ドライバーの飛距離を伸ばすための3要素は、ボール初速と打ち出し角度とバックスピン量です。
練習によって初速は速くすることはできますし、スイング軌道が安定すれば打ち出し角もコントロールできます。
すると残りはバックスピン量をどうするかです。
今回は理想のスピン量の重要性と、そこに近づける最短の方法を紹介します。
ドライバーのスピン量を理想に近づけなければならない!
ドライバーの飛距離をアップさせるためには、スイングスピードを上げるために素振りを繰り返すだけではダメです。
もちろん飛距離アップには、スイングスピードをアップさせることは必須です。
しかしそれは飛距離を構成する要素の1つにしか過ぎず、それ以外の条件も整えないと飛距離はアップしません。
飛距離の3要素は、最初に触れたように「初速・打ち出し角・スピン量」です。
初速はヘッドスピードの速さと、スイートスポットのミート率で数値が高くなり、飛距離は増します。
打ち出し角は、初速の違いによって描かれる放物線の角度のことで、ドライバーのロフト角よりも高く打ち上げる必要があります。
スピン量は、インパクトとのときに発生するバックスピン量で、理想はバックスピン量を少なくする打ち方ができれば飛距離アップができます。
ただし3要素は連動しているため、どれか1つだけが良いだけでは飛距離アップにはなりません。
適正な打ち出し角とスピン量で理想のドライバーショット
ドライバーは唯一アッパーブローでスイングをするので、ボールの下からフェースを合わせてインパクトをします。
ドライバーのロフト角はハードヒッターで10度以下、一般ゴルファーは12度以下を使っていることでしょう。
それを使ってレベルブローでインパクトをすると、ハードヒッターの打ち出し角は10度、それ以外は12度となりますが、理想とする打ち出し角は14度です。
14度で打ち出すことで、綺麗な放物線を描いて飛距離が伸びることになっています。
ただしこの綺麗な放物線を描くには、下から打ち上げるアッパーブローができていなければなりません。
ボールの手前でスイングの最下点を迎えて、そのあとヘッドを浮かび上がるときボールをとらえると、フェース面が上を向いているため10度のフェースで14度の打ち出し角が得られるわけです。
下から打ったことで、インパクトの摩擦も低くなり、スピン量を抑えることができます。
ロフト角の小さなドライバーでも、同じ打ち出し角でインパクトができれば、よりスピン量の少ないドライバーショットが打てることになります。
ドライバーのスピン量を抑えることができる理想の打ち出し角
ドライバーの持つロフト角とアッパーブローのスイングによって、理想の打ち出し角が決まり、インパクトでの摩擦が少ないほどスピン量は少なくなります。
そう考えれば、誰もがロフト角9度以下のドライバーを使用すれば良いように思いますが、アッパーブローは打ち上げるショットのため、ヘッドスピードが速くなければパワー不足で失速してしまいます。
一定の速度を前提として、理想とする打ち出し角にすることができれば、スピン量を抑えることができるわけです。
そこでヘッドスピードとスピン量の関係を確認してみましょう。
ヘッドスピードが40m/sのとき、一般ゴルファーのスピン量は4000回転程度入ると言われています。
これを理想とする2500回転以下にすると、理論上は飛距離が伸びることになっています。
この場合は最初にアッパーブローのスイングを見直して、次に適正なロフト角に変えることが必要です。
見直しによって、仮に1800回転まで抑えることができれば、ヘッドスピードが変わらずとも飛距離は30ヤード近く違ってくるかもしれません。
理想のスピン量はドライバーを2度アッパーブローで打つ
なるべく速いスピードでインパクトができること、フェースの芯でボールをとらえること、この2つの条件が整えば初速は速くなります。
あとは先ほど説明した14度の打ち出し角と2500回転以下のスピン量です。
ドライバーのロフト角を12度とすると、アッパーブローで足したい角度は2度です。
大事なことは、フェースの斜度を2度傾けてボールを打つイメージを持てるかです。
傾斜角度2度はフェースの立っているタイプのパターのロフト角レベルですから、目に見えて打ち上げるほどのスイング軌道にはなりません。
レベルブローでインパクトをして、ヘッドを上に向けてフォロースルーをとるようなスイングイメージを持つだけで2度プラスの打ち出し角になります。
しかしこれでは理想とするスピン量になる可能性はありません。
フェース面を下から上に擦り上げる、トップスピン(順回転)をかけるイメージを持つことでスピン量は減らせます。
ちなみに実際はボールにトップスピンがかかることはなく、バックスピン量が減るだけです。
理想的なドライバーの打ち出し角でスピン量を抑えられる
ドライバーのスピン量はヘッドスピードによって変わってきます。
ヘッドスピードが45m/s以上の場合、理想の打ち出し角は14度でスピン量が2500回転なら、机上の飛距離は260ヤードです。
ところが、打ち出し角を16度にしてスピン量を1800回転にすれば、飛距離はさらに5ヤード伸びて265ヤードになります。
同じヘッドスピードであっても、打ち出し角を上げてスピン量をさらに抑えることができれば、飛距離はアップするということです。
これは一般ゴルファーのヘッドスピードである40m/sでも言えることで、打ち出し角14度で4000回転のときは200ヤード、打ち出し角を16度にしてスピン量を2500回転にすれば飛距離は220ヤード、同じく1800回転にすると225ヤードとなります。
問題はこの1度単位の打ち出し角を、意識して打ち分けることができるのかということです。
スイングの形が出来上がっていると、ティー高さを変えることだけで、ある程度は打ち分けることができますが、スイング軌道を変えることは難しくなります。
理想とするスピン量はドライバーの性能に頼る
理想のスピン量でボールを打ち出すためには、いかにロフト角の小さなドライバーを扱えるかが鍵になります。
ロフト角の小さなフェースの立ったドライバーを使いこなすには、インパクトでのパワーが必要です。
そのためにはスイングスピードを上げること、コックや体重移動を使って加速させることが必要です。
ヘッドスピードが速くなれば、小さなロフト角でもまずまずの到達点の高さを得られますが、ヘッドスピードが遅くなるとそこまで到達できず落ちてしまいます。
アッパーブローのインパクトを意識しても、スピン量はコントロールが難しいものです。
そのため理想とするスピン量は打ち分けるのではなく、自分のスイング軌道に合ったドライバーを選ぶことのほうが簡単な対処法と言えるのではないでしょうか。
量販店の試打室でヘッドスピード、打ち出し角、スピン量を1度に計測できますから、実際に打ってみましょう。
そこで自分に合うドライバーを見つけることができれば、理想の飛球線を描いたボールを手にすることができるはずです。
ドライバーは理想のスピン量にコントロールするのが難しい
ドライバーの飛距離を構成する初速と打ち出し角とスピン量は、それぞれが関連しているため、ひとつだけをコントロールすることは難しいかもしれません。
理想とする放物線を描くためには安定したスイングを身につけた上で、自分に合ったドライバーを見つけたほうが早く結果を得ることができるはずです。
ゴルファーである限り、今の放物線で満足することなく理想を追求していきたいものです。