たくさんのウェッジを持っているゴルファーが増えてきています。
それに伴い名前をロフト角で呼ぶことが多くなっているほど本数は揃えていますが、飛距離との兼ね合いを無視すると使い勝手が悪くなります。
そのため今回は使い勝手の良いウェッジの揃え方を紹介していきます。
ウェッジを選ぶときはロフト角と飛距離のどっちを基準にする?
ドライバーが飛ぶようになり、苦手だったスプーンやロングアイアンはユーティリティへと変わったことで、飛距離が伸びてグリーン周りのウェッジを厚くする傾向が強くなってきています。
中間のクラブが少なくなったことで、ウェッジの数が増え、アプローチのバリエーションが増えてきたのです。
こうしてウェッジの数が増えてきたのに、プレーヤーが関心を寄せているのはドライバーの飛距離であり、練習場ではウェッジの技量を磨こうとしません。
もっと多彩なウェッジの打ち方を習得しなければ、ロフト角の違うウェッジを増やした意味がなくなってしまいます。
アプローチに使うアイアンがウェッジの役割ですが、ウェッジの意味は立ち木を切り倒すときのクサビの意味を持つことから、深く刺さるアイアンということになります。
つまりクリーンなショットよりも、芝が生えている地中やバンカーの砂の中に向かっていくのがウェッジの本来の役目と言えるのです。
仮にこの役目が主たるものであれば、どれほど飛ぶかなんて飛距離は関係ないことになります。
ウェッジのロフトは球筋のためで飛距離を出すためではない
ウェッジを選ぶ上で、最初に注目するのはロフト角ではないでしょうか。
今ではロフト角の「56度」や「60度」が、そのまま名称として使われていることが多くなるほどで、ある意味ロフト角は一般的になっています。
以前はロフト角を聞いてもピンとこなかったものですが、今では「58度を超えると難しい」とか「62度は使いこなせない」なんてことを平気で話し、それを聞き取れるほどになってきています。
ちなみにロブウェッジという言葉は今も使われることはありますが、アプローチウェッジはアイアンアセットの一部でなければ使うことはなくなってきています。
これは飛距離を元にした番手として揃えているのではなく、そのウェッジにそれぞれの目的があって揃えているからです。
つまり単体で購入しているため、統一された呼び名ではなく、ロフト角の度数で呼ぶようになってきたようです。
確かにロブウェッジの飛距離がどのくらいかを知ったとしても、その使い方をする機会が多いこともないため意味はないのです。
ウェッジはロフト角にこだわると飛距離に統一感がなくなる?
最近のウェッジはそれぞれに目的があって、アイアンセットとは別に購入することが多くなってきています。
それだけに10ヤード刻みの飛距離で揃えているアイアンとの統一感がなくなってきています。
ただウェッジと言ってもピッチングウェッジは、9番アイアンの1つ下の番手のイメージがあり、実際の使い方でも100ヤード前後からアプローチで使う場面があると思います。
一般的なピッチングウェッジのロフト角は46度で、9番アイアンは4度少ない42度になります。
ロフト角42度の9番アイアンは、飛距離がおよそ110ヤードなので、46度のピッチングウェッジは100ヤードということになります。
番手間の飛距離が一定間隔であれば扱いやすく、この下のアプローチ用のウェッジが50度、56度を用意できれば、さらに安心感は増すはずです。
ただ、ここに58度や60度を入れたいと思えば、56度を止めて、54度を入れなければならないかもしれません。
つまりアイアンからの統一感よりも、ウェッジの中でロフト角の間隔を揃えたほうが使い勝手は良いはずです。
ロフトの立っているアイアンだとウェッジの飛距離が合わない
ウェッジはロフト角を考慮して、目的に合わせたウェッジを揃えると使い勝手が良くなります。
ただしピッチングウェッジは9番アイアンとの兼ね合いがあるため、10ヤード刻みの飛距離に合わせたほうが便利な場合があります。
アイアンの場合は、ロフト角が4度刻みで10ヤード間隔になっていますが、ピッチングウェッジをそれに合わせるのであれば、ロフト角の目安は46度です。
これで100ヤードのピッチングショットは可能になりますが、前提となるアイアンの飛距離が変わってくると、ウェッジの設定も変わってくることになります。
スタンダードタイプのアイアンセットの場合は、9番アイアンのロフト角は42度ですが、ストロングタイプのアイアンセットの9番アイアンは35度のものがあります。
市販されているもので、もっともフェースの立った9番アイアンはなんと32度です。
これはスタンダードタイプの6番アイアンと同じ程度ですから、飛距離で合わせると次のピッチングウェッジは7番相当の36度にしなければなくなります。
ウェッジはロフト角よりも飛距離で合わせたほうが良い?
上記のようなストロングタイプのアイアンセットを使っている場合は、飛距離を無視してウェッジを揃えると、9番アイアンとピッチングウェッジの間に大きな狭間ができてしまいます。
ストロングタイプの9番アイアンのロフト角が35度であれば、スタンダードタイプの7番アイアンに匹敵します。
問題はこの7番アイアン相当の下がなく、いきなりピッチングウェッジになるということです。
ストロングタイプの9番アイアンの飛距離が130ヤードで、ピンチングウェッジが100ヤードだとすると、この間の30ヤードをその9番アイアンでカバーすることになります。
アイアンの使用頻度考えても、150ヤード以内の本数が足りないことは明白です。
そう考えると、ピッチングウェッジという名のつく8番アイアンや9番アイアンが必要ですし、アプローチウェッジも厚くする必要が出てくるでしょう。
幸いストロングタイプのアイアンは5番アイアンまたは6番アイアンから9番アイアンまでの5本セットか4本セットです。
そのため14本以内の本数制限の中で、ウェッジを増やすだけの余裕はありそうです。
ロフトを基準に選ぶとウェッジの飛距離でカバーできなくなる
ウェッジを選ぶときはロフト角を基準におきますが、それはウェッジの性能と自分の想定するアプローチのマッチングを期待するからです。
グリーンオンの距離と言われる40ヤード以内のアプローチでは、元々その距離に見合ったウェッジなどありません。
振り幅や入射角を工夫しながら、もっとも効果的にピンに寄る打ち方ができる道具が、さまざまなロフト角を持つウェッジなのです。
ボールが置かれているライの状況や、ターゲットポイントの状況を考慮して、1ヤードでも近くに寄せようという想いを実現するためにウェッジを揃えるとしたら、やはりアイアンとの連続性は難しいかもしれません。
一方で番手間の飛距離を無視してウェッジを揃えてしまうと、1つの番手で複数の番手分をカバーしなければなりません。
前項でお話ししたように、特に9番アイアンとピッチングウェッジの間は、2番手もしくは3番手の開きができる可能性があります。
仮にピッチングウェッジをアイアンの連続性に含ませても、100ヤード以下が不揃いになる可能性があります。
ウェッジを選ぶときは、飛距離を元にした連続性で全体をカバーできて、さらに本数に余裕があれば単独のウェッジを揃えるべきだと考えます。
ウェッジはロフト角と飛距離の両方を考慮して揃えよう
ウェッジを選ぶときはロフト角に着目しがちですが、アイアンとの兼ね合いから飛距離を考慮しておかないと、アイアンセットの中で1本の番手のカバーする割合が増えてしまうことがあります。
アイアンセットの中にはウェッジも含めて揃えて、それでも本数に余裕があれば特殊なウェッジをどんどん入れるようにしましょう。