アイアンに頼って弾道の高さと軌道を打ち分けるのが正解

ゴルフクラブの中でも最も利用頻度が高いアイアン。

始めはなかなかボールが上がらず、転がってしまったりと苦戦することが多いものです。

しかし、気にすることはありません。

正しくクラブが使えてくれば、ボールは適切な弾道の高さになります。

アイアンの弾道の高さの種類

知っておくべきことは、アイアンは種類によって弾道の高さに違いがあるということです。

どんなにボールを高く上げようとしても、アイアンが本来発揮する弾道を理解しておく必要があります。

そのため自分の使っているアイアンがどの弾道を理想としているものなのか知っておきましょう。

・高弾道系アイアン

初級者向けのアイアンに多い高弾道系アイアンです。

あらかじめ高い弾道になるようクラブヘッドが低重心に設計されています。

・中弾道系アイアン

飛距離も出したいが、しっかり止めたい人など中級者・上級者ゴルファーに好まれます。

ある程度飛距離が出せ、またボールコントロールがしやすいのが特徴です。

・低弾道系アイアン

高弾道系、中弾道系に比べるとあまり数は多くない低弾道系アイアンのメリットは横風に強いことです。

風が強い日のラウンドなど、高弾道系アイアンの場合、風の影響を受けターゲットに合わせるのが難しくなります。

アイアンの弾道の高さは、人それぞれ好みがあるので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。

アイアンは番手に限らず弾道の高さは同じ

次にアイアンの弾道に関して、良くある勘違いを記載します。

アイアンをロングアイアン、ミドルアイアン、ショートアイアンに分けたとき、弾道が一番高く上がるのはどのアイアンだと思いますか。

多くのゴルファーが『ショートアイアン』と答えると思います。

これは、ロフト角の役割を勘違いしているからです。

ロフト角は打ち出し角度に影響するものであって弾道の高さには影響がありません。

『打ち出し角度=飛距離』と考えてください。

ある実験で、同一のヘッドスピードでスイングして各番手を打った場合、ボールの最高到達点はほぼ変わらないという結果が出ています。

あくまでも、同じアイアンセットで打った場合です。

もし、ショートアイアンからロングアイアンにかけて低くなる、上がらなくなるゴルファーはクラブの見直しが必要かもしれません。

同じ高さまで上がらない原因は、ヘッドスピードが足りていないからです。

そのため、ロングアイアンだけシャフトを柔らかくしてヘッドを走らせるなど工夫してみるのもひとつの方法です。

シャフトで弾道や軌道が変わる

先程お話ししたように、クラブヘッドの性能を正しく引き出すためには、ヘッドスピードが適正である必要があります。

そのヘッドスピードは、シャフトによっても変わります。

アイアンに対して適正なヘッドスピードを作るためにはシャフトの見直しもひとつの方法です。

シャフトの素材がスチールかカーボンかにもよりますが、共通して言えることはキックポイントを変えてみることです。

キックポイントとは、シャフトがどの位置でしなるかを指します。

シャフトのしなるポイントによってクラブヘッドの返りが変わり、ヘッドスピードにも影響するのです。

・元調子(上級者向き)

元調子は、シャフトの根元、つまりグリップに違いところにしなりが出ます。

ヘッドの返りを速くするというよりも、ダウンスイングの時にタメが作りやすいのが特徴です。

・先調子(初級者、女性など向き)

クラブヘッド重さを素直に受けてシャフトの先端寄りがしなる作りです。

特徴としては、クラブヘッドが返りやすく、スピードも出ます。

結果、高弾道になりやすく、ボールの捕まりが良くなるのが特徴です。

初心者でも高さが出しやすいです。

・中調子(中級者、上級者向き)

シャフトの真ん中がしなる作りになっています。

ちょうど、元調子と先調子の中間をイメージしてください。

アイアンのヘッドの種類

一言にアイアンと言ってもクラブヘッドの作りの違いにより特徴は変わります。

自分のレベルに合ったクラブヘッドを選ぶことは上達への近道です。

現在は、マッスルバック型とキャビティバック型の2種類が基本です。

マッスルバック型は、昔からある形状でコンパクトなクラブヘッドが特徴です。

そしてキャビティバック型は、どっしりとしたクラブヘッドで最近人気があります。

・マッスルバック

《対象》
上級者

《特徴》
1.クラブヘッドが小さいので操作性が高い
2.弾道や軌道のコントロールがしやすい
3.重心が高い
4.芯を外すと、飛距離、方向性、弾道の高さに影響が出やすい

・キャビティバック

《対象》
初級者~上級者

《特徴》
1.クラブヘッドが大きく、安心感がある
2.低重心の設計のため、クラブヘッドが自然に走ってくれて扱いやすい
3.芯を外しても許容性が高く、飛距離、方向性、弾道の高さに影響が少ない
4.細かいコントロールがしにくい(スピン量の調整など)

一概にどちらが良いとは言い切れません。

プロでもキャビティバック型のアイアンを試合で使っています。

始めはキャビティバック型でクラブ主導のスイングを覚え、後に弾道を操れるマッスルバック型に変更することがステップアップには良いでしょう。

アイアンの弾道の高さを使い分けるクラブセッティング

先に話をしましたが、同一のアイアンセットの場合、番手に限らず弾道の高さは同じになります。

しかし、実際にラウンドしているときにボールを低く出して飛距離を稼ぎたいとか、高く上げてしっかりグリーンで止めたいなど要望は出てくるものです。

そんなときは、プロのクラブセッティングを参考にしてみると良いでしょう。

アマチュアの場合、アイアンは同じクラブヘッドのものを一式使うことが多いです。

プロも基本的に同様ですが、最近ではロングアイアン、ミドルアイアンなどそれぞれで異なるアイアンを使う選手が出てきています。

ロングアイアンは飛距離を出すときに使うので、中弾道でしっかりとキャリー&ランが出るものを選択します。

それからミドル、ショートアイアンなどは、ラフからでもフェアフェイキープやグリーンへのショットが多いので、高弾道かつスピンが効くものを選んでいるのです。

少しコストはかかりますが、アイアンの特性を理解してくると、このようなクラブ設定が非常に合理的なことが理解できるでしょう。

初心者向けのおすすめアイアン

最後に、初心者ゴルファーにおすすめのアイアンセットをいくつか紹介します。

初心者の場合、初めは高さが出しやすい、高弾道系のアイアンセットがおすすめです。

【メーカー】
テーラーメイド

【商品名】
M4 アイアン 6本セット(#5~PW)

【特徴】
大きなフェースとワイドソールでミスの許容性が高く、初心者でも飛ばしやすいアイアンです。

【メーカー】
タイリスト

【商品名】
AP3 アイアン 6本セット(#5~PW)

【特徴】
キャビティバック型のディスタンス系アイアンで、高い許容性と高い打ち出し角度を実現してくれます。

アイアンそのものの性能に頼る

初心者に限らず、アイアンの特徴を理解し、その性能に頼るのは悪いことではありません。

そもそも、ゴルフは道具を使うスポーツです。

クラブの性能をどのように引き出すのか、クラブに頼ることによって身につくスキルもたくさんあります。

是非この機会に、クラブの見直しをしてみてください。