アイアンに対するドライバーの重量差を知れば曲がらなくなる

アイアンのスイングリズムと、ドライバーのスイングリズムが違うと軌道が安定せず、いつまで経ってもスライスやフックを直すことはできません。

スイングリズムを揃えるためには長さと重さのバランスを揃えることが先決です。

今回はスイングリズムを安定させるためのアイアンに対するドライバーの重量差の関係についてまとめます。

重量が軽量化されてドライバーとアイアンは飛ぶようになった

重量の軽量化や反発力などの技術進歩に伴って、ドライバー、アイアンを問わず、ゴルフクラブ全体の飛距離は伸びてきています。

特にドライバーの飛距離については、「飛びすぎ」という判断が下され、ルールで規制をする事態となっています。

パーシモンの時代からドライバーの飛距離は伸びていましたが、チタンヘッドになると急激な伸びとなり、コース改修だけでは追いつかない事態となっていきます。

硬いチタンを素材としたことで、肉厚の薄いヘッドを作ることができ、サイズは大きくても軽いドライバーヘッドが作られるようになります。

薄く作られたフェースにボールが当たると、トランポリンのように弾み、インパクトの衝撃以上の反発でボールを打ち出すことができます。

そうした大きく反発するドライバーヘッドを「高反発」と位置づけて、ルールによって使用禁止としたのです。

巷の噂では、長さ制限も検討されていて、現在の48インチの上限を46インチ以下にするのではないかとも言われています。

ドライバーやアイアンの軽い重量がヘッドスピードの速さに!

ドライバーに限らずフェアウェイウッドやアイアンも、重量が軽くなったことでスイングスピードが上がり、インパクトの衝撃力が大きくなっています。

パーシモンの時代のドライバーの重量はおよそ350グラムです。

この350グラムが重いと感じるか否かは個々のパワーによって違いますが、現在のチタンドライバーの重量は平均300グラム程度です。

たった50グラムと考えるかもしれませんが、パーシモンヘッドの体積は230ccで、チタンヘッドは460ccと2倍の大きさになっています。

50グラム重量が減り、さらに内部が空洞のヘッドによって弾むようになったことで、爆発的な飛距離を生むことになりました。

しかもスイートエリアとして弾む範囲が広がったこと、誰でも飛ばせるドライバーが作られるようになります。

同じことはアイアンにも言えて、ピンポイントでボールをとらえる技術が必要だったマッスルバックから、フェース面でインパクトができれば大したミスショットにはならないキャビティアイアンが生まれてきます。

チタンドライバーとキャビティアイアンで重量を軽減した結果

デカヘッドのドライバーとキャビティアイアンの登場によって、ゴルフは簡単になっていきます。

トラック1台分のボールを打ってからコースデビューと言っていた時代もありましたが、道具が進歩した現在は、スイングの仕方を覚えてインパクトができれば、あとはコースで積む経験によって上手くなると言われるようになっていきます。

もちろんコースに出るようになれば、それまで以上に効率の良い練習をするようになり、上達する進度は早くなります。

しかもゴルフクラブ全体の重量が軽くなったことで、道具に振り回されることなく、安定した軌道でスイングができるようになります。

パーシモンの時代だと一生懸命に10年間ゴルフに打ち込んでも、シングルになれるのはひと握りと言われていましたが、現在では始めてから数年後にシングルになっている人たちも大勢います。

道具の進化は飛距離を伸ばしただけでなく、スポーツとしてのゴルフを底上げしてきたと言えるのではないでしょうか。

アイアンに対してドライバーが軽くなりすぎて扱いにくい

道具が進化したことで重量が軽くなり、そのお陰でスイング軌道も安定するようになってきたことで、ゴルファー全体が上手くなってきたことは確かです。

昔は始めるに当たりトラック1台分もの打ち込みをしてからコースデビューをする覚悟があったわけですから、練習量だけを比較すると劣っていたことはないはずです。

それでも上級者になるには相当の期間が必要でした。

ところがドライバーが飛ぶようになり、セカンドショットからグリーンまでが短くなったことで、ミドルアイアンやショートアイアンが上手くなればパーを狙えるチャンスが生まれるようになります。

しかし「便利な時代になった」と思えるのは相当なキャリアを持つゴルファーだけで、現在のゴルファーには便利になった分だけの悩みも増えてきています。

その1つにドライバーとアイアンの重量差があります。

アイアンは3番アイアンからウェッジまで順に重たくなるよう設定されています。

一方ドライバーは飛距離を狙う使命がありますから、より重量の軽いタイプを選ぶと、そこに格差が生まれ扱い難いと感じることがあるようです。

ドライバーとアイアンの適正な重量差を知れば上手くなる

ドライバーの重量が300グラムだった場合、適正な5番アイアンの重量は400グラムが良いと言われています。

女子プロが使うドライバーがおよそ300グラム、5番アイアンのセッティングが400グラム程度です。

アマチュア男性なら、飛距離的に考えると女子プロに合わせるのも良いかもしれませんが、アイアンは結構軽く感じてヘッドコントロールがしにくくなるかもしれません。

対して男子プロの場合はドライバーが330グラム、5番アイアンが430グラム程度でセッティングをしていますが、ドライバーの重量は女子プロに合わせて、アイアンの重量だけ男子プロに合わせたらどうなのでしょうか。

ただし、重量の数値を見て気づきますが、ドライバーと5番アイアンの重量差は100グラム程度が適正とされています。

この重量差の意味が分かっているからこそ、現代のゴルファーのほうが上達するスピードは早くなっているのです。

その意味とはスイングリズム、もしくはスイングスピードにあります。

ドライバーと5番アイアンの重量差が100グラムの理由

前項の内容から分かるように、ドライバーと5番アイアンは100グラムの重量差が適正であると言われています。

ドライバーと5番アイアンは重量以外に長さも違いますが、適正な重量差であればトップからインパクト、そしてフィニッシュまでのスイング時間は一定になると考えられます。

ドライバーは飛ばす道具だから速いスイングで、5番アイアンはターゲットを狙うのでゆったりとしたスイングをするといった、スイングリズムを分けるようなことはありません。

適正な重量であることによって、どのアイアンの番手でもドライバーと同じリズムでスイングをすることができるのです。

逆に考えると、ドライバーのスイングがゆったりしたリズムに見えるのは、この重量配分を理解しているからです。

つまり進化した道具を使いこなす知識を得て、それを実行している人が結果を出しているということになります。

ところが軽量化したドライバーに変えると、スイングスピードが上がり、このリズムを崩すことになり、それがスイング全体に広まっていくことは想像がつくことでしょう。

そのためドライバーとアイアンは使用目的は違っても、スイングリズムを崩さないようにするために、統一した重量配分の中で揃えていくことが重要です。

ドライバーとアイアンの重量差の意味を理解してリズムを刻む

ドライバーとアイアンの重量差の意味が分かれば、ひたすらにスイングスピードを上げる必要がないことを理解できてきます。

道具が進化しているのですから、その性能を活かすためには重量の流れを揃えることが重要であり、統一されたスイングリズムの重視が上手くなるためには必要です。