

アイアン:RS RED アイアン

ライ角 :63°(7番)

このアイアンは、アマチュア向けにやさしく扱える設計で売り出されているものです。

平均的なアイアンのライ角よりも1°も高くなっていますね。

メーカー:プロギア

アイアン:PRGR TUNE 01 CB IRON

ライ角 :61°(7番)

こちらは、小平智プロが愛用しているツアーモデルのアイアンです。

ライ角は平均から比べて低く設定されています。

小平智プロは、さらにライ角を低く変えているそうです。

なぜクラブフィッティングにライ角が欠かせないのか

次になぜライ角がクラブフィッティングの際に重要になってくるのかを説明します。

一般的なライ角が身長を基準に決められていることをお話ししましたが、身長だけで判断してはいけません。

身長はあくまでも、アドレス時の参考程度と考えてください。

ライ角が正しく合っていないアイアンを使うとどのようなことが起こると思いますか。

もっとも重要なのはインパクト時にクラブがどうなっているかということです。

スイングによって発生した遠心力とボールに力を伝えようとする地面方向へのエネルギーによって、トゥダウンが起こります。

このトゥダウンとは、クラブヘッドの先端が外(下)に引っ張られ、シャフトとの角度が開く現象です。

トゥダウンが起こるとライ角は低くなります。

この現象が自分のスイングの場合にどのくらい起こるかが分かっていれば、理想の角度でインパクトできるアイアンを選ぶことができると言えます。

理想は、ライ角通りの角度でインパクトできることです。

しかし一般的にトゥダウンが強く起こるのはアマチュアに多く、インパクト時に手の位置が高くなってしまうことが原因です。

よって、あらかじめアップライトにクラブを作っておくことで、トゥダウンしても問題ないようになっているのです。

クラブフィッティングの際には、インパクト時の手の高さを考慮してライ角を考えると良いでしょう。

参考までに、手の高さを基準に考えた場合は次の通りです。

アドレスよりも手の位置が高く出る人:アップライト

アドレスよりも手の位置が低く出る人:通常、もしくはライ角が低いもの

アイアンのフィッティングはシャフトも重要

これまで、アイアンのフィッティングにおいてライ角の重要性をお話ししました。

もうひとつ重要なポイントとして、シャフトがあります。

誤ったシャフト選択をすると、先ほどお話ししたトゥダウンが強く発生してしまう原因を作ってしまう可能性があるからです。

ここでシャフトについて少しまとめます。

シャフトは素材にもよりますが、基本的にはヘッドスピードを基準にフレックスを考えます。

しなりが強すぎたり、捩じりが強すぎたりすると、インパクト時にクラブヘッドの重さで地面に引っ張られすぎる原因になります。

結果、トゥダウンと同じ現象を引き起こし、ライ角が崩れ、正しい角度でインパクトできなくなってしまうのです。

この辺りも考えて、シャフト選びするようにしましょう。

クラブフィッティングを行うにあたっての注意点

これまでアイアンのフィッティングをするにあたって、必要なライ角の決め方やシャフトの選び方など説明しました。

最後に、クラブフィッティングを行う際の注意点をお伝えします。

クラブフィッティングは、基本的にお店や専門店で行います。

知識を持った店員や専門のスタッフが対応してくれますが、前提は『現状のスイングに対して一番合うクラブを選択してくれる』ということです。

もし、クラブを変えることにより、現状スイングで課題などを克服したいと考えている場合、必ずその点も相談した上でフィッティングを行ってもらうようにしましょう。

その際に、クラブに対する知識、ロフト角、ライ角、シャフト(フレックス、トルク、キックポイントなど)について会話ができる知識を持っていれば、真剣により深く担当者も対応してくれます。

クラブフィッティングを任せるにも知識が必要

クラブフィッティングを行うにあたって、お役立ち知識のひとつとしてライ角についてまとめました。

クラブフィッティングを任せっきりにしてしまうのも方法としてはありですが、より知識を自分で蓄えることによって、自分に合った、またスキルを向上できるアイアンを選べるようになります。

自分で納得して選んだアイアンは本当に使いやすくなるはずです。