ドライバーのテンプラは原因を探して対策しなくても大丈夫!

ドライバーショットがテンプラになるのには、それなりの原因があるものです。

一般的なミスショットなら、原因が分かれば対策も立てることができます。

それはテンプラの場合も同じですが、原因を探さなくても直す方法もあります。

今回はテンプラの原因と対策、そして矯正の重要性についてまとめました。

ドライバーのテンプラは原因を分析して対策を立てる

ドライバーのティーショットがテンプラになるときは、まず原因を分析しなくてはいけません。

テンプラは日本独特のゴルフ用語ですが、言い得て妙で上手い表現だとつくづく感心します。

マージャン牌の7ピンの図柄と同じ球筋ということで名付けられたチーピンと比べると、すでにテンプラはスキヤキと肩を並べる世界共通語になっているくらいです。

名称としての評価は別として、実際のテンプラ同様に揚がる球筋が良いわけではありません。

高く上がる球筋は距離の上でもマイナスですが、大事なドライバーのクラウン(ヘッドの上の部分)に痕が残ってしまい消えないこともあります。

原因を探って対策を立てるには、日本名のカラッと揚げるテンプラよりも、本場の英国や米国の名称のほうが分かりやすいかもしれません。

欧米では日本の野球でも使うポップフライの「popped」や、気球が上昇するときに使う「ballooning」も使いますが、一般的にはスキーで滑る「skied」を使うことが多いようです。

ここからまさにスキーが滑るようにボールの下をヘッドが滑っていく様子が分かります。

ティーの下をドライバーヘッドが通過するときのテンプラ対策

ティーアップしたボールの下をドライバーのヘッドが滑って通過するため、テンプラが起こることは欧米の「skied」を見れば想像はつくと思います。

このケースでは、インパクトの手前でボールにフェースを合わせず、なぜティーの下をヘッドが滑っていったかが分かれば対策は立てられます。

ドライバーのスイングは、本来ボールよりも手前にスイングの最下点が来るように振り下ろします。

その最下点を通過してから、ヘッドは上に向かっていき、ボールを下からアッパーブローで打ち上げなければなりません。

そうならずテンプラになる場合は、スイングの最下点を通過してからヘッドは上に向かっていかずに、そのまま芝の上を走り抜けたと考えられます。

オーソドックスなテンプラの原因ではありますが、ヘッドが浮かび上がることなく振り抜いたのには、いくつかの理由が考えられます。

体重移動するドライバーショットが原因でテンプラ対策に

ドライバーのヘッドがボールの下を通過する原因で最初に考えられるのは、スイング中の軸のスライドが大き過ぎた場合です。

アドレスでスタンスの中心にあった回転軸は、テークバックで右にスライドし、ダウンスイングでは左へとスライドします。

このスライドした軸がボールの位置よりも左側でインパクトを迎えたため、スイングの最下点からレベルブローのままで進んでしまったと考えられます。

もう少し詳しく確認すると原因は2つあることが分かります。

第1の原因は、体のスライドが大きく、回転軸が「左の壁」を越えてしまったことです。

第2の原因は、体重移動のタイミングが早すぎたことです。

結果としてスタンスの中心辺りでスイングの最下点を迎えることができず、軸が左足の上に乗ってから最下点を迎えたために、左足内側の延長線上にあるボールの下をくぐってしまいテンプラになったと考えられるのです。

このケースでの対策は、テークバックでしっかり捻転をすることです。

ドライバーのテンプラ対策はテークバックで捻転すること

捻転をするテークバックができれば、過度な体重移動は抑えられ、スイング軌道は安定します。

ドライバーショットがテンプラになるのは、テークバックで中途半端に左肩だけを回そうとしたからかもしれません。

自分ではテークバックで左肩を回しているつもりが、実は右肩に近づこうとしているだけかもしれないのです。

まるで開いた本を閉じるときのように、体の中心から縦半分に折れた姿勢になっているかもしれないわけです。

捻転とは背骨を回転軸にして、両肩を一対に回すことで体を捻る動作のことです。

つまり左肩が90度右側に回転するのであれば、右肩も90度後ろ側に引かなければなりません。

テークバックの初動は右肩を引き、同時に右腰も引くと、背骨が斜めになることなく捻転ができます。

正しい捻転でトップの位置までグリップを引き上げれば、あとは回転しながらのダウンスイングができるので、体が左に流れることはないはずです。

これでドライバーのヘッドがボールの下を通過するテンプラの原因分析と対策はできたわけですが、このほかにも別の原因は考えられます。

ドライバーヘッドサイズに対してティーアップが高すぎるときのテンプラ対策

ドライバーのスイング自体には問題はなくても、ティーが高すぎることが原因でテンプラになることがあります。

アッパーブローの軌道に対して、ティーが高すぎるとボールの下を通過するのは、およそ想像がつくと思います。

ドライバーの形状によって若干高さは異なることがありますが、一般的なティーアップの高さは4センチ程度です。

このティーアップするときの4センチの高さとは、ヘッドをソールしてクラウンからボールが半分くらいはみ出している状態を言います。

テンプラになる場合は、通常よりも大きな打ち出し角を狙って、この4センチよりもティーを高くしてアッパーブローの角度を大きくしていることが考えられます。

意識的にティーを高くしていますから、このケースではティーアップした時点でテンプラになるリスクは織り込み済みのはずです。

したがってティーを低くするという対策も元々分かっているはずです。

ティーを通常の高さに戻すためには、ティーアップしたボールの横でヘッドをソールし目視確認するだけで解決します。

ダウンブローに入るドライバーのテンプラ対策は?

ドライバーショットがテンプラになる原因は、このほかにもアップライトなスイング軌道があります。

ボールとの間隔が狭くスイングがアップライトになっていると、ヘッドが通り抜けてしまうことがあるため、この場合はグリップエンドからこぶし2個分を空けて構えればテンプラ対策になるでしょう。

また、通常よりもボールの位置が右側でセットしている場合も、スイングの最下点とボールとの間隔が近すぎて、フェースが上を向く前にボールの下に入ってしまい、テンプラになる場合もあります。

この場合は、素振りによってスイングの最下点を確認し、そこから10センチ左側に4センチティーアップするとほぼ修正できるでしょう。

さらにスイング自体がダウンブロー気味に打ち込んでいる場合も、テンプラになる可能性はあります。

ダウンブローはボールを斜め上からダイレクトに打ち込みますが、少しだけダフリ気味になると、クラウンにボールが当たりテンプラになります。

この対策の仕方はアッパーブローのスイング軌道に変えるだけです。

ドライバーの打ち出し角は14~18度が必要ですから、フェース角を立てたダウンブローでは飛距離を望むことはできません。

基本の構え方と正しいスイングを心がければ、テンプラになることはないはずです。

ドライバーのテンプラ対策は正しいスイングに戻すこと

ドライバーショットでテンプラが出るのは、インパクトのときにヘッドの上部でボールを打っているからです。

本来はフェース面でボールを打つはずなのに、上部に当たるのはティーアップしたボールの下をヘッドが通過してしまうレベルブローか、フェース面を下に向けてダウンブローで打ち込んでいるからです。

それぞれの原因を見つけて対策を立てるのも良いですが、正しいスイングに修正したほうが確実に直すことができるでしょう。