ゴルフのスコアメイクにおいて、アプローチは極めて大きな要素です。
ドライバーで飛距離を稼いでも、グリーン周りで行ったり来たりでは、とてもスコアはまとまらないからです。
アプローチは、方向性と距離感が全てです。
そして、方向性を決定づけるのはアドレスと言っても過言ではありません。
ここではアドレスの正しい取り方、体の正面はどこを向くべきかについてまとめます。
アプローチとはどの程度の距離からなのか
まずは、アプローチの定義とは何でしょうか。
ゴルフで言われるアプローチとは、グリーン周りでピンを狙いに行くショットのことを言うと考えがちですが、上級者ともなれば150ヤードからでもピンを狙う人も多いでしょう。
しかし、感覚として150ヤードのショットはアプローチとは呼ばないことがほとんどです。
では、具体的に何ヤードくらいのショットからをアプローチと呼ぶのでしょうか。
ピッチングウェッジの場合、一般的な男性ならば100ヤード、女性なら70ヤード程度の飛距離です。
この辺りの距離からアプローチと呼ぶことが多いようです。
フルショットではなく、コントロールを効かせたショットでピンを狙います。
ピンを狙うにしても、グリーンの状態を見極めて、上りのパターが残るようにするなど、グリーン上での戦略はアプローチから始まっています。
もっと言えば、どこの位置、どういったライからアプローチが打てるかはセカンドショットに因りますので、全てはアプローチとパターのためのショットと言えます。
ここが、ゴルフはアプローチとパターだと言われる所以ですね。
そして、アプローチの出来を決定づける要因はアドレスに他なりません。
グリップ、スタンスの幅、何に対して体を正面に向けるか、ボールの位置、フェースの向きなど正しくセットアップできれば、アプローチはグッと正確に打てるようになります。
アプローチはアドレスで7割決まる!
では、ひとつずつ見ていきましょう。
まずグリップです。
アプローチで重要なことはクラブの芯で正確にボールを捉えることです。
これはもちろんアプローチに限ったことではありませんが、飛距離の欲しいドライバーで、体を大きく使ったスイングで完璧に芯を捉えることはなかなか難しいと言えます。
その点、アプローチはコンパクトなスイングで、残された距離をコントロールして打つことが要求されます。
その為には、1打1打、ムラがあってはいけません。
体の正面はこの向きで、このスイング幅でこの距離というのをどれだけ再現できるかがポイントとなります。
安定したスイングを作るために、ハンドファーストで構え、アドレスを取った上で短くグリップし、しっかりと芯で捉える練習をしましょう。
アプローチのアドレスにおけるスタンス幅を考えよう
スタンスの幅や体の正面の向きなども重要な要素です。
前項でも記載したように、アプローチはコンパクトなスイングできっちりと芯を捉えることが必要です。
それも、毎回同じ距離を再現できることが理想です。
ライ次第ではありますが、基本は、スタンス幅は小さく、体重移動もほとんどしないというアドレスになってくるはずです。
では具体的に見ていきましょう。
スタンス幅は、フルショットであれば肩幅程度でしょうか。
スタンスを大きく取って得られるメリットは、飛距離が伸びることです。
アプローチショットは、飛距離は一定が良いため、打ちたいと思う距離によって幅を変えるのは良いかもしれませんが、50ヤード以内の打ち分けで言えば、こぶしひとつ分のスタンスで固定してみましょう。
その都度、スタンス幅を変えるより安定性が増します。
とは言え、スイングで体がフラフラしてしまうようであれば、小さいスタンス幅にこだわらず、自分が安定して構えられる幅を見つけてください。
アドレスにおいて体の正面をどこに向けるか
また、ターゲットラインに対して体を正面に向けるか少し開くかという点も、アプローチショットでは重要視されます。
それぞれにメリットがありますが、多くのゴルファーのアプローチでは、ターゲットラインに対して少し体を開く「オープンスタンス」を取っているようです。
ではアプローチのアドレスにおいてオープンスタンスのメリットを挙げてみましょう。
まずは、オープンスタンスということは、ターゲット方向に体が少し向いている状態です。
右利きの人の場合、左サイドが少し開けているということになります。
その際にはゴミを右腕でゴミ箱に入れるように距離感の精度が向上すると思われます。
さらに、アプローチでは他のショットよりも打球の弾道をイメージすることが必要とされます。
どんな高さでどこに落ちてどこまで転がるか、というイメージです。
オープンスタンスだと、ターゲットが見やすいためにイメージしやすく、スクエアスタンスやクローズスタンスに比べて、早く打球の行方を見たくなる動きも制限され、ヘッドアップなどの軽減にもつながります。
ターゲットラインに正面に構えるか、オープンに構えるか
アプローチにおいてオープンスタンスのアドレスにメリットが多いことは確かですが、デメリットは無いのでしょうか。
オープンスタンスでは、体が打ち出し方向よりも左に向いているため、ターゲット方向にボールを打ち出すことが難しく、左に引っ掛けやすくなります。
また、体の捻転運動が制限されるため、バックスイングが小さくなり、アウトサイドインの軌道になりやすくなります。
このようなことから、通常のショットではオープンスタンスよりも、ターゲットラインに対して正面に向くスクエアスタンスをおすすめします。
アプローチは、基本的にフルショットするわけではありません。
むしろバックスイングが小さくなることにより、コンパクトなスイングができるようになります。
また、グリーン周りのハザードを越えてグリーンを狙うときには、高い弾道を打つためフェースを開きますが、そうすると球は右へ出やすくなります。
このとき、若干オープンスタンスにしていることで、方向も真っ直ぐに打つことができます。
転がすアプローチはターゲットラインに対し正面に構えよう
ここまで、アプローチのアドレスはオープンスタンスが適しているいう内容を書いてきましたが、アプローチというのは状況によって、使うクラブも打ち方も弾道もひとつとして同じケースはありません。
花道からのアプローチであれば、無理に高い弾道を打つ必要もなく、転がして寄せるアプローチならスクエアに構え、ターゲットラインに対して正面に構えたほうが方向性は増すでしょう。
また、左足下がりのライでは球が上がりにくく、無理に球を上げようとするとあおり打ちになり、ザックリのミスになります。
そのようなライでは、オープンスタンスよりもスクエアスタンスを取り、確実にボールにミートする意識だけを持ち、アプローチに臨むほうが良いと考えられます。
アプローチの基準を作り、バリエーションを広げよう!
通常のショットであれば、同じスイングのイメージで番手を下げていくことで10ヤード刻みの距離を打ち分けることができます。
しかし、100ヤード以内のアプローチショットをクラブのみで打ち分けることはできません。
残された距離、ライを正確に読み取り、どういった弾道で打つのかのイメージを持ち、それを再現することが要求されます。
そのためには、まずアドレスでスタンス幅、どこを体の正面とするか、フェースの向きなどを確認し、基準となるスイングを作り、それを軸にあらゆる状況に対応できるよう練習しましょう。